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飲食店の出店にベストな月とは? 店舗開業までのスケジュールも時系列で解説

2024年8月16日

画像素材:PIXTA
飲食店を開業するときは「資金計画」「物件探し」「内装工事の手配」など、やること、考えるべきことが山積み。そんなとき意外と見落としがちなのが出店のタイミングです。今回は、飲食店の繁忙期に新しい店を軌道に乗せていくにはいつごろ開業すればいいか、オープン日までのスケジュールの立て方を含めて解説します。

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飲食店の繁忙期・閑散期はいつ?

個人が飲食店を開業する場合、できるだけ早期に黒字化と初期投資の回収を果たすことが最初の目標となります。そのためには、予測できるリスクを最少にすることが大事。そこで、飲食店の繁忙期と閑散期についておさえましょう。

一般的な飲食店の繁忙期は、以下の2つです。
・12月~1月前半(忘年会、新年会)
・3月~4月(歓送迎会)

上記は多くの飲食店にあてはまりますが、業態や地域によって繁忙期は少しずつ異なります。たとえば、ファミリー客が多いレストランであればゴールデンウィークや夏休みが繁忙期となるでしょう。テラス付きカフェなら春と秋が繁忙期かもしれません。

逆に、閑散期といわれるのが2月と8月です。「ニッパチ」と呼ばれ、飲食店だけでなく多くの業界で共通の閑散期とされています。

個人で開業するなら、繁忙期の「3か月前」が目安

新規開業する店が繁忙期の売上最大化に照準を合わせて集客するためには、その3か月ほど前に出店する必要があります。その理由は以下です。

■店の認知度を上げるため

店がターゲットとする見込み客に対して、十分に店の存在を知ってもらうために一定の準備期間が必要です。オープン当初はまず認知度を上げるため、来店者向けサービスなどに初期投資します。

■オペレーションを安定させるため

店のスタッフが仕事に慣れて、接客、調理のオペレーションもスムーズになるまでに2~3か月はかかります。オペレーションが安定していない時期に繁忙期がきてしまうと、収益を上げる機会を損失するだけでなく、サービスが行き届かずお客様を失ってしまうリスクがあります。

■繁忙期の対策を立てるため

繁忙期に効率よく集客して収益を上げるためには、店の客層に合った「忘年会特別メニュー」などを工夫する必要があります。適切なキャンペーンを実施するためにも、2~3か月前から経験を積んでおくことが有効です。

■店の黒字化を早めるため

新規開業した飲食店の経営が黒字化するまでに、平均で6か月ほどかかるといわれています。繁忙期をうまく活用することにより、黒字化までの期間を短縮することが期待できます。

以上のようなポイントをふまえると、繁忙期の3か月ほど前、つまり9月頃と1月頃が開業のタイミングとして適しているということができます。ただし前述したように、業態によっては別の時期が繁忙期で開業に適した時期も変わることがあります。
画像素材:PIXTA

準備期間は約1年。開業日から逆算して計画を立てよう

出店にベストな月がわかったところで、開業までのスケジュールを確認します。飲食店出店までの準備期間の目安は約1年といわれています。以下に、その間の主なスケジュールを示します。

12か月前 事業プランの作成
11か月前~6か月前 店舗物件探し
10か月前 資金準備と事業計画の作成

6か月前 物件の契約と融資依頼
5か月前 資金調達、借入
4か月前 内装業者探し、メニュー開発、仕入れ業者探し

3か月前 内装デザイン、工事
2か月前 各種届出、什器備品の購入
1か月前 スタッフ採用とトレーニング

仮に、9月の開業を目指す場合には、1年前の9月から準備をはじめるのが目安ということになります。

物件契約のタイミングと開業時期のバランスが大事

ただし、計画通りに進まない可能性もあります。上記スケジュールのなかで不確実性が高いのが、店舗物件探しです。賃料や立地など、希望の条件に合う店舗がタイミングよく見つかるとは限りません。このため、物件探しには早めに着手することがおすすめです。

また、物件契約の時期についても自分のスケジュール通りとはいかず、しかも物件契約をすれば直後から賃料が発生します。仮に希望の店舗が見つかり5月に契約した場合、投資回収のためにはそこからできるだけ早く開業するべきで、そうなると9月ではなく8月開業を目指すべきでしょう。

閑散期の開業では最初は売上を上げることが難しい反面、スタッフのトレーニングやオペレーション確立までに余裕を持てるメリットがあります。この場合、閑散期にメリットを活かしながらじっくり集客をはかり、繁忙期の収益化を目指すことが最善策となります。

つまり、物件契約の時期と目指したい開業のタイミングとの兼ね合いで事業計画を立てることが大事です。少なくとも開業と繁忙期が重ならないようにしながら、自分にとって効率が良いベストな開業を目指しましょう。

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