マーケット拡大中のフクロウカフェ。原宿の新店『フクロウのお庭』に開業までの道のりを取材!
2017年2月10日

『フクロウのお庭 Owl's Garden』
株式会社GANNAN 開発担当部長 三谷武史さん
この数年で「アニマルカフェ」が爆発的に増えている。犬カフェ、猫カフェ、うさぎカフェに始まり、爬虫類や鳥類までバリエーションは広がるばかり。なかでも人気ジャンルのひとつが「フクロウカフェ」だ。国内外で幸運のシンボルとされてきていいイメージがあり、カフェで触れ合った人は、ふわふわしてしぐさも愛らしいフクロウをますます好きになるという。今回登場の『フクロウのお庭-owl's garden-』は正確にはカフェ業態ではなく、「体験型ふくろうと鷹のテーマパーク」。さまざまな種類のふくろうと鷹がいるガーデンで自由に過ごしたり、鷹匠体験ができる。出店した株式会社GINNANで店舗開発を担当した三谷武史さんにお話を伺った。
開業日/2016年12月23日
業態/フクロウカフェ
開業資金(総額)/1500万円(うち18羽の動物購入費600万円、物件費別)
店舗面積/25.0坪
目標月商/350万円
「フクロウカフェ」激戦区の原宿へ、あえて参入
市場が拡大している中、「フクロウカフェ」も多様化しつつある。法律上、飲食店スペースと動物の飼育スペースは完全に隔離されていなければならないため、多くの店はカフェスペースからガラス越しに動物を眺め、飲食を終えてから動物と触れ合うスタイルだ。『フクロウのお庭』には飲食スペースはなく、ドリンクを自販機で購入するのみ。フロア全体が、フクロウや鷹と触れ合うことができるガーデンになっている。料金はおためし40分1,000円、スタンダード1,500円/60分、鷹匠体験2フライト500円など。
「『フクロウのお庭』の店長に就任した深澤という社員が動物専門学校の出身なんです。その経験からアニマルカフェの事業プランを社内プレゼンして、結果、会社的にも“やってみよう”という話に。アニマルカフェは国内市場に加えて現在はインバウンド需要もあり、やるならできるだけ早く開業したかったんです。またフクロウを主役にしたカフェなので、酉年に間に合わせなければ……という思いもあり、昨年の夏ごろから本格的に物件を探し始めました。こうした業態は東京の繁華街に店を構える必要があり、“どうせなら原宿”でということで原宿の物件を探し始めたんです」と三谷さん。
ほどなく原宿で手頃な物件を見つけるが、契約に至らず話が流れてしまうというアクシデントが。すでに予約購入していた18羽のフクロウとタカが届いてしまい、やむなく深澤さんの自宅で調教を兼ねてしばらく飼うことに。「そのときは焦りましたが、かえってフクロウと店長の信頼感を作ることができましたね」とふり返る。
そしてようやく現在の場所に出合った。最初に見つけた物件より狭く、表通りから少し入った場所だったが、近くに今も行列ができるパンケーキ店「Eggs 'n Things」があり、やり方次第で人を呼び込めそうだった。「天井が高く奥行きが18mほどあること、大きなガラス窓から自然光が入り、外を歩く人からも視認しやすいこともあり、こちらに決めました」とのこと。

スケジュール&業者選定
【2016年8月】計画始動、物件探しを始める【2016年10月末】最初に話を進めた物件が破談
【2016年11月初旬】現在の物件を契約、デザイン・設計会社探し
【2016年11月20日】内装工事開始
【2016年12月21日】内装工事完了
【2016年12月23日】オープン
物件探し/自ら原宿の不動産業者を回った
デザイン会社・内装工事会社/店舗デザイン.COMのマッチングサービスを利用
資金調達/自社資金
マッチングサービスで「フクロウカフェ」の実績がある内装会社に出会えた
内装会社を探すにあたり、他のフクロウカフェと差別化できる店舗スタイルにしたいという考えもあり、幅広い業者にアクセスできる店舗デザイン.COMのマッチングサービスを活用してみることに。登録したところ、フクロウカフェを手掛けた経験のあるクロノバデザインからオファーが。予算を抑えつつデザインの要望にも応えてくれるという感触があり、スムーズに決定した。「マッチングサービスによって、フクロウを扱う店舗の経験があり、しかもこちらの希望を叶えてくれそうな内装会社さんを見つけることができたのは期待以上の成果でした。新業態での出店をするときなど、こういうサービスは特に利用価値があると思います」と三谷さん。
苦労したことは、フクロウのための環境づくりとぎりぎりの納期
希望通りの会社を見つけることができたものの、新しい店舗づくりへの模索は続く。「当社の深澤の知識とクロノバデザインさんの経験が多少はあったとはいえ、生き物を扱う新業態での出店ということで、内装工事では細部にわたって苦労がありました。止まり木の高さ・太さを最適に調整するとか、糞をできるだけお客様の目に触れないようにするために止まり木の配置を工夫するとか。ふくろう達が快適に過ごすにはどうすればいいかについて、クロノバさんとは10回以上打ち合わせをして、工事期間中にもたくさんの試行錯誤を重ねました」と三谷さん。年末年始にはなんとしても間に合わせたかった。ようやく完成、引き渡しとなったのは12月21日。その日のうちに鳥たちを入れ、23日にオープンした。フクロウと触れ合える店は増えているが、簡単な止まり木のみの小さな店も多いという。自然光がいっぱいのイングリッシュガーデン風内装の同店は、「フクロウも居心地ががよさそう」ということで人気上昇中。現在は、平日は観光客が多く、土日は観光客と一般客が半々くらいでやや女性の割合が多いそうだ。
開業を考えている方へのメッセージ
業態にもよりますが、こだわりがある場合はとことん世界観作りをすることが大切だと思います。また、SNSなどいろいろな方法で発信する手段がある場合、立地が多少悪くても集客は可能です。私たちの場合は会社による出資ですが、早期の投資回収目標を立て、開業資金はかなり抑えています。収支計画の中で立てた予算を守って無理をしないことがその後の経営を楽にすると思います。
『フクロウのお庭 Owl's Garden』
住所/東京都渋谷区神宮前4-31-5 インガレッソ2F
最寄り駅/東京メトロ 明治神宮前駅より徒歩2分、JR原宿駅より徒歩6分
電話番号/03-6721-0554
営業時間/10:00~20:00
定休日/無休
客単価/1200円
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