飲食店開業時の初期費用節約に活用したい「フリーレント」付き物件とは?
2022年1月18日

物件を探す際に知っておくべき「フリーレント」とは?
フリーレントとは、賃貸物件で貸主が「最初の1カ月は家賃無料」などの設定をすることです。無料の月数は1カ月が最も多いですが、2カ月以上の場合もあります。貸主はなぜフリーレントを付けるのでしょうか。それは物件の空室率が高い状況で早く借り手を見つけるためです。家賃自体を値引きすると、ほかの既存テナントからも値引き交渉をされてしまいます。しかし「最初の1カ月無料」で契約すればその心配はなく、「次月からは家賃が入る」という確約が得られます。また、内装費などまとまった金額を投資する必要がある開業時に少しでも初期費用が抑えられれば非常に助かるので、借り手にも明確なメリットがあります。
フリーレントのデメリットは?
好条件といえるフリーレントですが、デメリットは何でしょうか。■違約金が発生することがある
フリーレント付き物件を契約するときはほとんどの場合、1年あるいは2年といった最低契約期間の定めがあります。最低契約期間より前に解約すると、違約金としてフリーレント分の家賃相当額を請求されます。ただし、早期撤退なら違約金が発生するかもしれないことを認識したうえで「やはりフリーレントで初期費用を抑えたい」という人もいるでしょう。■フリーレント付き物件は条件が限られることがある
たいていの場合、不便な立地だったりエリア内に似た物件が多かったりして長く空き店舗となっていた物件が「フリーレント」付きとなって公開されます。自分が求める条件に合うよい店舗物件を見つけたいなら、最初から「フリーレント」を期待することはやめましょう。
物件契約の際、フリーレントの交渉はできる?
一般の店舗物件を契約しようとするときに、1カ月分のフリーレントを付けてくれるよう交渉することはできるでしょうか。結論をいうと、だめもとで交渉することが可能です。地域差があり、個別案件によっても違いますが、全体の傾向としては、貸店舗が供給過剰気味でやや借り手市場となっている今、フリーレントは一般化しています。「家賃を下げてもらえないか」といった条件はまず無理でも、フリーレントであれば貸主が承諾しやすいといえます。すぐに借り手が見つかる人気物件では貸主が強く交渉の余地はほぼないですが、しばらく空室が続いているような物件であれば可能性があります。貸主に直接交渉することはあまりなく、間に入る不動産仲介業者に交渉を依頼することになるので、まずは相談をしてみることがおすすめです。飲食店開業の場合なら「店舗の内装工事に1カ月半程度かかるので、うち1カ月をフリーレントにしてもらえないか」といった形なら理解を得やすく、貸主側も譲歩しやすいでしょう。
賃貸契約の全体をきちんと理解しておくことが大前提
フリーレント付き物件が増えている昨今、制度をよく理解し、交渉できそうな可能性をさぐるのも有効ということを述べてきました。ただし重要な大前提があります。それは、そもそもの不動産賃貸契約についてしっかり理解しなくてはならないということ。たとえば以下のような重要事項があります。・家賃は相場に照らして適正か
・保証金(または礼金)の金額、返金の条件
・契約期間、更新料
・解約予告や原状回復の条件
・その他に特段の定めはないか
面倒でも契約書を隅々までよく読んで、契約内容を頭に入れてからフリーレントの交渉をしましょう。でないと、フリーレントは付与されたものの「そもそもの家賃が相場より高かった」「保証金が戻ってこなかった」などの結果を招くかもしれません。
不動産の知識や店舗物件探しのスキルも飲食店経営者には不可欠です。積極的に学んで、事業の可能性を広げていきましょう。
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