飲食店の物件取得費の相場はどれくらい?開業時に用意したい必要資金の目安や内訳
2023年3月30日

飲食店開業時の物件取得費用は、家賃の12カ月分が目安
飲食店開業の際に必要な資金として「開業資金」と「運転資金」の2つがあり、開業資金はさらに「物件取得費」と「店舗初期投資」に分けられます。物件取得費の内訳は、保証金または敷金(賃料の3~12カ月分)、礼金(0~2カ月分)、仲介手数料(1カ月分)、前家賃(日割り計算)、保険料、造作譲渡料が目安。仮に賃料30万円の店舗を契約する場合、保証金6カ月、礼金2カ月であれば、仲介手数料・前家賃を合わせると賃料の10カ月分で約300万円となり、さらに保険料や造作譲渡料も必要になる場合があります。■保証金・敷金は退去時に返還されるが、条件あり
店舗物件では保証金と呼ぶことが多いですが、居住用と同じように敷金としている場合も。保証金は賃料の3~12か月分程度と、契約によって幅があります。保証金は貸主が賃料の滞納リスクに備える預かり金で、もし毎月の賃料が支払われない場合には賃料や延滞利息が保証金から差し引かれるのです。遅滞なく賃料を払っていれば保証金は退去時に返還されます。ただしその場合でも、保証金の一部が「償却」という名目で差し引かれる契約になっていることが一般的です。「保証金8カ月、償却2カ月」であれば、契約終了時には6カ月分が返還されます。償却の定めは、「償却年××%」となっている場合もあります。「保証金200万円、償却年5%」であれば毎年10万円が保証金の返還予定金額から差し引かれます。■礼金
礼金は契約開始時に賃料に上乗せして貸主に支払うお金で、返還されません。礼金は賃料の0~2カ月分です。■仲介手数料
契約を担当する不動産業者に支払う手数料です。手数料は最大で賃料の1カ月分と法律で規定されています。■前家賃
賃料は不動産賃貸契約の当日から発生します。前家賃は当月の日割り賃料と管理費、翌月の賃料と管理費を合わせた金額となります。3月15日に賃料と管理費の合計が30万円の契約をした場合、3月15日から31日までの賃料と、4月分の賃料で約46万円となります。■保険料
火災保険は物件を契約するときに加入が義務付けられていることが多く、義務になっていなくても必ず加入しておきたい保険です。保険料は保険会社に支払います。このほか、任意で加入することが多い保険としてPL保険、賠償責任保険などがあり、各種のリスクをカバーする店舗総合保険も用意されています。■造作譲渡料
飲食店の居抜き物件は設備や什器の経費が削減できるメリットがあります。居抜き物件では造作譲渡料が設定されていることがあります。設備が比較的新しい場合は造作譲渡料が必要な場合が多いですが、厨房機器や空調の修理が必要だった場合には却って割高になってしまう可能性があるので、契約前によくチェックしましょう。居抜きで造作譲渡0円という物件もしばしばみられます。
物件取得費用をおさえる方法は?
物件取得費用を少しでも抑える方法として、以下があります。■賃料が安い物件を探す
特に初めての開業ではリスクをおさえたいので、賃料が安い小規模な店舗で始めることで物件取得費用を節約できます。商業地ではなく住宅街、路面店ではなく空中階に出店して賃料をおさえながら成功している飲食店も多いので参考にしましょう。■フリーレント物件を探す
「フリーレント×カ月」と表示された店舗物件を見かけることがあります。フリーレントとは、契約後の一定期間賃料が無料となることです。フリー期間は1~2か月程度のことが多いです。■値引き交渉する
人気物件では無理ですが、しばらく空き物件だったり立地条件が悪かったりする場合、値引き交渉ができるかもしれません。賃料の値引きは難しいですが、造作譲渡費や前家賃については多少の減額に応じてくれる場合があります。以上、今回は飲食店の開業時に必要となる物件取得費の目安と内訳について解説しました。各項目についてよく理解して、物件探しに役立てましょう。
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