間口を広げることで、「よし田で働きたい!」人材の獲得に成功

福岡の再開発事業「天神ビッグバン」により、天神から博多に移転し営業していましたが、今年6月10日、4年半ぶりに天神本店を再オープンしました。再オープンに向けて人材の採用や育成を進めてきた北本さんに、お話しを伺いました。
課題は採用のミスマッチをなくすこと
―――「割烹よし田」が創業の地である天神で再オープンすることを心待ちにしていた方は多く、念入りに体制づくりを進めてきたと想像します。どのように採用活動を進めてこられたのですか?
約2年前から天神オープンを視野に入れた採用活動を行ってきました。
有難いことにランチタイムにはお店の前に行列ができます。お客さまにお待ちいただく時間はなるべく短くしたいですし、店内にいらっしゃるお客さまにはゆったりと寛いで料理を召し上がっていただきたいと考えます。また、移転先の博多店屋町店もそのまま運営するので二店舗体制になります。そのため、充分にスタッフ数を確保しないとならなかったのです。2年前、従業員は45人ほどでした。増減を繰り返しながら増やしていき、今年4月には求人募集の掲載媒体をいくつか追加し、最後の大量採用を行いました。オープン直前には、アルバイトを含めて160人まで増やすことができました。
―――採用活動で大切にしたことを教えてください。
特に社員の場合、ミスマッチをできる限りなくしたいので、面接にお越しになったら、店のことや求めている人物像をできるだけ詳しくお伝えし、じっくりとお話しするようにしました。
おかげさまで、たくさんのお客さまにご来店いただけているため、非常に忙しい店であることはわかっていただかないとなりません。それから、創業62年の歴史がありますが、会社としてはまだまだ形をつくっている段階にあるので、一緒によし田を作っていく、そういった想いを持っていただきたいということをお伝えしました。

―――求人飲食店ドットコムにも掲載してくださいました。掲載の決め手は?
飲食店で働くことを目的にして募集内容を見る方が集まる媒体なので、ミスマッチが減るだろうと考えました。それからスカウト機能があるのも良いと思いました。
採用数全体から見ると、求人飲食店ドットコムからの採用数は多くありません。ですが、“打率”は非常に高く、マッチする方と出会えたと感じています。
―――スカウト機能はどの程度活用されたのですか?
採用した社員6人のうち2人はスカウトした方です。
はじめから、やたらにスカウトすることはしない方針でした。また、検索条件で絞っても、かなりの人数が上がってきて、求職者の方々の情報をじっくり読み込んでいくとかなり時間がかかったので、たくさんの方にお声掛けすることはしていません。なので、2人でも決まったのは良い結果だと思います。
相談できる環境であることを打ち出し、訴求力をアップ
―――ミスマッチを防ぐことを重視したとのことですが、求人原稿ではどんな点を大切にしましたか?
2店舗体制になるので、経験者を優遇して採用した方が良いと考えることもできますが、限定すれば間口はどんどん狭くなってしまいます。それに、昼、夜問わず接待でのご利用も多い店ですので、スキルが足りないだろう…仕事内容が難しいだろう…と応募を敬遠されることがあります。なので、「ここで働いてみたいけど、できるかな?」という方も一度話を聞きに行ってみようと思えるように、「ご相談ください」と強く打ち出すことにしました。
結果として、「よし田で働きたい」「よし田に興味がある」という思いを面接で伝えてくれる方々が集まってくれました。

―――繁盛店で活躍する人材になってもらうには、育成にも力を入れないとなりません。人材育成はどのように行っているのですか?
当店では最終的にフロント業務、ホール業務、キッチン業務に分かれますが、どの職種であっても、ホール研修を受けていただくことにしています。
フロントは、お席の番号や部屋の名前を知っているだけでは現場で必要とされる仕事はできません。実際にホールに入ってお客さまの様子やスタッフの動きを知る。実際の料理を見てお出しするタイミングも知る。これらがフロント業務をするのに強みになります。それから、ホール業務を経験しておけば、急遽ヘルプに入るとなった場合にも非常に役立ちます。
当店は調理場はホールと分かれているので、調理場スタッフは営業中にお席やサービスの様子を見ることがありません。ホールやフロントのスタッフとはインカムでやり取りするのみです。研修でホール業務を経験し、お客さまの様子や現場を知ることができるようにしています。
自分の業務以外の仕事を知ると、お互いに思いやりの気持ちが持てるようにもなります。そのような環境であれば入社した方も馴染みやすいでしょうし、長く勤めてくれるようにもなると考えます。
―――では最後に、今後の展開を教えてください。
天神本店が160名、博多店屋町店は120名のキャパシティがあります。それでも、並んでお待ちいただくことがあります。原因の1つは、まだまだスタッフが不慣れなこと。既存のスタッフも新しいスタッフもトレーニングをして、お客さまの「天神に戻ってきてくれてありがとう」というお声に応えられるようになりたいですし、食の町・福岡を他の飲食店の皆様と一緒に盛り上げていきたいです。新たな取り組みとして、物販コーナーを設け、ご家庭向け商品「家庭割烹」シリーズの販売をはじめました。この商品にもしっかり力を入れていきます。
―――ありがとうございました。今後とも「求人飲食店ドットコム」をよろしくお願いいたします。