複数店舗の飲食店経営者必見!セントラルキッチンに適した物件の条件とは?
2020年8月19日

セントラルキッチンとは?
「セントラルキッチン」は、学校の給食センターのようなもの。複数の飲食店舗をより効率よく運営するため、共通したメニューの調理、仕込みなどを行う場所をさします。各店舗での業務負担を減らすほか、店舗ごとの味のばらつきを防ぎ、品質を統一できるのが大きなメリット。人件費を抑えられるほか、店舗に置く調理器具を減らすこともでき、経費削減の効果があります。近隣エリアで複数出店している、キッチンの狭い店が複数ある、デリバリーも並行している、といったときは、セントラルキッチンを導入するのも一手。店舗では盛り付けなどの簡単な仕上げを行うだけになるため、提供スピードもアップします。セントラルキッチンでは販売は行わず、あくまで仕込みや調理のみを行うので、外観がお店として成立している必要はありません。
ポイントは「食材を運びやすい場所」かどうか
セントラルキッチンを新設する場合の物件選びですが、当然ながら現在営業している店舗へのアクセスが第一です。それに加え、今後出店する予定のエリアも確認しておきましょう。店舗から離れた場所になると、それだけ配送コストがかかります。食材を運ぶ際に車を利用するのであれば、駐車場があるかどうかもポイントです。販売を行うわけではないため、直接大通りに面している必要はありませんが、あまりに奥まった物件は不便。幹線道路にアクセスしやすいか、車が通りやすい道幅が確保されているか、などもチェックしてください。
また、家賃の安さから2階以上の物件が気になるかもしれませんが、重たい食材を運ぶことを考えると圧倒的に1階がおすすめ。仕込み作業は毎日続きますから、少しでも負担の少ない物件を選びましょう。キッチン内を清潔に保つことができれば、築年数が経っていても問題がなく、外見がきれいである必要もありません。妥協できるポイントとできないポイントをはっきりさせてから物件探しをするのがコツです。

排煙、排水、電源など、最低限の設備確保はお忘れなく
セントラルキッチンならではの注意点もあります。まずは、近隣住民に迷惑をかけないかどうか。もともと飲食店用の物件ではない場合もあるため、排煙設備には特に注意が必要です。物件オーナーに確認を取ることはもちろん、セントラルキッチンとして使用できる設備を準備することも忘れないでください。排煙、排水、電源の確保がポイントです。また、仕込みが深夜や早朝に及ぶ場合は騒音トラブルにつながりがち。さらに外部から害虫が侵入することがあれば、こちらも近隣住民とのトラブルになります。食中毒防止などの観点からも、衛生面には注意し、清潔なキッチンを保つ必要があります。当然、セントラルキッチンも保健所に食品の生産・加工・製造の営業許可をとる必要があります。セントラルキッチンでトラブルが発生するとすべての店舗に影響が出るため、設備の点検や手入れを大切にしましょう。
提供メニューについても注意すべきポイントがあります。セントラルキッチンは一か所で複数店舗分の調理ができる一方、各店舗で「できたて」を提供することは難しくなります。仕込みから半日~1日経ったものを再加熱して提供するため、鮮度が落ちることは避けられません。温め直しでもおいしく食べてもらえるメニューを開発したり、店舗での仕上げ工程を工夫したりするとよいでしょう。
費用面においては、家賃のほか、配送用の車、人件費、多くの食材を一度に調理できる大きな調理器具などが必要になります。店舗規模が小さいとかえって費用負担が増える場合もあるため、事前に試算を行ってください。
セントラルキッチン向きの物件は情報が少なく、通常の不動産サイトから見つけるのは難しいのが現状です。そのため、不動産業者に直接問い合わせ、物件を紹介してもらいつつ交渉できるような関係を築くのが理想。物件オーナーや近隣住民との関係も大切にしながら、セントラルキッチンを導入して店舗をうまく経営しましょう。
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