飲食店ドットコムのサービス

神田『いわし料理 大松』4店舗体制へ。ドミナント戦略を駆使する名物ママの手腕とは?

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

『大松』の改革をリードする名物ママこと大沢裕子氏

画像を見る

神田駅近くの居酒屋で「一杯飲もう」となれば、頭に浮かぶお店の筆頭が『宝山 いわし料理 大松』だろう。そんな同店が今年の5月から、立ち食い寿司や本店の別館をオープンするなど、矢継ぎ早の事業展開を見せている。その背景には何があるのか、探ってみた。

【注目記事】『下北六角』16坪で月商1,100万円超え。2TAPSの「勝利の方程式」を探る

目まぐるしく事業を展開してきた2023年

オーナーの松森孝志氏が『宝山 いわし料理 大松』を神田駅前で創業したのは2004年のこと。料理人の石井国雄氏とともに人気店に育てあげ、2013年には近所に『立ち飲み 大松』もオープン。以後、長らく2店舗体制を続けてきた。

15歳から包丁を握り、今年で料理人歴58年の大ベテラン、石井国雄氏。大松グループの要となるイワシ料理全体を監督しているのが石井氏だ

画像を見る

名物ママこと大沢裕子氏が『宝山 いわし料理 大松』のスタッフに加わったのが創業から1年後である。大沢氏はその後経験を重ね、松森氏の右腕として店を運営する株式会社大松の取締役へと昇格を果たす。オーナーである松森氏が長年担当してきた河岸での仕入れも、コロナ禍を機に大沢氏が引き継いで両店舗を切り盛りしてきた。

そんななか、今年に入って大沢氏は矢継ぎ早に大胆な事業展開を打ち出している。

『立ち飲み 大松』(以下『立ち飲み』)を『立ち食い寿司 大松』(以下『立ち食い寿司』)に業態転換したのは今年5月。『立ち飲み』は『立ち食い寿司』の2階で仮営業を続け、2か月後の今年7月に立ち飲みスタイルを維持したまま『いわし料理 大松 東松下町店』(以下『東松下町店』)として移転オープンした。

ところがさらにその2か月後、『東松下町店』は9月にもとの『立ち飲み』として『立ち食い寿司』2階へ「再」移転オープンすることに。『東松下町店』は装いも新たに、『宝山 いわし料理 大松 別館』(以下『別館』)となった。

『大松』各店舗で味わえる代表的なメニュー「いわし刺身」880円(税込、以下同)。取材当日、『別館』で提供するイワシは北海道産で脂乗りも抜群だった

画像を見る

以下、今年の動きを整理してみよう。

・2023年5月『立ち飲み』を『立ち食い寿司』に業態転換。『立ち飲み』は『立ち食い寿司』2階で仮営業
・2023年7月『立ち飲み』が『東松下町店』として移転オープン
・2023年9月『東松下町店』が『立ち食い寿司』2階へ『立ち飲み』として再移転オープン。『東松下町店』は『別館』としてリニューアル

創業以来の大変革を経て『宝山 いわし料理 大松』(以下『本店』)、『立ち飲み』、『立ち食い寿司』、『別館』の4店舗体制となり、神田駅周辺に強固な「大松グループ」を形成している。

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
タシロアキラ

ライター: タシロアキラ

大学の教育・研究の記事を中心に20年ほど紙媒体のライターとしてキャリアを重ねる。フリー転身を機に、趣味である食、スポーツ、ガジェットのジャンルでWEB記事執筆にも進出中!