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イニシャルコストを抑える物件選び！ポイントは「居抜き」と「フリーレント」

イニシャルコストを抑える物件選び！ポイントは「居抜き」と「フリーレント」

2022年9月16日

画像素材：PIXTA

開業時に少しでも抑えたいのが、イニシャルコスト（初期費用）。費用の回収が早く進み、利益を出せる基盤が整うためです。そこで、飲食店開業時のイニシャルコストの相場や内訳、さらに、イニシャルコストを抑えるための物件選びのポイントをまとめました。

飲食店開業の平均費用は883万円

新規事業への資金援助を促進している日本政策金融公庫では、「新たに飲食業を始めるみなさまへ～創業の手引＋」を発行しています。これによると、飲食店の開設費用の合計（不動産を購入した企業を除く）は883万円。内訳を見ると、内外装工事が41.7%（368万円）を占めており、機械・什器・備品等21.1%（186万円）、運転資金19.1%（169万円）、テナント賃借費用17.5%（155万円）と続きます。また、「開業後軌道に乗り始めた時期」の回答は「6カ月超～1年以内（28.8％）」が一番多く、開業してから売上が安定するまでに要する時間は決して短くないという結果に。こうした中で店舗の営業と生活を維持していかなければならないため、イニシャルコストを抑えることは非常に重要だと言えます。

イニシャルコストを抑えるには？

先述の「飲食店の開設費用の合計」からもわかるように、内外装工事費、機械・什器・備品等購入費、テナント賃借費用が主なイニシャルコストです。開業から数カ月分の運転資金をイニシャルコストに含めて考えるケースもあります。イニシャルコストを抑えるには、内外装工事とテナント賃借費用を見直すのが堅実。そこで知っておきたいのが「居抜き」や「フリーレント」の物件の存在です。

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前テナントをそのまま使える「居抜き物件」

居抜き物件とは、前テナントが使っていた造作・設備・什器などが残っている物件のこと。同業態、もしくは近い形態の居抜き物件に出合えると、内外装工事費用や備品の購入費用を最低限にすることができるため、イニシャルコストも少なくすることができます。また、開業までの時間を短くできる、物件が認知されているといった点も居抜き物件のメリットでしょう。

ただし、店内のレイアウトの自由度が低い、設備などに経年劣化が見られるといったデメリットがあることは理解しておきたいもの。もし前テナントのイメージが悪かった場合、イメージ刷新のための努力が求められるでしょう。さらに前テナントが撤退した理由が「立地が悪い」「視認性が低い」などである場合、難しい経営を強いられる可能性が。前テナントの撤退理由に冷静に目を向ける必要もあります。

賃料の無料期間がある「フリーレント」

一方、フリーレントとは、賃貸借契約がはじまってから一定の期間に限り、賃料が無料になる制度をいいます。最初の1～2カ月程度が無料になるケースが多いようです。一般的に貸主は、空室率を下げるための戦略として「フリーレント」を導入します。家賃そのものを下げて募集をかけるという方法もありますが、それでは既存のテナントから値引き交渉を持ちかけられる可能性があるため、フリーレントを選ぶ貸主が増えているのです。借主にもメリットは多くあります。テナント賃借費用を抑えられるのはもちろん、リフォーム工事をするなどの開業準備期間に賃料が発生しないという点からも嬉しい制度といえるでしょう。

注意しておきたいのは、「賃料は無料でも共益費はかかる」「最低契約期間の定めがあり、途中で解約すると違約金が発生する」といったこと。さらに、「そもそも賃料が相場より高い」「保証金が戻ってこない」など“からくり”があることも。「賃料2カ月無料」の言葉に飛びつかず、契約内容をきちんと理解しなければなりません。

イニシャルコストを抑えて費用の回収が徐々に進むと、精神的にも安心感が得られ、日々のモチベーションが高まるといった効果もあります。また、多少経営が思うようにいかなくとも、イニシャルコストが低ければ経営は安定しやすいでしょう。開業に不安がある場合、物件の選び方を見直してみてはいかがでしょうか？

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