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サンマ・サバ高騰で注目集まる「秋イワシ」。アレンジで利益率と付加価値を最大化!

秋の味覚の代表格といえば、サンマやサバを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし近年では記録的な不漁による仕入れ価格の高騰が続き、飲食店のメニュー開発や原価コントロールを大きく圧迫しています。

そんな厳しい状況下で、救世主として注目を集めているのが、安価で脂の乗った「秋イワシ」です。大衆魚として「安くて当たり前」というイメージを持たれがちなイワシですが、実は調理法を工夫するだけで、その付加価値は劇的に向上します。

本記事では、サンマやサバの代替としてイワシを仕入れるべき理由から、提供価格(客単価)と利益率を大幅に引き上げる「洋風アレンジ」の具体的なノウハウ、そして良質なイワシの目利きポイントまで、飲食店の皆様に役立つ情報を網羅して解説します。

画像素材:PIXTA


なぜ今、飲食店は「イワシ」にシフトすべきなのか?

サンマやサバの仕入れに頭を悩ませている飲食店にとって、イワシは単なる「間に合わせの代替魚」ではありません。戦略的にイワシをメニューに組み込むことで、原価率を抑えながらも、お客様に高い満足度を提供することが可能です。

サンマ・サバの高止まりとイワシの安定供給
ニュースなどでも度々報じられている通り、気候変動や海水温の上昇などの影響により、サンマやサバの記録的な不漁が常態化しています。かつては秋の安価な大衆魚であったサンマは、今や高級魚と呼んでも過言ではないほどのキロ単価に跳ね上がることも珍しくありません。サバに関しても同様に、大型で脂の乗った良質なものの価格は高止まりしています。

その一方で、マイワシの漁獲量は比較的高い水準で安定しています。自然界のサイクル(レジームシフト)により、現在はイワシが豊漁の時期にあたり、サンマやサバと比較して圧倒的に安価で安定した仕入れが可能です。飲食店の経営において、原価のブレが少ない食材を確保することは、利益を確保する上で最重要課題であり、イワシはその条件を見事にクリアしています。

秋のイワシは「脂の乗り」が段違い
イワシといえば、梅雨の時期に獲れる「入梅イワシ」が美味しいことで知られていますが、実は秋から冬にかけて水温が下がる時期のイワシも、寒さに備えてたっぷりと脂を蓄えており絶品です。この時期の「秋イワシ」は、焼けば脂が滴り落ちるほどで、濃厚な旨味を持っています。

また、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸をはじめとする栄養価も非常に高く、健康志向が高まる現代の消費者に対して、「秋の限定メニュー」「栄養満点の旬の食材」として強力な訴求ポイントになります。高騰するサンマの塩焼きに代わり、脂の乗った秋イワシを提供することは、お客様にとっても十分な満足感を得られる選択肢となるのです。


大衆魚の”提供価格の壁”を突破する「アレンジ」とは

安価で美味しい秋イワシですが、飲食店で提供する際、ひとつ大きな壁が存在します。それは「イワシ=安い大衆魚」という消費者心理です。

いくら脂が乗って美味しいからといって、イワシを和食の定番である「塩焼き」や「煮付け」として提供した場合、お客様が納得する価格設定はどうしても低くなりがちです。定食のメインならともかく、一品料理としては300円〜500円程度が限界ラインとなり、これでは客単価の向上は見込めません。

そこで発想を転換し、和食の技法から脱却することが重要になります。イワシを「洋風」に仕立てることで、見栄えや味わいが洗練されたビストロやイタリアンの一皿へと昇華され、付加価値が劇的に向上するのです。

原価数十円〜百数十円のイワシであっても、調理の手間とアイデアを加え、ワインに合うお洒落なメニューとして提供すれば、800円〜1,500円といった高単価・高利益率メニューへと化けさせることが可能です。安価な魚だからこそ、調理の付加価値で勝負することが、利益率最大化の鍵となります。


イワシの価値を劇的に引き上げる洋風アレンジ3選

では、具体的にどのようなメニューを展開すべきでしょうか。ここでは、仕込みのしやすさや保存性、そしてお客様への見栄えを考慮した、イワシの価値を引き上げる洋風アレンジを3つご紹介します。

