インスタ併用で店のストーリーを発信!面接ドタキャン問題を防止
「応募したのに面接に来ない」のは働くイメージがわかないから
―――オープンから約1年半が経ちました。これまで人材面ではどのような課題がありましたか?
コロナ禍でのオープンだったので、半年間はパートナーと2人で営業をしていましたが、徐々に忙しくなってきて、スタッフを増やす必要性が出てきました。焦らずに採用活動をしようと、HPで募集を開始。採用はできましたが、すぐに辞めてしまう人ばかりで、求人媒体に掲載をして飲食店の経験者を採用していこうと考えるようになりました。
同業者に相談をすると、「掲載には賛成だけど、応募しても中には面接に来ない人がいると思っておいた方がいい」と言われました。そこで、どうやって防止しようかと考え、「想像力」がカギだと思い付きました。求人媒体に掲載すると認知性は高いけれど、ストーリー性に欠け、面接や働く自分などを想像しにくいことが応募者にとっての“こわさ”になっているのではないか?と。今は、気になった店があれば、インターネット検索をしますよね。それなら、インスタグラムでストーリー性を補っていこうと考えました。
私を含めてスタッフの平均年齢は25歳。「インスタは、やっていなくても見ている」とスタッフの多くが話していたので、当店とインスタグラムの相性はいいとも思えました。
―――インスタグラムはどのように活用しているのですか?
それまでインスタを「やった方がいい」くらいに捉えていたので、無理のない範囲で生産者や食材の紹介などを載せていました。ですが求人媒体への掲載を意識するようになってからは、私たちスタッフの顔を積極的に出すようにしました。応募してみようかなと思った方々がインスタを見て、「この人たちとあんな風に働くんだ」とイメージできたらいいなと。
インスタでの発信を変えて求人媒体への掲載をしたところ、これまでに面接に来ないというケースは起きていません。
―――掲載媒体に「求人@飲食店.COM」を選んでくださったのはなぜですか?
経験者を採用したかったので、求人@飲食店.COMの一択だと思いました。
「中途の正社員の採用はできるだろうけど、アルバイトの応募は少ない」と聞いたことがありましたが、当店の場合は応募者の9割が未経験者で、アルバイトの応募もかなり来ています。私たちは、畑をつくったり、搾りたての牛乳を牧場に取りに行ったりと、コンセプトが分かりやすいので、そこに魅力や意欲を感じて応募してくれているようです。お店のストーリーに共感してくれているのは嬉しいですね。
―――掲載内容で工夫していることはありますか?
私たちのレストランは、かしこまったサービスなどではなく、『食材と人』を大事にしているので、スタッフには人間性を求めています。裏表なく、自然体の人。だから、サイト上では等身大の言葉で、語り掛けるように伝えることを意識しています。
面接は応募者の真剣さに希望を与える時間
―――現在、11月の新店オープンに向けて採用活動を続けていらっしゃるそうですが、順調ですか?
応募は多いのですが、最近はなかなか採用に至っていません。「面接がうまくいっていない」と反省しているところです。
―――どういったことが反省点なのでしょうか?
有難いことに県外からの応募も増えています。働き出してから何かが違うといったことがないように、面接後、1日でも試しに働いてもらうようにしています。けれど、初日に来ないことが続きました。最初は“イマドキの若い子”だと諦めていましたが、私が「なんとなく面接をするようになっていた」ことに気付きました。
以前は面接で店の理念や私の思いをたくさん話していました。でも、面接を繰り返すうちに、私の中で「当たり前」になってしまい、理念や思いを話さなくなっていました。
応募者がインスタを見てくれていようと、食べログを見てくれていようと、面接で初めて時間を共にします。応募者の真剣さや憧れに希望を与えることをしなければ、win-winの関係性は築けません。私自身、もう一度真剣さ持って面接に取り組んで、採用率を上げていきたいです。
―――求人媒体とインスタの併用に加え、ご自身の意識を変えることで採用活動に取り組んでいらっしゃるのですね。
飲食業界は離職率が高く人材不足。その反面、真剣に夢を持って応募してくれる方もたくさんいると日々実感してます。そういった方の思い、未来のため、きちんとした給与、時間そして1人1人の成長に真剣に尽くしていきます。
―――今後の展開を教えてください!
これからも、愛知の食材を使い多くの人に価値を届けられるよう努めていきます。
今年11月には2店舗目となる「食堂chisan」が開店します。人材採用を積極的に行い、スタッフの成長の場となるよう取り組んでいきます。
―――ありがとうございました。今後とも求人@飲食店.COMをよろしくお願いいたします!