飲食店の初期投資は早く回収しよう! 効率良く回収するコツとシミュレーション
2021年6月22日

飲食店の開業費用の目安は1,000万円前後
個人経営で飲食店をはじめるには、どれくらいの資金が必要なのでしょうか? その答えは、700万~1500万円程度。主に物件取得、内装工事、設備・備品購入、商品仕入、運転資金などに費用がかかり、「60~80万円×坪数」が開業資金のひとつの目安だといわれています。ここに、地域性や規模、業態、そして補助金・助成金の有無などが関わり、費用に違いが出ます。初期投資は早く回収すべき! その理由は?
初期投資は多額であるため、日本政策金融公庫や金融機関から資金を借入するケースが多いでしょう。借入分は開業後に月々返済していくことになります。初期投資はできるだけ早く回収した方が良いと考えられています。理由は、回収が長引けば、たとえ人気店であっても返済に追われて安定した経営を続けにくくなるほか、新しいメニューの導入や人材育成、そして店舗展開といった経営計画を実現していく際にも資金繰りが難しくなるからです。

初期投資回収をシミュレーションしてみよう
初期投資回収を考えるために知っておきたいのが「毎年どのくらい利益をあげれば、何年で投資額を回収できるか」がわかるROI(Return on Investment)の指標です。【ROIの計算式 利益額÷投資額×100】
例えば、投資額が1000万円で年間利益(売上-経費)が200万円の場合
200÷1000×100=20
1年間で投資額の20%を回収できるため、100%の回収率にするには5年かかるとわかります。
これまでは、回収率20%、回収期間5年が理想的なケースといわれてきました。しかし、社会の変化が大きい昨今、回収率は30%で回収期間は3年半弱程度にできると良いとされています。つまり、投資額が1000万円なら年間利益は300万円必要ということです。
回収計画は少なくとも3パターンはつくりましょう。「理想形」「現実ライン」「予想を下回るケース」を出すことでいろんな道筋が見えてきます。ただし、回収期間が長くなると、途中で契約更新や修繕工事などが入ることがあるため、ROIの指標は目安にしづらくなります。
効率良く回収し、ビジネスを成功させるために
初期投資をできるだけ早く回収し、経営を早く軌道に乗せるためには、ビジネスプランを立てておく必要があります。以下の3つのポイントを考えておきましょう。1)初期投資を抑える
当然のことながら、初期投資額が少なければ回収しやすくなります。とはいえ、コストを抑えてばかりでは、魅力あるお店はつくれません。費用をかけるところはかける、かけないところはかけないとメリハリのある計画を立てると、初期費用を最低限に抑えられるようになります。例えば、備品については、設置個所によって本物とイミテーションを使い分けるなどが考えられます。2)開業資金を増やす
自己資金がほとんどないために初期費用を借り入れだけで賄おうとすると、利益が出るまでに年数がかかってしまいます。また、融資の申し込みは、物件が決まってからしかできません。物件の「仮契約」が出来てから事業計画を詰めて、正式に融資の申し込みをするという流れになるため、出店したい地域の相場を前もって調べ、物件取得費を自己資金でカバーできるくらいの状態にしておくことをおすすめします。最近では、お店のファンづくりも兼ねて、クラウドファンディングで資金調達するケースもあるようです。
3)利益を増やす
開業後は、いかに利益をつくれるかが勝負になります。売上を上げることと店舗運営のコストを抑えることで利益を最大化していきましょう。飲食店の5年生存率は2~3割といわれるほど、飲食店の移り変わりは激しさを増しています。無理な初期投資を行わないことに加え、できるだけ初期投資を早く回収することは、経営を安定させ、事業を成長させるための基盤になるはず。しっかりと計画を練っていきましょう。
<飲食店.COM>譲渡情報を探す
- カテゴリ
- 調査・ランキングデータ
- 街・地域の立地動向
- 開業者の声
- 物件探しのコツ
- 新着記事
新着記事一覧へ
物件タイムズについて
飲食店ドットコムが出店希望者の方々へお届けする店舗物件マガジン。
出店エリアの立地動向、独自の調査データに基づくトレンド情報やランキング、物件探しのコツ、開業者の体験談など、店舗物件探しをテーマに、飲食店舗の物件探しに役立つ情報を定期配信しています。