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今年注目の“熟成魚”って一体なに?熟成ブームに新入り登場!
「熟成肉」が話題の昨今。メニューとして用いている飲食店も多いのではないでしょうか。最近は肉だけではなく、魚を熟成して提供する飲食店も増えてきました。いわゆる「熟成魚」です。すでに『クッチーナ イタリアーナ アリア』や『すし 喜邑』といった店舗で、この熟成魚が話題となっています。
photo by electricnude「assorted sashimi」
昔から文化として継承されてきた熟成魚
熟成魚は古くから文化として受け継がれており、たとえば福井県の美浜町が有名です。日本海の若狭湾に面している美浜町は、漁業が盛んな町として知られ、一年を通してブリなどの魚が水揚げされます。この美浜町で大漁祈願として食べられていたとされる塩蔵熟成の「塩熟ぶり」、サバをぬかで発酵・熟成させた「へしこ」などが、食文化として受け継がれてきました。
株式会社fun functionは、こうした熟成魚の食文化を知ってもらうために、『熟成魚場 福井県美浜町』を東京の日本橋に出店。ブリやサバのほかに、タイやサワラといった数々の熟成魚を提供しています。こうして様々な熟成魚が味わえるようになったことが、ブームのきっかけとなっているようです。
そのほか、江戸前寿司のいくつかのお店でも熟成魚を取り入れているようです。もともと江戸前寿司では、魚の保存目的で「昆布締め」や「塩・醤油漬け」などの技法を用い、ネタとして提供するお店もありました。現在ではその技法も用いつつ、魚を熟成させる方法も積極的に取り入れるように。熟成魚を使った寿司を提供するお店が徐々に増えているのです。
手間暇かけるからこそ、美味しい熟成魚に! 熟成方法をご紹介
続いて、魚の熟成方法についてご紹介します。熟成させることで美味しくいただける魚には、マグロやノドグロ、ヒラメやカレイなどがあります。これらの魚の熟成にはどのような技術を用いているのでしょうか。(※すべての魚が熟成に向いているわけではないので注意が必要です。)
ここからは、大人の愉しい食マガジン『あまから手帖』で取り上げられている、ノドグロとカレイの熟成方法をご紹介。こちらの方法は、旬魚料理『う越貞』を経営する貞氏が伝えています。
■ノドグロ
1、ノドグロを2枚におろす
2、頭やはらわたの周り、背骨についた血を丁寧に水洗いする(少しでも残っていると、腐敗につながってしまいます)
3、身に振り塩を(やや強めでかまいません)
4、およそ3℃、湿度85%以上の高湿型冷蔵庫で保存
5、ラップをせず、水分が抜けるよう1日に3〜4回ほど身を返す
6、2日後、身をしっかりと水洗いし、表面の塩と寝かせた際に出た水分を取り除く
7、空気との接触による乾燥を避けるため、ペーパーで包みラップをした状態で、およそ1℃の高湿型冷蔵庫で熟成させる
■カレイ
1、ノドグロと同様、身に付いた血を丁寧に洗い流す
2、乾燥を避けたいので、ペーパーで包み木箱などに入れて保存
3、冷やしすぎると身が締まり過ぎてしまうため、5℃の冷蔵庫で熟成させる
ちなみに、どちらの魚も熟成3日目が良い具合の熟成度のようです。
ここまで熟成の方法をご紹介してきましたが、注意も必要です。処理の仕方をひとつでも間違えてしまえば食中毒を招いてしまう危険性があるからです。見よう見まねで熟成させるのではなく、はじめはしっかりとした知識、技術を持っている方の指導の下で行うことが大切だと言えそうです。
さて今回は、熟成魚についてご紹介してきました。熟成肉に続き「熟成魚」が、これからはさらに話題になりそうです。
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