オーナーのこだわりを反映しやすい「バー」。開業時の立地&物件選びのポイントは?
2019年9月20日

物件選びの前にコンセプトとターゲットをはっきりさせる
バーの経営を成功に導く要因はいくつかありますが、その一つが立地。できればお店の「コンセプト」に裏打ちされた場所が好ましいです。たとえば、スポーツバーなどにぎやかにお酒を楽しめるお店であれば、若者が集まる繁華街が良いでしょう。また、会社帰りに気軽に立ち寄れるスタンディングバーなら、オフィス街や駅の近くが良いと考えられます。立地とコンセプトがぴったり合って成功している例としては、「映画をイメージしたオリジナルカクテルを提供する」というコンセプトをもとに映画好きな人をターゲットとし、映画館の多い場所に開業しているバーなどがあります。
コンセプトを考える際には、「落ち着いた雰囲気でお酒を楽しむバー」といった漠然としたものではなく、一歩踏み込んで「クラフトビールの飲み比べができる」「話題のワインを揃える」など、こだわりをはっきりさせると、ターゲットとする客層や最適な街が見えてくるでしょう。
各時間帯の人通りと導線をチェックする
利用ケースとして、1軒目からの場合と、食後などの2軒目以降の場合があります。人通りは開店を予定している時間以外にも、ピークが想定される時間や多くの人が2軒目を探す頃合いなど、各時間帯をチェックしましょう。始発駅では終電待ちでの利用という需要もあるので、駅前の場合には終電時間帯の人の導線も見ておきたいところ。また、2軒目での利用を想定しているのであれば、近隣にどのような飲食店があるか、どのような客層が集まっているかも確認しておく必要があります。
深夜営業が禁止されている地区に要注意
深夜を過ぎても営業するバーの場合、気を付けなければならないのが「用途地域」です。深夜12時以降の営業が認められているのは商業系の用途地域。住居専用地区、住居地区では認められていません。ここでのポイントは、住居地区と商業地区が隣接している場合があるということです。「隠れ家バー」にぴったりの、路地裏の雰囲気の良い物件を見つけたとしても、そこが住宅系地域という可能性もあります。地域の都市計画課で調べられるので、必ず事前に確認しましょう。

物件選びのポイントは?
■居抜きかスケルトンかメリットを比較物件には、前の居住者が使っていた内装や家具などの造作や厨房機器を引き継ぐ「居抜き」と、それらがすべて取り払われた「スケルトン」があります。スケルトン物件は内装、厨房など空間づくりの自由度が高いというメリットがありますが、それだけ費用がかかります。
初めて飲食店を開業する際には、居抜き物件を選び、内装や家具などを改装するパターンが多いようです。空間づくりへのこだわりと費用対効果のバランスを考え物件を選びましょう。
■コンセプトによっては地下階もアリ
飲食店は1階の路面店が良いと言われていますが、バーの場合、地下階や2階以上の場合も多いです。お店のコンセプトにもよりますが、非日常の空間づくりがしやすい地下階や窓からの景色が楽しめる上方の階もよく選ばれています。ただし、地下階は空気がこもりやすいので、換気設備の状態も確認しておくとよいでしょう。
■水回りはしっかりチェック
バーでは、グラスやジョッキも重要なアイテムの1つ。手洗いでグラスを洗い、磨きあげているお店も多いです。水回りはしっかりチェックしたいところですね。
飲食店は2つ以上のシンクが必要で、サイズは、奥行き36cm、横幅45cm、深さ18cm以上と決まっています。地域の保健所によっては 食器洗浄機を1つのシンクとカウントできるようなので、2つのシンクを備えるのが難しい場合は相談してみください。
雰囲気が重要なバーは、オーナーの個性を出しやすい業態といえます。物件選びでもこだわりを大切にしながら、検討してみてはいかがでしょうか。
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