事業立ち上げのストーリーを発信し理想的な人材の採用に成功

オープニングスタッフの採用活動を振り返り、カフェ事業責任者である村山竹宏さんにお話ししていただきました。
―――思いのこもった店舗のオープニングなので、人材採用においてもこだわった点があったのではないかと想像します。
そういった中で求人飲食店ドットコムを選んでくださった理由を教えてください。
カフェ事業を担当する社員も私も、飲食店での業務経験は実はゼロです。なので専門的な技術や経験を備えている方が欲しいと考えていました。
今回タッグを組む、ドルチェ氷で有名な「セバスチャン」の川又浩さんに、「だったら『求人飲食店ドットコム』はどうだろう」と紹介してもらったことがきっかけです。
―――採用活動を進めていく上で大切にしたことは?
応募者の方々が持っている技術を重視しつつも、誠実さや素直さがあることを一番のポイントにしました。加えて、新店舗の立ち上げに積極的に関わり、経験に基づき意見を出せることと、チームで協働できること、この3点を大切にしました。
―――応募者がその3点を備えているかどうか、どのように見極めていったのですか?
応募してくださった方全員に、履歴書の提出をお願いしました。誠実さや、労をいとわずに店舗づくりに取り組んでいこうという姿勢があるかどうかを見るためです。お互いに効率的な面接時間を過ごすためにも有効だと考えました。ほとんどの方が履歴書を提出してくれたので、応募者の質は全体的に良いように思います。私たちは紙加工業で成長してきた企業なので、飲食といっしょに紙のおもしろさや楽しさを提案することを大きなコンセプトにしています。なので、面接時には店舗の図面やデザイン物をお見せし、私たちの思いに共感していただけるかどうかお話しをしていきました。
スタッフになると、接客だけでなく、紙に関わる業界の方やデザイナーさんたちとも関わっていくことになるので、コンセプトに共感できるというのは不可欠ですし、共感力があることは円滑なコミュニケーションやチームでの協働につながると考えました。

―――原稿ではどういった工夫をしましたか?
「スペシャリティコーヒー」や「ドルチェかき氷」はすでに存在するワードなので、それだけでは求職者の関心を引くことは難しいと考えました。そのため「足立区の下町の紙工場が、なんと原宿にギャラリーカフェをつくり、スペシャリティコーヒーを提供していく!」というストーリーはしっかりと打ち出しました。それから、川又浩さんは業界で名が通った方なので、名前を使わせていただきました。働き方は早番と遅番にし、ダブルワークができる体制であることをアピールしました。
―――今回、1カ月間アルバイトを募集し、応募は40件以上、最終的には6名を採用されたそうですね。
飲食店専門の求人サイトとは言え、アルバイトの募集なので学生からも応募があるだろうと予想していました。ですが実際に応募してきた方は、バリスタ経験者やドルチェかき氷を削ったことがある、プロと言える方ばかり。専門学校を出てカフェを渡り歩きながらスキルを磨いている方、長くホテルに勤務して身に付けたことをカフェで活かしてみたいという方などが「アルバイト募集」に応募してきたのは驚きでした。提供メニューに対してスペックが高過ぎてお断りした方もいるほどです。
原稿に早番遅番の働き方を掲載したため、ダブルワークを望んで応募してきた方はもちろんいましたが、「腰掛にはしない」という意志やここで挑戦していきたいんだという気持ちを感じさせてくれる応募者は決して少なくない印象を受けました。アルバイトと言っても、正社員と変わらない働き方ができる方々がいる労働市場なのだと知ったことで、アルバイト採用のイメージがガラッと変わりました。
―――「アルバイト採用のイメージが変わった」とのことですが、それを踏まえ、今後はどのような採用活動を考えていますか?
先が見えるようにすることは必要だと感じました。2カ月間の試用期間を経て時給を上げることにしていますが、能力の高いアルバイトを獲得していくには、PAP.COFFEEでどんなキャリアプランが描けるかを示していくことが求められるはずです。こんなステージがある、資格取得のサポートや給与面のインセンティブがある、などを採用活動時から打ち出していきたいです。

―――最後に、今後の目標や展開を教えてください!
まずはフェアトレードのコーヒーの商売を、ファッションやクリエイティブの発信地、原宿で成立させることです。コーヒー農園の現状に多くの人が目を向けるきっかけを生み出せる店舗を目指します。
大きなドルチェかき氷は、年々温暖化が進んでいく中で食文化が変化していくのはないかと考えたために提供を決めた背景があります。かき氷の提供を通して、今後求められるであろう、紙製容器の設計開発や紙資源の循環を試みていきます。今回、店舗内のテーブルや椅子などを紙で制作しましたし、店内は紙のギャラリーカフェのようなつくりにしました。デジタル化が進む中で紙とどのような付き合い方があるのか、何が価値となっていくいのかとという視点を持ち、未来志向のカフェをつくり、企業としての展開にもつなげていきます。
―――ありがとうございました。今後とも、求人飲食店ドットコムをよろしくお願いします!
Instagram: PAP.COFFEE (パップコーヒー)