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飲食店の空き物件が出やすい時期はある？時期の読み方・探し方を解説

飲食店の空き物件が出やすい時期はある？時期の読み方・探し方を解説

2024年10月31日

画像素材：PIXTA

飲食店開業の準備の中でもっとも苦労があるとされる物件探しは、半年～1年かかるといわれ、簡単ではありません。できるだけ効率よく物件探しをするために、飲食店の空き物件が出やすい時期はあるのか、あるとすればいつなのかについて知っておきましょう。

1年のうちで空き物件が出やすい時期とは？

居住用物件の場合、空き物件が出やすいのは年度末で、そこを目指して1月～3月に物件が動くということがよく知られています。これに比べて事業用物件は、居住用物件ほど明確なピークがありません。しかし一定の傾向はあるので知っておきましょう。

■年度末

人が動くにつれて、企業も新年度へ向けて事業所の移転や再編を行うので物件が動きます。業績不振その他の理由で閉店を検討している店舗の場合、年度末のタイミングで閉店することも多いです。

■9月

企業の決算期として3月、12月とともに多いのが9月で、物件が動くタイミングとされています。ただし3月と12月は飲食店にとっては売上が見込める繁忙期と重なります。しかし9月には決算期に経営を見直して退去を決める飲食店があり、空き物件が増えます。

■2月と8月

飲食店の閑散期である2月と8月を乗り切ることができず、閉店を決断する飲食店が増えます。あるいは、年末年始にできるだけ稼いだあとで計画的に店じまいするパターンもあります。

ひとつ気をつけたいのは、事業用物件の退去通告は3か月前～6か月前ということです。物件が入居可能となる3か月前や6か月前にその情報は不動産業界に送られ、次のテナント探しが始まります。これをふまえた早めの情報収集が大事です。

中長期で見た空き物件が多い時期と少ない時期

1年のうちで空き物件が多い少ないとは別に、経済状況により中長期的に空き物件が増えたり減ったりする傾向も重要です。

その点ではズバリ、現在は空き物件が多い時期といえます。なぜなら飲食店の倒産件数が増加しているからです。帝国データバンクによると、2024年1-9月の飲食店倒産件数は650件で、コロナ禍で過去最多件数となった2020年を上回る見通しです。この事実は飲食店にとって厳しい経営環境であることを示していますが、十分な資金を確保し、時代のニーズに合う新事業を展開する意欲がある人にとってはチャンスといえます。

実際に、コロナ禍が始まった2020年頃、多くの飲食店が倒産したときに、空き店舗に積極的に出店した飲食店がありました。いちはやく業態転換することによりV字回復した店もあります。

現在、飲食店の倒産件数は多いですが、新規出店件数も同時に増えています。今後へ向けてはインバウンドやシニア市場への対応、専門店化などの緻密な戦略が欠かせないものとなっています。

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探す人が少ない時期を狙う方法も

物件探しは需要と供給のマッチングによって諸条件が大きく変わります。空き物件の供給が多い時期だけでなく、需要が少ない時期も意識しましょう。飲食店の物件を探す人が少なくなるのは、飲食店の繁忙期である12月。この時期は空き物件が出やすい時期ではありませんが、物件探しをする飲食店関係者も他の時期より少なくなります。一方で、前述したように飲食店の倒産件数も増えているため、この時期に希望条件に合う店舗に出会える可能性はあるといえます。

ネットに掲載されない情報は足でかせぐ

空き物件探しではまず、ネット上の店舗物件情報をチェックします。ここで希望エリアの相場や物件の量の多い少ないがだいたい理解できます。毎日ネットの情報を見続けることで、追加される新着情報がどれくらいあるかもわかってくるでしょう。

一方で、ネットに出回らない空き物件情報を入手するための動きも必要です。出店を希望するエリアについては客層のリサーチを兼ねて、実際に街を歩いてみましょう。地域の店舗物件情報を持っていると思われる不動産屋があれば身なりを整え、名刺を持って訪ねていき、希望を伝えます。「テナント募集」の貼紙を見て連絡をとるのもおすすめです。「空き物件の情報を入手するチャネルを増やす」ための行動も大事です。

以上、空き物件が出やすい時期について、さまざまな観点からみてきました。希望条件にピッタリはまる物件との出会いを目指して、粘り強く開業を準備していきましょう。