① ハーブマリネ(前菜・タパス)
最初におすすめしたいのが、イワシのハーブマリネです。青魚であるイワシは、特有の匂いが敬遠されることもありますが、タイム、ローズマリー、ディルといった香草(ハーブ)と、レモンや白ワインビネガーなどの柑橘・酸味でしっかりと締めることで、青魚特有の臭みを完全にマスキングすることができます。

【飲食店におけるメリット】 白ワインやスパークリングワインにぴったりの洗練された前菜・タパスとして提供できます。また、事前に仕込んで冷蔵保存しておくことができるため、オーダーが入ってからのオペレーションが非常に軽く、提供スピードの向上に繋がる点も大きなメリットです。彩り豊かな野菜と一緒に盛り付ければ、見た目も華やかな一皿になります。

画像素材:PIXTA

② イワシのコンフィ(メイン・保存食)
次にご紹介するのは、フランス料理の伝統的な調理法である「コンフィ」です。イワシをたっぷりのオリーブオイル、ニンニク、ハーブと共に低温(80℃〜90℃程度)でじっくりと時間をかけて加熱します。

【飲食店におけるメリット】 低温で煮るように加熱することで、身はしっとりと柔らかく、小骨までホロホロになり、頭から尻尾まで丸ごと食べられるようになります。お客様にとって食べやすく、店舗にとっては歩留まり100%で提供できるのが強みです。 提供する直前に皮目だけをフライパンやサラマンダーでパリッと焼き上げれば、香ばしさと高級感を備えた立派なメインディッシュになります。さらに、オイルに漬かった状態であれば冷蔵庫で長期保存が可能なため、食材ロスを極限まで減らすことができる、まさに飲食店向けの優秀な仕込みメニューです。パスタの具材や、ブルスケッタのトッピングへの横展開も容易に行えます。

③ イワシのバルサミコソテー(メイン・温菜)
3つ目は、イワシのバルサミコソテーです。脂の強い秋イワシは、さっぱりとした酸味との相性が抜群です。バルサミコ酢を煮詰めたソースを絡めることで、イワシの濃厚な脂をバルサミコの酸味が中和し、同時に深いコクとほのかな甘みが絶妙なハーモニーを生み出します。

【飲食店におけるメリット】バルサミコ酢のソースがイワシの表面に絡みつくことで、美しい照りとツヤが生まれ、メニューの視覚的なシズル感を強く演出できます。食欲をそそる見栄えは、SNS映えも期待できます。重厚感のある味わいになるため、軽めの赤ワインとのペアリング提案もしやすく、ドリンクの注文を誘発して客単価アップを狙う温菜やメイン料理として大いに活躍します。


バイヤー必見!良質なイワシを仕入れるための目利きポイント

素晴らしいメニューを完成させるためには、何よりも良質な素材の仕入れが不可欠です。イワシは「魚辺に弱い」と書く通り、非常に鮮度落ちが早い魚です。仕入れを担当するバイヤーや料理人は、以下のポイントを押さえて確かな目利きを行いましょう。

鮮度を見極める方法
まずは「目」を確認します。黒目が澄んでいて、白く濁っていないものを選びます。次に「エラ」の中を見て、鮮やかな紅色をしているものが新鮮な証拠です。また、イワシの特徴である体の表面の青い斑点(通称:七つ星)が、くっきりと鮮明に見え、全体的に青光りしているものが良品です。

脂乗りを見極める方法
美味しい秋イワシを見分ける最大のポイントは「体型」です。丸々と太っているため、相対的に頭が小さく見えるものが脂を蓄えています。特に首元から背中にかけて、こんもりと盛り上がるように肉厚で丸みがあるものを選んでください。

イワシは鮮度が命です。市場や卸から仕入れたら、店舗に到着後すぐに氷水から引き揚げ、水洗い、内臓処理、三枚おろしなどの下処理を素早く完了させる厨房でのオペレーション管理も、品質を保つ上で極めて重要になります。

サンマやサバの価格高騰は、飲食店の経営を圧迫する悩ましい問題です。しかし、視点を変えれば、原価の安い「イワシ」のポテンシャルを最大限に引き出し、新たな名物メニューを生み出す絶好のチャンスでもあります。

和食の「塩焼き=安い」という固定観念から脱却し、ハーブマリネやコンフィ、バルサミコソテーといった洋風の技法を取り入れることで、イワシは高単価・高利益を生み出す「洗練された一皿」へと生まれ変わるでしょう。

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