商業施設や路面店、移動販売など飲食店の出店場所・出店方法を比較!それぞれのメリットや注意点は?
2020年3月26日
画像素材:PIXTA
飲食店を出店開業しようとするとき、もっともイメージしやすいのは「路面店」でしょうか。人通りの多い道に面した建物があれば、その1階部分を借りて…などと考えている方は多いかもしれません。しかし、ビルのテナントへの出店や移動販売による開業など、その選択肢は実に多種多様です。そこで今回は、飲食店の様々な出店場所や出店方法について、それぞれのメリットとデメリットを交えながらご紹介します。安定した集客を見込める、ショッピングセンターや商業施設のテナント
誰もが憧れるショッピングモールや商業施設などへの出店は、とにかく集客力が抜群です。天候に左右されない、購買意欲の高い人が集まってくる、商業施設側で宣伝を行ってくれる、駐車場完備など、オーナーにとって助かるメリットもたくさん。駅近や駅直結型など、立地条件のいいケースがほとんどであるため、安定した集客が見込めます。一方で、賃料が高い、外観や内装の加工に制限がある、営業時間や休業日を自己都合で選べないなどのデメリットもあります。年中無休の商業施設であれば、対応するためのスタッフ確保も必要に。売上予測を立てて、人件費が無駄にならないような計画が必須です。また、ショッピングセンターは子連れ客も多いため、子ども用メニューの設定や、取り分け食器なども用意しておいた方がいいでしょう。店舗イメージとの共存が課題になる可能性もあります。
また、出店のハードルは路面店よりもかなり高くなります。最低でも1店舗は経営していること、そのうえで業績も好調でないと難しいかもしれません。逆に、評判の高い店舗を経営していれば、商業施設側から声がかかることもあります。
以上のことから、これから飲食店の開業を考える方は、まず路面店などからスタートしてみるのが現実的と言えます。
コンセプト次第で「当たる」可能性も?雑居ビルのフロア
意外かもしれませんが、成功例も多いのが雑居ビルへの出店。エレベーターがないような古い建物でも、駅に近い、人通りが多い、すでにほかの繁盛店があるなど、条件次第で集客につながります。気軽に立ち寄れる居酒屋や隠れ家風カフェのように、雑居ビルの強みをいかせるコンセプトを設定できれば尚良いでしょう。SNSを駆使した集客・宣伝活動のほか、店頭でいかに上手くアピールかがポイントとなります。ただ、店舗設備が古いことで冷暖房が効きにくいなど、雑居ビルならではの問題も起こりがち。同じビルに業態がかぶっている店舗がないか、ごみ捨てのルールがどうなっているか、建物全体の清潔感はどうかなどとあわせて、きちんと下見をすることが重要です。
ブランドの世界観を表現しやすい、路面店
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飲食店オーナーに最も人気が高い路面店舗。外観や看板、植栽などにこだわることができ、店舗ブランドの世界観を表現しやすいというメリットがあります。スケルトン物件を選べば、内装も自由に設定可能。店舗のコンセプトをしっかり考え、ターゲットに合った店舗づくりを行いましょう。人通りの多い路面に出店すれば人目につきやすく、集客の安定もめざせます。その分、路面店舗は他のオーナーとの競争率が高く、家賃が高額になるケースも少なくありません。アクセスの良さをとるか、家賃の安さをとるかなど、優先すべきポイントを見極める必要もありそうです。不動産業者と良好な関係を構築し、通行量データを収集するなど、念入りな下調べを行いましょう。路面店舗は入店しやすい分、通行客とのトラブルやいたずらが発生しやすい側面もありますから、治安や周辺環境の調査も忘れずに。
カジュアルな低コスト出店を実現する、移動販売
キッチンカーやフードトラックなどを利用した移動販売型店舗は、とにかく低コストで出店できることが強みです。中古のワゴン車などを購入・改造すれば300万円未満での出店も夢ではありません。万が一廃業となったときのリスクが小さいのも助かります。もともと移動を前提とした店舗ですので、人が集まるお祭りやイベントなどに参加しやすいことも大きなメリットです。ただし、当然ながら一般道や商業施設の駐車場などで勝手に営業することはできません。ガレージを借りる、商業施設と交渉して出店するなど、営業場所の確保が別途必要です。もちろん、その場合は費用がかかりますから、車両購入前にある程度の計画を立てましょう。企画書の作成や出店候補先への営業活動など、路面店舗とはまた違った工程を経る必要があります。
まずは、比較的費用を抑えやすい移動販売や雑居ビル内の店舗からスタートし、ある程度ブランド力を確立させた後に商業施設のテナントをめざす…といった将来的な構想も、様々な出店方法を比較検討することで具体的に思い描けるようになってきます。とはいえ、こだわりが強くなりすぎると開業資金が足りなくなる恐れも。最初に決めた予算はなるべくオーバーしないようにしていきましょう。立地によっては、店内販売のみにこだわらず、デリバリーやネット販売を検討するのも一案です。
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