アフターコロナは発想転換のチャンス! 狭小、ガスなし、住宅地などの物件に注目
2021年12月13日
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かつては駅前の繁華街こそ飲食店出店の一等地でしたが、アフターコロナやウィズコロナでは優良物件の基準が変化しています。狭小、ガスなし、住宅地立地などの割安な物件にこそチャンスあり!?ニューノーマル時代に注目したい物件探しの新基準をまとめます。
コロナ禍で急成長した飲食店業態は?
「24時間餃子無人販売店」が全国各地で人気ですが、ブームの先駆けとなったのが群馬県水上の老舗中華調理店「雪松」です。同店は2019年に冷凍餃子の無人販売所を出店したところ大ヒット。コロナ禍を通じて店舗を増やし、今は全国280店ほどに成長しています。店内には冷凍庫のみ、1パック1000円などの均一価格で冷凍餃子を販売するスタイルはほかの飲食店でも採用され、さらに市場は拡大中です。「雪松」などの餃子店は現金払いですが、「無人販売スタイル」は今後、自動販売機や無人決済システムなどを活用してさまざまな飲食を提供することも可能と考えられる成長分野です。狭小物件はテイクアウトやデリバリー業態に最適
勢いがある餃子の無人販売所の出店候補地のひとつにもなっているのがATM跡地です。キャッシュレス化が進む今、ATMの数が減少。跡地はやや狭いものの、ATMは人通りが多い立地にあることが多く集客が期待できます。そのため、餃子の無人販売店をはじめとしたテイクアウトやデリバリーがメインの飲食店がATM跡地に出店するケースが増えているのです。業態としてはパン、スイーツ、ハンバーガーなどの専門店、イートインも可能なたこ焼き店、おでんや焼鳥を出す立ち飲み店など。狭小物件は賃料が安いだけでなく光熱費や人件費も節約でき、リスクの少ない店舗経営ができます。ただしATM跡地物件などは飲食店仕様でないため、ガス設備なしということもあります。そんな物件でもオール電化工事で対応したり、フレッシュジュースやサラダの専門店にしたりという選択肢があります。また、すでに店舗があれば、本店のキッチンで調理した料理を提供するテイクアウト店舗としてもよいでしょう。
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都心の繁華街より郊外住宅地の店舗が値上がり
都心物件に比べて郊外物件が値上がり傾向にあります。2019年~2021年の飲食店.COMの賃料相場データから注目の郊外エリアをピックアップすると、埼玉県の草加駅、川越駅、大宮駅、神奈川県の鎌倉駅、藤沢駅、千葉県の千葉駅などで上昇が顕著です。これは、コロナ禍であるここ2年の新規出店や店舗移転が「郊外シフト」だったことの表れ。また、既存店舗を持っている場合でも、同エリア内での「駅前から住宅地へ」というシフトも起きました。大人数の宴会需要が減りつつある今、繁華街よりむしろ郊外で地域密着経営をしたほうが堅実という考え方です。今までと違う経営スタイルにはフードテックが不可欠
狭小店舗、住宅地出店など、今までと違う物件選びにビジネスチャンスがあると期待ができますが、そこに欠かせないのがテクノロジーです。SNSによる情報発信は言わずもがな、非接触会計やフードロス削減アプリなど、新技術を積極活用しましょう。「配膳ロボット」なども遠くない将来一般化すると考えられます。ここまで、不利とされていた物件の新たな注目ポイントを紹介してきました。一方で、従来人気だった繁華街の物件は今後どうなっていくでしょうか。実は、都心の物件はすべて下落傾向というわけではなく、池袋・新宿・渋谷の賃料相場はむしろ上昇しています。再開発が進む都心の繁華街にはこれからも将来性があり、需要があるというのも事実。今、コロナ禍にあっても都心に都心を選んで住む人が増加傾向です。変容しながらも、都心は都心の魅力を保ち続けていくはずで、そんな場所で勝負を続ける飲食店経営者も少なくないのかもしれません。
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