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飲食店も“スペパ”の時代。休日やアイドルタイムを活用する「間貸し」営業のメリットや注意点は？

飲食店も“スペパ”の時代。休日やアイドルタイムを活用する「間貸し」営業のメリットや注意点は？

2024年3月28日

画像素材：PIXTA

インターネットでスピーディーに情報共有できるようになり、飲食業界でも「シェア」や「スペパ（空間対効果＝スペースパフォーマンス）」が重視されています。そこで注目を集めているのが「間貸し」営業です。今回は、アイドルタイムの店舗を貸し出して収益アップをはかるこの方法について、メリットがある一方で、注意点もあることを解説します。

飲食店の「間貸し」「間借り」とは？

飲食店の「間貸し」とは、休日やアイドルタイムの間に店舗を別の飲食店に貸し出すことです。その逆で借りる側の視点では「間借り営業」と呼び、こうした業態の店を見かけることが増えたと感じる人も多いでしょう。実はコロナ禍で飲食業の経営環境が厳しくなった折、コストを抑えたい店主の間で「間貸し」「間借り」というスタイルが拡大しました。

具体的には、「夕方から営業する居酒屋を借りて、ランチタイムにカレー店を営業」「ラーメン店の店休日に、別のラーメン店が営業」などの形です。借り手のなかには、独立開業の前にまずリスクの少ない間借り営業から始めるという人や、サラリーマンをしながら週末だけ副業としてカフェやラーメン店を営む人などがいます。

間貸ししたい人と間借りしたい人のためのマッチングサービスも増えていて、「シェアレストラン」「magari」「SPACEMARKET」などがあります。これらのサービスでは貸し手と借り手1対1のマッチングのほか、複数の借り手が1つの店舗を借りる「シェアレストラン」の業態も取り扱っています。

間貸し営業のメリットは？

間貸しをしたときのメリットとして、以下が挙げられます。

■売上を増やせる

アイドルタイムや店休日を他の人に間貸しすることで収入を得て、店の売上を増やすことができます。活用されていないスペースと時間を有効活用して、収益を上げられます。

■集客のチャネルを増やせる

間貸しした飲食店の顧客に店を認知してもらうことができ、自分の店への集客にもつながります。今までリーチできていなかった顧客層を呼び込める可能性があります。

間貸し営業の注意点をチェック

一方で、間貸しすることのデメリットもあります。どんな点に注意すればいいでしょうか。

■貸主の許可を得る必要がある

「間貸し」は自分が借りている店舗をさらに別の人に貸す行為です。賃貸の店舗を借りている場合、「間貸し」をする前に必ず貸主の許可を得ましょう。店舗を借りるときの賃貸契約書に転貸に関する規定が入っていることもあるので、確認が必要です。

■賃料だけでなく細かい条件も決める

一日当たり、あるいは月ごとなどで、借り手から受け取る賃料を設定します。間貸しするときにはガス、電気を使用するので、光熱費も加味して賃料を設定することが一般的です。

さらに、冷蔵庫の使用やゴミ出し、店の設備と備品を使用する上でのルールも明確に取り決めておく必要があります。食中毒や火災その他の事故が起きた場合のトラブル対応についても念のために定めておくといいでしょう。

取り決めたことは、契約書により明文化しておくことで、のちのちのトラブルを予防できます。

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■契約形態により責任の所在が変わることに注意

何か事故があったときの責任の所在も重要な問題です。トラブルを回避するには、借り手にも「飲食店営業許可」の取得を求め、契約形態で「スペースのみを転貸」という条件を結ぶことです。その場合、万一食中毒が出た場合には間借り店が責任を取ることになります。しかし「業務委託契約」の場合は、事故の責任を貸主である飲食店が負うことになります。

責任を負わない契約があったとしても、間借り店に何か事故があった場合には間貸しした店のほうもダメージを受けることは避けられません。そのような事態を避けるため、信頼できる借り手を選ぶこと、間貸しスタート後はビジネスパートナーとしてコミュニケーションを欠かさないことが大事です。