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IT企業経営の傍ら飲食店開業を実現。和と最新技術をコンセプトにした店舗開業の道のり

2019年4月1日

食べ歩きが大好きで「飲食店をやりたい」とずっと思っていた

田中さんは、企業の代表としてWeb事業などを展開する経営者だ。仕事をバリバリとこなす一方で、趣味として全国各地の飲食店を巡っており、その数は約2000軒にものぼるという。

その趣味もあってか、「ずっと飲食店をやってみたいと考えていたんです」と話してくれた。しかし、ゼロから新規事業を行うことはリスクがあるとまわりから言われ、自分でもそのことを承知していたそうだ。それでも飲食店への思いは消えず、日に日に強くなっていった。

「飲食店を巡っているなかで、素材の食感や味付け・食材の理想の組み合わせとそれらを実現する調理技術に興味をひかれるようになりました。そして10年くらいかかりましたが、自分のやりたい店のイメージが少しずつ固まっていったんです」

そして理想の飲食店を思い描きながらも順調に本業で実績を積み、資金が準備できたタイミングでついに出店を具体化させたそうだ。

最初に直面した問題は激戦区「赤坂」での物件探し

田中さんは知り合いの不動産業者に依頼し、自身が拠点としている赤坂で小さめの物件を探すことにした。しかし、そこは飲食店の激戦区。せっかく良い物件を見つけても、他社との競争で敗れるケースを数多く体験した。

「物件の数は少ないうえに賃料は決して安くはありません。せっかく良いと思える物件に出会っても、申し込んでも実績ある大手飲食企業に決まってしまうこともありました。物件探しにはかなり時間がかかりましたね」

物件探しにはかなり苦労したといい、結局2017年の秋頃から1年以上かけ、現在の店舗を確保したそうだ。

スケジュール

【2017年10月】出店を決め、物件探しをスタート
【2018年2月】 物件を確保
       店舗デザイン.COMのマッチングサービスに登録
【2018年3月下旬】候補の会社を対象にコンペを実施
【2018年4月上旬】デザイン会社決定、その後約2か月かけてプラン詳細を決定
【2018年7月】内装工事開始
【2018年8月】シェフを含む人材募集
【2018年9月】竣工
【2018年11月】シェフが就任し、開店準備スタート
【2018年12月17日】オープン

マッチングサービスでデザイン会社と出会い、こだわりの空間を実現

田中さんは自社で飲食店コンサルティング事業も行っていたが、自分のやりたい店をゼロから立ち上げるのは初めてのこと。内装工事会社などの知り合いはいなかったため、店舗デザイン.COMのマッチングサービスに登録し、パートナーになってくれるデザイン会社を探した。

「すぐに返信メールが40~50件ほどありました。その内容を読んで気になる3社を絞り込み、コンペを実施させていただきました」と田中さん。結果、3社とも素晴らしいプランを提示してくれたそうだ。その中で1社を選んだ決め手は何だったのか。

「全国の食べ歩き体験を通じて知った最新の調理機器と、それらを活用した料理を自分なりに表現してみたいと考えていました。『日本の伝統的な素材×最新技術』がコンセプトです。依頼することになったKAMITOPENさんは、この趣旨を受け止めて、日本古来の『継手』という技法を取り入れたデザインを提案してくれました。」

継手とは接着剤を一切使わず、木材同士を精巧に削って組み合わせる日本の伝統的な木工技術のこと。古来より大型建築にも使用されていたが、釘が発達したこともあり、現在ほぼ廃れつつあるそうだ。しかし、KAMITOPENでは継手のデザインをレーザープリンタで再現し、作品に活かしていた。こうした姿勢が、田中さんの想いに共鳴した。

“日本の伝統 × インダストリアル”な空間「magaribana」が誕生

デザインの細部を固める打ち合わせにも2か月ほどかけ、妥協なくこだわりを実現した店舗が完成した。金属・ミラー・大理石の冷たく無機質な感触と、多様な表情をもつ異なる木材を組み合わせ、店のコンセプトを見事に表現している。

「結局は細かいパーツや食器まで特注することが多くなったので、当初予定より初期費用がかかってしまいました。でも思い描いていたイメージ通りの店を実現できたので、満足しています」

最新調理器具も多く取り入れた。その中の一つが、減圧調理器「ガストロバック」だ。真空に近い状態で調味料と素材を保ち、短時間で味を浸透させることができる。ほかに温風と水蒸気をコントロールする「スチームコンベクション」も導入した。

2018年末にオープンした「magaribana」は6席・完全予約制で、素材に向き合い調理法を追求した和の創作料理を提供している。

開業する人へのメッセージ

最後に開業する人へ向けてのメッセージをきいた。

「飲食店経営は自分がやりたかったことだからこそ、資金面やプランニングなど周到に準備を進めました。妥協せずに店を実現できて今は満足していますが、成功させるためにはここからが本番です。多少の失敗を織り込んで運転資金も準備しつつ、粘り強く試行錯誤していかなければと思います」

さらに田中さんはすでに二店舗目を準備中だそう。二店舗目についても伺った。

「食材のロスを軽減する目的で、コンセプトの異なる店です。場所は札幌で、デザインは同じくKAMITOPENさんにお願いしました。最新の調理技術でホルモン焼肉をより美味しく味わえるお店にする予定です」

二店舗目の行方も楽しみだ。新業態へのチャレンジに、今後も注目したい。

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