幻の黒毛和牛「東京ビーフ」とお酒が楽しめる肉バル『顔晴』が新出店。開業までの道のりを取材!
2017年1月20日

『WAGYU BAR 顔晴』
オーナー 金子政義さん
オーナーの金子政義さんは現在33歳。20代のときに4年ほど調理とサービスの経験を積み、「いつか飲食店を出店したい」と独立を志した。その後、開業資金を貯めるために飲食業を離れ、8年間、一般企業に勤めた。2016年2月に退職し、念願の初出店を目指して始動。そして2016年10月に日本橋人形町・水天宮前の両駅からすぐの場所に『WAGYU BAR顔晴』を出店。看板メニューは幻の黒毛和牛『東京ビーフ』のローストビーフ。お酒の品揃えも豊富で、夜遅い時間にお酒を飲むために立ち寄る人も多い。自らは「バーボンが好き」なので、入手困難なバーボンも揃えている。ランチから深夜まで多様な楽しみ方ができそうだ。
開業日/2016年10月9日
業態/肉バル
開業資金(総額)/1500万円
開業資金(自己資金)/750万円(運転資金としてプール)
開業資金(借入金)/1500万円
店舗面積/11.7坪
目標月商/500万円
「焼かないローストビーフ」は、脂の美味しさを味わってほしい
日本一人口の少ない村は東京都にある。それが伊豆諸島の青ヶ島だ。幻の黒毛和牛「東京ビーフ」はここで生まれ、それから西東京の牧場へ。育てられるのは年間60頭ほどで、文字通り「東京生まれ東京育ち」だ。『WAGYU BAR 顔晴』ではこの素材を、約60℃に保って10時間程度、じっくりと加熱していく。ただし肉の塊の大きさや脂の入り方によって微妙に温度と時間を調節して仕上げていくのだそうだ。「このビーフの魅力は脂です。格別な旨味と甘みを堪能してください」と金子さん。ほかにハンガリーの国宝とされる「マンガリッツァ豚」、「フィレドカナール(鴨肉)」を低温調理した一品もあり、ビーフと合わせた「焼かないロースト3種盛り合わせ」も人気のメニューだ。
スケジュール&業者選定
【2016年1月】物件探し開始【2016年4月】現在の物件を見つける
【2016年6月】融資を受ける
【2016年7月初旬】物件契約、最初に相談した内装工事会社と折り合わず破談
【2016年7月中旬】店舗デザイン.COMのマッチングサービスを利用
【2016年7月下旬】内装工事をEmber合同会社に依頼
【2016年9月】工事完了・引き渡し・プレオープン
【2016年10月9日】オープン
物件探し/自分で不動産業者を回った
デザイン会社・内装工事会社/店舗デザイン.COMのマッチングサービスを利用
資金調達/政策金融公庫、第一勧業信用組合
「物件探し」「内装会社選び」「資金調達」で紆余曲折
開業を決意した2016年初頭、すぐに物件を探し始めた。ほどなく気に入る物件が見つかったが、借入が間に合わず確保することができなかった。その後も探し続け、4月に今の場所を見つけ、資金調達が6月に実行されたのでなんとか間に合って7月に契約できた。すぐに知人に紹介された内装工事会社と商談を進めたが、予算の折り合いがつかず依頼まで至らなかった。仕切り直しとなり、今度こそ納得できる内装工事会社を選びたいと考え、店舗デザイン.COMのマッチングサービスを利用。試しに案件を登録してみたところ、5社から連絡があった。そのなかで「Ember合同会社」は、提示してくれたデザインイメージが気に入ったことと、見積書がわかりやすかったことが選定の決め手になった。見積書にはひとつひとつの資材の「定価」と「割引額」などが一覧表になっていて、なぜその見積額になっているのかが納得できた。
「細かいことまで丁寧に相談に乗ってくれて、何よりも予算内でおさめるための工夫を提案していただきました。どこかで予算オーバーしてしまったときは、どこかを削るとか。経費削減のため、壁の一部は私と店のスタッフで手作りしたのですが、これもEmberの安達さんのアドバイスです」と金子さん。

こだわりを実現できた「ボトル棚」
「おいしくお酒が飲める店」らしい雰囲気にしたいという金子さんの希望で、店には2か所、ライティングを施したボトル棚が設置され、インテリアのポイントになっている。内装工事のなかで照明器具は最もコストがかかる部分だが、Emberの安達さんの提案で、棚のサイズに合わせた特注品ではなく、市販品を並べる方法をとった。予算内でこだわりを実現できたことに満足している。
苦労したこと、こだわったこと
最も苦労したのは資金調達
「一番大変だったのは融資が決まるまでです」と金子さん。当初ひとつの金融機関のみで予定の金額を調達できるはずで進んでいたのが、最終的に満額の査定がおりず、その結果が出てから急遽、さらにもう一社の借入先を探すことになった。資金調達では予想以上の時間と手間もかかり、物件契約に間に合うかどうかで心労もあったそうだ。不動産仲介業者が貸主に掛け合って契約を伸ばしてくれて、何とか間に合ったという。その他にも小さなトラブルはいくつかあった。「契約時には使用可能だったエアコンが壊れてしまって。結局修理代を負担しなくてはならなかったのも痛い出費でした」とのこと。また、ガラス張りになっているため店内が外から丸見えで、アイドルタイムに目隠しするためのロールスクリーンを発注したのも想定外だったそうだ。
開業を考えている方へのメッセージ
「十分に計画を立てて進めていっても、予想外のことが起こります。だから資金には余裕を持っておくことが大事です。また、内装工事では予算を決めていてもだんだん膨らんでしまうということもあるようですが、最初に決めた予算を守ってやり通すのがいいと思います」(金子さん)『WAGYU BAR 顔晴』
住所/東京都中央区日本橋人形町1-12-11 リガーレ日本橋人形町A-106
最寄り駅/水天宮前駅
営業時間/11:00~14:30/17:00~翌3:00(月~金)、16:00~22:00(日、祝)
定休日/土曜日
席数/24席
客単価/約5000円
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