飲食店の2店舗目出店のタイミングはいつ?失敗しない物件の選びのポイントや注意点
2023年5月29日
画像素材:PIXTA
1店舗の経営がうまくいくと、2店舗目の出店を視野に入れる経営者は多いでしょう。2店舗の経営は、3店舗以上を展開する多店舗経営とは異なる視点で考える必要があることをご存じですか。上手く進めていくには、出店場所や物件の選び方が非常に重要です。そこで、ぜひ知っておきたいポイントをご紹介します。
2店舗目の出店に適したタイミングは?
多くの場合、1店舗目の経営が順調に黒字化し従業員も育ってくると、「もう1店舗出店してみたい」と考えるのではないでしょうか。ここで押さえておきたいことは、黒字化よりも資産に目を向けなければならないことです。キャッシュフローが順調であっても、自己資金が潤沢でなければ、2店舗目の出店により会社としては赤字化してしまうことも。2店舗目の出店費用の2分の1程度を自己資金でカバーしても、経営に支障がない程度の資産がひとつの目安といわれています。2店舗経営がうまくいくと売上は増えますが、その分の経費も増えるため、利益の増加に必ずつながるわけではありません。資金面はある程度長いスパンで計画しておきたいものです。また、出店時期を見極めることも大切です。飲食店の開業には8~12カ月の期間が必要だといわれていることに加え、飲食店には業態ごとに繁忙期があります。お客さまの書き入れ時までにオペレーションを安定させることも考慮できるとよいでしょう。
出店場所は1店舗目の客入りに合わせて決める
2店舗経営をするとき、もっとも大切なのは、経営者1人で2店舗に目が届く状況にしておくことです。片腕となる人材がいたとしても、会社として基盤を固めていくには、経営者がある程度管理できるようにしておくべきでしょう。そのためには1店舗目と2店舗目が近い場所になければなりません。そのエリアの特長を把握できているのはもちろん、状況に応じて従業員を補完し合える、食材を共有できるといったメリットもあります。では1店舗目と2店舗目の位置関係はどの程度がよいのでしょうか。これは、1店舗目の客入がヒントになります。すでに経営している1店舗目が満卓になり、来店してくださったお客さまをお断りしていたり、予約を受け入れきれない状況が発生していたりするなら、可能な限り近くに出店しましょう。徒歩圏内、真横、目の前にテナントがあれば、そこが狙い目です。1店舗目の既存のお客に新店舗をオープンすることをアピールできれば、これまで溢れてしまっていたお客が分散して来店する可能性が十分にあります。新店でもオープン間もない時期から集客が期待できるのです。また、1つの広告媒体で両店舗の情報を載せやすいため、効率的な宣伝活動もできるでしょう。
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1店舗目と2店舗目の業態・規模は近い方がベター
「2店舗目は最近人気が高まっている業態にしたい」「新しい客層を取り込みたいので、1店舗目とは異なるコンセプトの店にしたい」と考える方もいらっしゃるはず。ですが、2店舗目は「1店舗目で培った成功ノウハウを活かす」ほうが失敗のリスクが下がります。1店舗目と2店舗目のコンセプトや席数は、かけ離れないものにしましょう。2店舗目を早い段階で軌道に乗せ、会社の体力をさらにつければ、3店舗目からは「新たなコンセプトの店」や「ターゲット層を変える」といったチャレンジがしやすくなります。居抜き物件や紹介物件がある場合は?
店が繁盛していると、「あの店が居抜き物件になりましたが、興味はないですか」「店じまいを考えていて、物件の処分に困っている」といった話が届くようにもなります。それをきっかけに2店舗の出店を考えるようになるケースもあるでしょう。居抜き物件を活用すれば、開業の初期費用を大きく抑えることができるのは魅力です。ただし、1店舗目との距離が2駅以上離れていたり、業態や規模が全く異なったりする場合は、経営に困難になることも考えられます。慎重に検討してください。飲食店経営を長期的なスパンで考えたとき、経営者が現場を離れても利益が出せることを一つの目標にしていることは多いはず。2店舗目の出店はこの点においても重要な役割があります。上手な物件選びで、店舗展開を成功させましょう。
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