葛井寺や世界遺産「古市古墳群」で注目の藤井寺駅は、ほどよく賑やか。飲食店出店のポイントは？

大阪府藤井寺市は、府内で最も小さく、全国でも5番目に小さい市。大阪のベッドタウンとして発展してきましたが、由緒正しい「葛井寺（ふじいでら）」や世界遺産の「古市古墳群」があり、近年は歴史ある観光スポットとしても人気上昇中です。今回は、藤井寺駅周辺の飲食店事情と出店のポイントをご紹介します。

通勤・買い物に便利でありながら、のどかで住みやすい街

市の東寄りに位置する藤井寺駅から阿部野橋までは直通で13分、心斎橋などにも約30分とアクセスは抜群。さらに都心から近いにもかかわらず、近鉄南大阪線の始発電車に乗れるというのもうれしいポイントです。駅北には2019年リニューアルオープンの「イオン藤井寺」があり、小売店や飲食店も豊富。周辺は古くから住宅地として開発され、並木や公園など緑も豊かです。駅に隣接する藤井寺球場の跡地も、学校と宅地に再開発されました。

藤井寺は生活するのに便利でありながら、特別賑やかな繁華街はありません。また一戸建て住宅が多いものの、高級住宅街というわけではなく、適度に庶民的な雰囲気です。すべてにおいて“ほどよい”というのが、藤井寺の住みやすさであり、魅力だといえるでしょう。

街のシンボル「葛井寺」には国宝、「古市古墳群」も世界遺産に

地名の由来となった「葛井寺（ふじいでら）」は駅のすぐ南東にあり、国宝「乾漆千手観音坐像」は“観音さん”と呼ばれ親しまれています。2019年に世界遺産登録された百舌鳥・古市古墳群のひとつ「岡ミサンザイ古墳」は、駅の南方にあり、豊かな水を湛えた濠に守られた雄大な姿が特徴。両者の中ほどにある古墳時代に創建された「辛國神社」もあわせ、藤井寺駅から徒歩でめぐることができる歴史探訪コースとなっています。

藤井寺市も観光開発には力を入れており、プロモーションサイト「なかなかのまちなか藤井寺」で史跡、グルメなどの情報を発信しています。

使い勝手のよい飲食店が広範囲にわたり点在

“ほどよく快適“というのは、藤井寺の飲食店に関してもあてはまるようで、超高級でも大衆的でもない、普段使いしやすい飲食店が多い印象です。

駅北側には老舗の中華料理店『蘭月』、各種手づくり餃子の『餃子屋本舗』、アジア・モロッコ料理を中心とした『ハルワ食堂』。居酒屋では『おちゃのこ彩菜』、立ち呑みの『麻野徳商店』などがあります。

南側はうどん屋の『掌（たなごころ）』、近隣で複数店舗を展開する居酒屋『黒兵衛』、リーズナブルにふぐ料理が食べられる『半すし』などが人気。南北とも、かなり広範囲にわたって飲食店が点在しています。

観光スポットがある南エリアには、街歩きを楽しむのに欠かせないカフェが集まっています。『FLOUR 藤井寺駅前南本店』、『珈琲屋TERRA』、『ahappy（アハッピー）』のほか、食事もできる『あかりカフェ』など。駅北側にも古い街並が残る一角に、築142年の古民家を改装したカフェ『楽時屋（たのしや）』があります。

藤井寺駅の賃料相場は抑えめ。店舗物件が少ないが、幅広いエリアで出店が見込めそう

藤井寺駅の賃料相場を調べると、2020年は約9,000円／坪とやや抑えめ。ただし、大きな繁華街や商業ビルが少ないので物件数が少なく、実際の賃料は物件次第でかなり変わってくるでしょう。今まで紹介してきたように、藤井寺駅前に店が集中しているわけではないので、駅から離れたエリアも候補になりそうです。

駅北側は藤井寺市のビジネス・商業エリアで、イオンのほか、北東に市役所があります。両施設には車で訪れる人も多いので、周辺の街道沿いには飲食店が点在しています。一方の南側は、岡ミサンザイ古墳の拝礼所まで徒歩約15分。ここまでの一帯に人の流れがあるといえます。

藤井寺で飲食店を出店するなら、以下のような形態が考えられます。

■観光しながら立ち寄りたいカフェやレストラン
葛井寺や古墳を訪ねる際に立ち寄りたい、風情のあるカフェやレストランは、まだまだ需要があると考えられます。観光客を意識しつつ、地元の人も利用しやすい業態が望ましいでしょう。

■記念日などに利用したい、やや高級な店
藤井寺には高級感のある店が少なめですが、古くからの住宅街であることを考えれば、地元在住のファミリー向けの少しグレードの高い飲食店も有望です。

■子ども連れで行けるファミリー向けの店
藤井寺駅周辺には、なぜかファミリーレストランがありません。北側にはイオンがありますが、南側エリアには子ども連れファミリーで訪れやすい店があまりなく、需要がありそうです。

■「藤井寺名物グルメ」を目指し、スイーツ、B級グルメなど特色ある一品で勝負
藤井寺には多くのリーズナブルでおいしい飲食店があり、地域の人にとっての満足度はとても高いと思われます。ただ残念なのは、他のエリアからも人が集まるような「藤井寺グルメ」と呼べるメニューが少ないということ。我こそはという方は、ぜひチャレンジしてみてください。

大阪府を訪れる外国人観光客数はうなぎのぼり。2018年には1千万人を越え、同時に国内からの観光客も増えています。「自分が藤井寺の集客力をさらにアップさせる！」そんな意気込みで、出店を考えてみてはいかがでしょうか。


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