飲食店のドミナント戦略。ロードサイドや狭小物件を活用した多店舗展開で強い店づくり
2021年9月21日

そもそもドミナント戦略・ドミナント経営とは何か
ドミナント戦略・経営とは、特定のエリア内で集中的に出店することをいいます。そのエリアで優位性をつくることで、全体の利益を高めることが目的です。飲食店におけるドミナント戦略・経営はこれまで、同ブランドもしくはグループ店舗の展開が主でした。しかしコロナ禍でテイクアウトやデリバリーの専門店の展開がひとつの戦略になった今、それを成功させる手法として再注目されています。
ドミナント戦略・経営のメリットとデメリットは?
飲食店のドミナント戦略・経営には次のようなメリットが考えられます。・2軒目、3軒目と店舗を移動するお客さまを取り込むことができる
・従業員が複数店舗のシフトに入る仕組みがつくれるため、人材確保がしやすい
・距離が近いため、それぞれの店舗の管理がしやすい
・食材を共有しやすく、食品ロスを減らせる
・エリアでのシェア率が高まると、周辺への競合他社の出店が減る
・広告費用が抑えられる
一般的な多店舗出店の場合、さまざまな経費が増大する、一つひとつの店舗に目が行き届かなくなる、人材が不足するといったデメリットが生じることがあります。ドミナント経営・戦略は、こうしたデメリットをカバーできるといえそうです。
一方、デメリットもあります。
・長期的に見ると売上は増えやすいが、短期的には売上の取り合い(カニバリゼーション)が起きる
・立地の条件が変化すると、全店舗で打撃を受ける
・そのエリアで災害や事故が起きると全店舗が営業できなくなる
・1店舗で食中毒が出たりすると、他店舗も敬遠されやすい

ドミナント戦略・経営のために押さえたい物件探しのポイント
では、飲食店がドミナント戦略・経営を考えたとき、物件選びで押さえるべきポイントは何になるのでしょうか。■物件の基本
ドミナント経営・戦略において欠かせないことは、それぞれの店舗に個性を持たせることです。つまり、そこが「何屋」で、「どんな価値を提供するのか」を明確化にすることが重要。個性をはっきりさせることで、お客さまはそれぞれの店舗に新鮮さを感じるため各店舗をめぐってくれるようになります。店舗ごとに個性を出すために、系統の異なる物件を選びましょう。ただ、エリアが同じならターゲットとなる層も同じなので、需要と個性に食い違いは出ないようにしなければなりません。■デリバリー・テイクアウト物件
新店舗においてデリバリーやテイクアウトに力を入れる場合、店内に客席を設ける必要がないので、広さは最小限で十分でしょう。築年数が古くても問題はありません。また、立地はメイン通りでなくても、既存店で告知をすることで周知ができます。立地で気を付けたいのは、お客さまやデリバリー業者が困らない周辺環境かどうかです。店の前に滞在しづらい、自転車やバイクが止められないと不便が出てしまいます。旗艦店となる店は駅前やメイン通りなど目立つ場所に置きつつ、周辺の住宅地にある狭小物件やロードサイド店舗を検討してみてはいかがでしょうか。■ドミナントの強みを最大限に活かす
新店舗をデリバリーやテイクアウト専門店にする場合、セントラルキッチンを併設できる・もしくは機能を持たせられる物件を選ぶという方法も考えられます。セントラルキッチンをつくると、食材の調達を効率化できる、食品ロスを削減できる、人材を効率的に配置できる、長時間労働の問題を解消できるといったメリットがあり、これがドミナントであれば、それぞれのメリットがより大きくなると考えられます。ドミナント戦略・経営では、グループ内で競争が生まれることでシェア拡大に成功するケースもありますが、まず考えるべきは、お客さまの奪い合いを回避するために横のつながりを大事にすることです。物件にはそれぞれ個性を持たせ、会社の資源は共有していく仕組みをつくっていきましょう。
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