脱サラで飲食店を開業！開業までの流れや物件を決めるタイミングは？

飲食店主のなかには脱サラして始めた人が少なくありません。その場合、社員として勤務しながら物件探しを始めとする開業準備をすることになります。今回は脱サラで飲食店を開業するときの手順や物件の探し方、物件契約のタイミングを解説します。

脱サラで飲食店を開業するには、どんなパターンがある？

企業勤務を経て飲食で独立する人のなかには、いくつかのパターンがあります。たとえば、飲食と関係のない企業勤務から飲食店を開業するパターンのほか、食材商社など関連する企業の勤務から脱サラして開業する人、企業勤務のあと飲食業界で経験を積んでから独立する人もいます。

自分の構想に自信がありすぐ実行にうつす人もいれば、飲食関連企業や飲食店の勤務で経験を積んでから開業へと慎重に進める人もいるでしょう。どのパターンであっても共通することは、勤務をしながら独立開業の準備をしなければならないということ。準備が本格化すれば前職を退職しなくてはなりませんが、収入が途絶える期間をできるだけ短くするためにも、勤務しながらの計画的な準備が大切です。

まず開業資金を貯めること

企業勤務の間にまずすべきことは、資金の準備です。飲食店を開業するときは日本政策金融公庫などで借入をすることが一般的ですが、その他に自己資金が必要です。店の業態や規模によっても用意するべき資金額が違ってきますが、できるなら500～1000万円程度は貯めておきたいところ。5年あるいは10年、目標額の準備に要する期間は人それぞれですが、独立を少しでも考え始めた段階から堅実に貯金をしていきましょう。

開業のために必要な資格や学び、情報収集も

飲食店開業に必須の資格として食品衛生責任者、防火管理者がありますが、これらは1日の講習で取得できるので事前準備というほどでもありません。調理師免許は必ず必要ではないですが、通信教育などで働きながら取得することも可能です。また、必要に応じてソムリエや唎酒師を取得することもおすすめです。そのほかに料理の技術、食材の学習も欠かせません。飲食業へいったん転職して一定期間経験を積む人もいますが、これも有効な準備の方法です。仕入れや在庫管理、接客や集客などについて現場の実体験から学ぶことができます。一方で、飲食店勤務をすることなく開業する人もいて、必ず現場経験が必要というわけではありません。

自分がやりたい店のイメージを具体化するために、人気のある飲食店を食べ歩いたり、店舗の内外装を見たりといった経験を積むことも有効です。準備期間のなかで自分がやりたい店の業態やコンセプト、ターゲットを明確化して、そのプランに合う出店対象エリアをある程度絞り込むことができれば、次は物件探しです。

物件探しには1年くらいかけるつもりで

脱サラで飲食店を始める人の多くが、勤務の合間に物件探しを始めています。自分の希望に合う物件を探すまでにはかなり時間がかかります。まず自分が出店したい駅や沿線を決めて不動産屋を回ってみて、なかなか条件に合う物件が見つからないので対象エリアを拡大してさらに探し続けるといったパターンをたどる人が多いようです。物件探しは開業予定の1年前くらいから始めるというのがひとつの目安です。しかし物件との出会いは意図せざるもの。まだ資金も十分に貯まっていないのにぜひ契約したい魅力的な店舗を見つけてしまった、ということも起きるかもしれません。この場合は、縁がなかった物件としてあきらめて、自分のスケジュールに沿って進めることを優先しましょう。

物件を決めるタイミングはとても重要です。契約をしたらそこから物件費が発生し、速やかに融資を申請したり、内装工事を手配したりと一気に開業準備が具体化します。逆算すると、物件契約は開業予定日の3カ月前が目安です。未公開物件や掘出し物物件の情報を入手したいなら、出店したいエリアの不動産店を回りましょう。不動産業者は常に来店した人が借り手として貸主に推薦できるかどうかを見定めているので、不動産店を訪れる際は身だしなみや態度をきちんとして自分の希望を明確に伝えることが大事です。脱サラ開業の場合、企業に長く勤務した実績や自己資金力もアピールポイントになります。不動産業者に一目おかれれば、よい物件の情報が出たときに早めに知らせてもらえる可能性が高くなります。

以上のように、脱サラで飲食店を開業する場合には、勤務している期間に準備するべきことがたくさんあります。できるだけ早めに、周到に準備して、リスクを減らしてスタートを切りましょう。

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