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ターゲット設定が最重要。ラーメン店の物件選びで失敗しないためのポイントは?

2022年9月2日

画像素材:PIXTA
最近はフレンチや日本食のテイストを取り入れた店も増え、ますますバリエーションが広がっているラーメン。個人で開業する業態として人気ですが、競争が激しく閉店する店も多いといわれています。今回は、リスクを最小限にして開業するためにも重要な「ラーメン店の物件選び」を考えます。

ラーメンは、ひとりで開業しやすい業態のひとつ

ラーメン店は以下のような特徴があり、個人で開業しやすい業態のひとつといえます。

■小規模店で出店できる

ラーメン業態なら小規模な店でも営業可能。むしろカウンターだけの小さな店こそラーメン店の開業にぴったりです。

■通し営業で客席稼働率を上げられる

昼から深夜まで、どの時間帯でもある程度の集客が見込めます。飲食店は通常ランチタイムとディナータイムにお客さまが集中するのと比較して、ラーメン店は客席稼働率を上げやすいことが強みです。

■少ないメニューで効率化しやすい

スープ・麺はすべて共通で数種のメニューを提供していることも多いラーメン店は、他業態と比べ在庫ロスが少ない傾向。メニューが少ないと券売機の導入も可能です。

しかし昨今はラーメン店同士の競争が激しく、多くのラーメン店が原価と手間と時間をかけて一杯を提供しているので、収益を上げることは簡単ではありません。物件選びも慎重にしたいところです。

ラーメン店の物件探しでは「どんなラーメン店にするか」が大事

ラーメンを食べてもらうターゲットが違えば適した店の条件も変わってきます。したがってまずどんなラーメンをどんな客層に提供するのかを明確にしましょう。がっつり・こってり系なら学生や男性単身者、淡麗・ヘルシー系なら女性、こだわりあり・価格高めならラーメンマニア、オーソドックス・価格低めなら地域住民・ファミリーなどです。これらはとても大まかな例ですが、実際には自分が作るラーメンをどんな人が食べてくれるのか、年代、性別、職業、ライフスタイルなどまで想定する「ペルソナ」を描いてみるのもおすすめです。これにより店の規模や内装なども想定できます。

このような店のイメージをある程度固めると、「出店エリア」「立地」「賃料」「席数」などの目安が明確になり、物件を探しやすくなります。たとえば女性客を呼びたいなら女性が歩きやすい通り沿い、ファミリーが対象ならテーブル席も確保、シニア層向けなら路面店などの条件が必須です。
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居抜き物件があれば初期費用が抑えられるが、注意点は?

ラーメン店では一般的な厨房設備のほか、ゆで麺機、スープ台などが必要です。こうした設備を一式そろえると200万円~400万円ほど。ラーメン店の居抜き物件が見つかれば、什器設備含めた初期投資が抑えられるので大いに魅力です。ただし設備がちゃんと稼働するか、自分が作りたいラーメンに合うかなどのチェックポイントがあります。設備工事や内装工事の費用を見積もるためにも、内見にはラーメン店を手掛けた実績のある内装工事業者に同行してもらうことが有効です。

ラーメン店が多い人気エリアへに出店するメリットは?

次に出店エリアについて。まず繁華街への出店を考えます。ラーメン店が多い激戦区として知られるのは東京の「高田馬場」「目黒」「町田」、大阪の「福島」など。このようなラーメン激戦区に新店がオープンすることも珍しくありません。激戦区に出店すれば激しい競争にさらされますが、メリットもあります。こうした地域には遠方からもラーメン好きが集まっていて、少し目立たない立地でも見つけてもらいやすく、満足度が高ければラーメンマニアの情報共有で人気が出ます。自分のラーメンの差別化と味のクオリティに自信があるなら、人気エリアへの出店に勝算があるのです。

とはいえ、超人気エリアは当然賃料が高額でかつ物件情報も出にくいもの。それに準ずるエリアなら選択肢が広がります。乗り換え客が多い駅の周辺、繁盛するラーメン店がある繁華街などのエリアならメインの通りから路地を入ったり駅から歩いたりという立地でも人を呼び込めます。車需要なら飲食店が多いロードサイドなどが対象になります。ということで、まず検討すべきはラーメン店が多い人気エリアとそれに準ずる繁華街。関東の場合なら千葉・埼玉・神奈川各所にも多くのラーメンの人気店があり、選択の幅はかなり広いといえます。

住宅街への出店も十分に可能

次に住宅地への出店を考えてみます。かつて一世を風靡した『中村屋』(2022年閉店、現在はNY店のみ)は1999年、神奈川県大和市の住宅地の街道沿いに初出店。見た目はシンプルなラーメンですがラーメンマニアの間で話題になり、すぐに行列店へ。さらに海外進出も果たしました。同店も、最初はおそらく地域の人が食べにきてくれる店というコンセプトだったはずです。

ここまで成功しなくても、住宅地に出店した一号店から始まって数店舗を展開し、地域に定着しているラーメン店は全国各地に存在します。日本人の国民食といえるラーメンの場合、ある程度の集客が見込めれば、地域を問わず出店は可能といえるでしょう。

ラーメン店を志す人ならいずれは多店舗展開を目指していることも多いと思います。そのためにも重要なのは一店舗目。ある程度時間をかけて店を探し、納得できる出店を実現させましょう。

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