飲食業界で注目高まる二毛作ビジネス。開業や物件選びのポイントは？
2023年1月31日
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二毛作ビジネスのスタイルは無限
そもそも二毛作とは、ひとつの畑で季節をずらして異なる作物を栽培することをいいます。日本では、稲の収穫後、秋から冬に小麦を育てて農地を有効に活用することが古くから行われてきました。農業でのこうした運営方法を飲食業に置き換え、時間帯や曜日などで業態を分けて営業するスタイルが「二毛作ビジネス」と呼ばれています。昼は定食屋で夜は居酒屋、昼はうどん店で夜はてんぷら専門店など、さまざまな組み合わせがあります。以前は食品ロスを減らしながらランチ需要を取り込んだり、弟子の独立を支援したりする目的で、ひとつの企業が二毛作をするケースが目立っていました。しかしコロナで飲食業界は大打撃を受けたために、１つの物件で2つの企業が時間帯を分けるなどして営業をするスタイルが増えています。例えばチェーン店では、焼鳥が売りの居酒屋「やきとりの扇屋」と、低価格でうな丼を提供する「名代 宇奈とと」がダブルネーム店舗をオープン。両社が「炭火焼」を強みとするため、コラボレーションが叶ったそうです。２つの企業で二毛作をする場合、強みに共通点があったり、ブランディングの方向性が近かったりすることが成功のカギになると言えるでしょう。そのほか、閉店している時間帯にテイクアウト専門店に「間借り」させるケースも増えています。
二毛作ビジネスとメリットとデメリットは？
もちろん、二毛作ビジネスにはメリットもあれば、デメリットもあります。それぞれどんなことが考えられるのでしょうか。■二毛作ビジネスのメリット
二毛作ビジネスのメリットのひとつが、経費の削減です。店舗を2つの企業で使用する場合、貸し借りすることになります。賃料をそれぞれで負担することになるため、互いに経費を抑えることができます。また、それぞれの店舗で異なる層のお客さまを呼び込めます。両店舗の情報を周知してもらえたり、関心を持ってもらえたりするため、より多くのお客さまを取り込め、売上がUPする可能性があるのです。さらに、人材確保でもメリットが。アルバイトスタッフを両社で雇用すると、効率的な人材配置ができたり、人材不足を解消したりできます。■二毛作ビジネスのデメリット
二毛作ビジネスの場合、良い面も悪い面もそれぞれのビジネスに影響し合うことは避けられません。1つの店の経営が芳しくないと、もう一方の店の経営にもマイナスに働くことがあります。例えば、高級路線と低価格路線の組み合わせのように、特徴が真逆の店舗で二毛作をすると、それぞれの良さが活きないため、経営がうまくいかない確率が高まります。また、キッチンの使用で混乱が起きることも。食材の管理方法や仕込みの時間帯の確保、清掃などの取り決めを上手に行い、現場で混乱が起きないようにする必要があります。
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二毛作ビジネスのための物件選びのポイント
二毛作ビジネスを成功させるには、どのように物件を選ぶかも重要です。■二毛作NGの物件は選ばない
最初に確認しておきたいのが、大家さんの了承が必要かどうかです。二毛作ビジネスは法的には問題ありませんが、２つの企業で物件を貸し借り・管理をするとなると、大家さんに了承を得なければならない物件もあります。計画をスムーズに進めるために、早い段階で忘れずに確認してください。■看板の設置が可能
お客さまの混乱を防ぐために、最低限行いたいのが看板の設置です。隠れ家のような物件ではなく、しっかりと看板を設置できる物件が良いでしょう。■キッチンは十分な広さを確保
冷蔵庫や保管場所の配分や、食器や備品の管理などキッチンの使用方法を発端に、両店の信頼関係が崩れてしまうケースも。明確な取り決めをするのはもちろんのこと、物理的に余裕のあるキッチンの物件でスタートすることも大切です。二毛作ビジネスの方法は広がっています。飲食店同士で組むだけでなく、昼間はコワーキングスペースとして貸し出すなど、他業種と組む事例も。開業予定地域でどんなニーズがあるかを探りながら物件を選ぶことで、新しい二毛作ビジネスが見つかるかもしれません。
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