白金の工場跡に開業した隠れ家。ワンオペのレストラン『FRANZ』がお客様を引きつける理由
滋賀の精肉店『サカエヤ』から仕入れるあか牛で作ったハンバーグ。鎌倉野菜のラタトゥイユを添えている
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焼きたてのパンが好評で姉妹店も開業
また、パンは営業中に焼いてアツアツを提供することでライブ感を演出。2種類を料理のタイミングに合わせて計4回提供する。このパンが好評で、2021年にはレストランのすぐ近くに『Boulangerie FRANZ』（ブーランジェリー フランツ）もオープンした。
調理とサービスの両方をやりながらパンも焼きたてを提供……と、ワンオペでやり抜くための工夫もしている。お客様に多少待ってもらってでも洗い物はためずにこまめに洗う。水の代わりに出しているハーブティーはポットを数組でシェアしてもらう。また、厨房から手が届きにくい客席には、他のお客様を通して手渡ししてもらうこともある。お客様に対して失礼はないかと最初は心配だったそうだが、意外と柔軟に受け入れてもらっているという。
チーズのフルム・ダンベールはブリオッシュとともに供する
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他者の目線も取り入れ、随所のしつらえにもこだわる
『FRANZ』に欠かせないもう一つの要素が、アパレル業界に勤めていた福田氏の奥さんだ。カーテンや絵、椅子、クッション、照明、皿、カトラリー、ナプキンなど、店のしつらえはすべて一緒に決めており、時折奥さんが店へ食事に来て料理の内容やサービスについてお客様目線でアドバイスをしてくれている。
「ワンオペだと、どうしても独りよがりになりがち。私はずっと料理を作ることだけを仕事にしてきましたし、目線の違う他人の意見も取り入れるべきだと思っています。うちの店は妻がいなければ成り立ちません（笑）」
しつらえは年4回、季節に合わせて替えている。お客様が気づかない程度の変化ではあるが、そうした気遣いがリピーターを生んでいるのだろう。
『FRANZ』
住所／東京都港区白金6-2-17
電話番号／03-6874-1230
営業時間／18:00〜L.O.21:00
定休日／日曜・祝日
席数／10
