昭和の雰囲気が残る下町「蒲田」。東京随一の飲食店数を誇るエリアに出店するなら？

東京駅からJR京浜東北線で南へ21分の「蒲田」は、町工場が多い大田区の繁華街です。昭和の雰囲気を残す商店街など下町のイメージが強いですが、近年の再開発でかなり綺麗になりイメージもアップ。東京23区で「最も飲食店が多い」あるいは「最も居酒屋が多い」ともいわれています。今回はそんな蒲田の活気ある飲食店事情と、新規出店のポイントについてご紹介します。

通勤アクセス抜群。買い物も便利な蒲田駅・京急蒲田駅

蒲田駅はJR京浜東北線・東急池上線・東急多摩川線の3路線が乗り入れ、蒲田駅から徒歩10分の京浜急行蒲田駅も利用できます。さらに都心からさほど遠くないにもかかわらず、全ての路線で始発利用が可能。蒲田駅から出る3路線を使えば、混み合う朝も「座って通勤」ができるため、通勤で電車を使う社会人にも人気のエリアです。

また、JR蒲田駅は2008年、京急蒲田駅は2012年に全面リニューアル。グランデュオ蒲田という新しい駅ビルができ、以前からある東急プラザ蒲田と合わせて巨大な商業エリアとなっています。一方の京浜急行蒲田駅は、懸案だった開かずの踏切が高架化。近代的な駅に生まれ変わり、周辺にはタワーマンションも建設されました。さらに今後は、蒲田駅（または東急線）と京急蒲田駅を繋ぐ「蒲蒲線」の敷設が大田区や東急電鉄で検討されています。

この10年、大田区全体の人口は増加しており、蒲田駅周辺では京浜急行各駅・東急線各駅などにも新築マンションが供給されています。地元の人・単身社会人に加え、最近では女性単身者・子育て世代が流入している地域です。

昔から営業している飲食店が多い街

蒲田駅東口は駅前広場から広い通りの両側に安売り店、飲食店などが並び、賑わいは京浜急行蒲田駅まで続いています。一方の西口には「サンライズ」「サンロード」の２つのアーケード商店街があり、こちらも昭和から続いている個人店が元気に営業。西口エリアに複数のビルを構える「ユザワヤ」は蒲田発祥です。

大田区にはいくつかの町工場が集結しているエリアがあり、その中心に位置しているのが蒲田です。このため、昭和のはじめ頃から工場で働く労働者向けの大衆的な飲食店が多数営業していました。その後、羽田空港が建設されて京浜急行蒲田周辺にも賑わいが拡大。現在も蒲田には個人経営の老舗飲食店、居酒屋が多く、“安くて旨い店”の宝庫です。

蒲田といえばまず「羽付き餃子」!?　B級グルメがひしめく街

蒲田は「羽付き餃子」発祥の地とされています。『春香園』『`O好』『金春』『歓迎』などの名店があり、いずれもレトロな雰囲気も魅力の老舗店です。また、『ミ・レイ』『ティティ』『ラットゴウン』『居酒屋タイ』などのベトナム料理店も目立ちます。そのほかに居酒屋、とんかつ、ラーメンの人気店も多数あり、どこもリーズナブルです。

さらに、商店街の地下や二階などでひっそりと営業しているのは、昔ながらの喫茶店。珈琲専門店というよりは、ランチを食べに常連さんが通う「街の喫茶店」といった趣きで、ドリアやナポリタンなど各店には看板メニューがあるようです。

B級グルメには事欠かない蒲田エリアで異彩を放っているのは、ミシュラン2つ星を取り続けている、創業明治26年の『初音鮨』。こちらは都心の名店並みの平均単価3万円台で、予約が取れない店として有名です。

蒲田に出店するならどんな店？

飲食店が多くどこも活気があるためか、蒲田の店舗物件賃料は庶民的な街のイメージに見合う割安感はあまりありません。しかし常に一定数の物件が入れ替わりながら出回っており、商店街の代替わりなどでも空き店舗が出るため、じっくり探せば希望の店舗が見つかることもあるでしょう。

蒲田は、土地柄は庶民的でも飲食店事情は先進エリア。コスパにも味にも優れた名店がしのぎを削っていて、エスニック料理などのバリエーションも豊富です。どんな店なら勝負ができるか、じっくり考えて出店する必要があります。

出店するならたとえば以下のような業態が考えられるでしょう。
・全体的に男性向きの店が多いので、女性が入りやすいカフェやカジュアルレストランなど
・子連れファミリーが利用しやすい、フロアが広々してトイレなどの設備が整った店
・年配の人が日々の食事に利用できる定食があり、軽くお酒も飲める店
・5000円前後で雰囲気がよくリーズナブル感のあるフレンチ、イタリアンなどの店
・wi-fiや電源利用OKなど、飲食以外の付加価値がある店

蒲田は魅力的な飲食店が多い東京有数のグルメエリア。「これで勝負！」というイメージが固まったらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

蒲田駅の店舗物件一覧