開業資金に売上予測、損益分岐点など飲食店開業時に知っておきたい5つの数字
2018年8月20日
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飲食店開業において欠かせないものの一つが、飲食店の開業や経営にまつわる数字の知識。数字に苦手意識がある人も少なくないですが、開業資金の把握や家賃の決め方など、飲食店開業には何かと数字の知識が必要になります。今回は、飲食店開業時に知っておきたい数字の知識から「5つの数字」をピックアップして、ご紹介していきます。1.開業資金の考え方
まず見ていくのは、開業資金。飲食店開業資金の主な内訳は、保証金、礼金、仲介手数料など物件取得にかかる「物件取得費用」、内装工事費や厨房設備など店内の設備や備品を揃えるための「内装・設備費用」、そしてお店が軌道に乗るまでに必要な「運転資金」の3つがあげられます。飲食店.COMが出店経験者に対して行ったアンケートによると、約6割の人が1,000万円未満で開業しています。しかし、飲食店の開業費用は、業態や規模、物件の状態(居抜きやスケルトンなど)によって必要となる厨房設備が異なるため、500万円程で済む場合もあれば、2,000万円以上かかることもあります。
また、開業にあたり用意する自己資金は、開業資金の3分の1が最低ラインです。一般的に自己資金を元にお金を借りるため、自己資金が全くないと残りの資金を調達するのが困難になってしまいます。
2.売上の予測方法
飲食店を開業する前にどれぐらいの利益が見込めるのか予想を立てておくことも大切です。座席数や回転率を元に、売上予測を立てていきましょう。以下は、1日の売上を予測するための計算式です。1日の売上=座席数×満席率×回転率×客単価
まだ座席数が決まっていない場合は、「坪数×1坪当たりに置く座席数」で、大体の座席数を把握できます。1坪当たりに置く座席数は、レストランが1.3~1.5席、ファストフードが2.5席以上と、業態やコンセプトによって異なります。
満席率は、満席時に客席が埋まっている割合を示す値で、60%~70%が目安。テーブル席のある飲食店では、2人掛け用のテーブルに1人が座っていることもあるため、テーブル席が埋まっている=満席とは限らないので注意しましょう。
3.売上に対する家賃の割合
いくら良い物件を見つけても、毎月払える金額の家賃でなければ、安定した経営は見込めません。家賃は、売上の10%以内に収めるようにするのが一般的な考え方。つまり、10万円の物件を借りるのであれば、月100万円の売上が必要になるということです。家賃の相場は、人が集まる都市部ほど高くなるため、売上見込みを考えると狭い店舗しか借りられないこともあります。ゆとりある店舗を考えているなら、地方にも目を向けてみるのも良いかもしれません。
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4.売上に対する経費の割合
どれぐらいの経費が必要になるのか、経費をどれぐらいに抑えればいいのか、知りたい飲食店経営者も多いでしょう。飲食店で大きな経費となるのが「家賃」「原価」「人件費」の3つです。家賃の目安は先ほども話した通りですが、原価と人件費についてはどのように考えれば良いのでしょうか。飲食業界では、原価と人件費を合わせて、FLコストといいます。飲食店を成功させるためには、このFLコストを売上の60%以内に収めることがカギ。60%を超えるようであれば、原価の低いメニューの考案や人権費の見直しが必要といえるでしょう。
5.損益分岐点の把握
売上目標を明確化するためにも大切なのが、損益分岐点の把握です。損益分岐点とは、利益も損もない状態のこと。つまり、飲食店の利益を追求したときに最低限超えなければいけないラインを指します。計算方法は以下の通り。変動比率=変動費÷売上高
損益分岐点=固定費÷(1-変動比率)
固定費は、家賃など売上に左右されない費用のこと。一方、変動費は売上に左右される費用で、原価やアルバイトの人件費がこれにあたります。
2017年に飲食店の倒産率が過去最多を記録するなど、経営難に陥り閉店を余儀なくされる店舗も少なくありません。だからこそ、今回ご紹介した5つの数字を始め、開業までに綿密な準備を重ねることが、飲食店成功のカギとなります。一歩一歩着実に、開業までの準備を進めていきましょう。
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