飲食店のキャンセルポリシーは必須? やっておきたいノーショー(無断キャンセル)対策を解説
2025年4月24日
画像素材:PIXTA
予約をしておきながら連絡なし、来店なしという「ノーショー(無断キャンセル)」問題は、飲食店の大きな悩み。今回は、ノーショーや直前キャンセルをできるだけ減らすために今やっておきたい対策について解説します。
ノーショーや直前キャンセルが起きる理由は?
まず、ノーショーと直前キャンセルがどのような理由で発生するのかを確認しましょう。「ノーショー」とは予約していたのに連絡がなく来店もないこと、「直前キャンセル」は前日や当日になって予約をキャンセルされることです。どちらも飲食店にとっては大きな損失が発生します。こうした事態が起きてしまう理由には、以下のようなことが考えられます。
■やむを得ない事情
予約した本人に急病やその他来店できない重大な事情が発生してしまうことがあります。本人に悪気はなく、やむを得ない事情といえます。飲食店の方針として、このようなケースではキャンセル料を請求しない場合もあるようです。
■当初から悪意があった
店に損失を与えようとして、最初から来店する意図がないのに予約を入れて来店しないという悪質ないやがらせも数は少ないですが存在します。損害の程度が大きい場合、弁護士に相談して法的手続きをとることが有効です。
■キャンセル規定についての認識が薄く、結果としてノーショーになった
最も多いのが、キャンセルが必要であることを意識していなかったり忘れたりするケースです。
・宴会のために複数の飲食店に予約を入れ、決定した店以外の予約取消をしなかった
・店を予約したことを忘れてしまった
・店に行けなくなったが、キャンセル連絡が必要と思っていなかった
などの例があります。これらの人をできるだけ減らすための対策が最も重要です。以下で、その対策について考えていきます。
どんな店、どんな場合にノーショー率が高くなるのか
次にノーショーがどんなときに発生するのかをみていきます。
■客単価が低い店のほうがノーショーされやすい
高級レストランとカジュアルな飲食店や居酒屋を比較した場合、カジュアルな店のほうがノーショー率は高い傾向です。また、コース料理の予約と席のみの予約では席のみの予約のほうがノーショー率が高いです。
■電話予約よりネット予約の方がノーショー率が高い
相手と会話を交わすという顧客接点がある電話予約よりも、手軽なネット予約のほうがノーショー率が高いです。
■外国人観光客のノーショーが増加傾向に
インバウンド重要が高く、外国人観光客に人気の店ではノーショー問題に悩まされるケースがあります。言語のハードルや文化の違い、観光客の予定は変更されやすいという事情などが背景にあると考えられます。
■団体予約のほうがノーショーのリスクが大きい
個人の都合だけで決まる予定より、多くの人の事情に左右される団体予約のほうがノーショーの可能性があり、リスクも大きくなっています。
以上のような事情をふまえ、やっておきたいノーショー対策を整理しましょう。
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必ずやっておきたいノーショー対策は?
■キャンセルポリシーを明記する
キャンセルポリシーとは、予約キャンセルの場合にかかる費用請求するなどのルールです。今は多くの飲食店がキャンセルポリシーを明記していますが、ネット予約の場合はよりわかりやすく、予約時に必ず認識してもらえるように表示することが大切です。電話予約の場合は予約時に口頭でキャンセルポリシーを伝えましょう。
《キャンセルポリシーの例》
予約の3日前まで:無料
予約の3日前~前日まで:予約料金の50%
予約当日:予約料金の100%
実際のキャンセルポリシーは飲食店の業態や予約内容によって違ってきます。
また、費用請求と合わせて、
・予約時の電話番号で連絡がとれない場合は予約を取り消す可能性がある
・予約時間から15分経過しても来店がなく連絡もない場合は予約を取り消す
などの規定を明示することも有効です。
■事前に予約を確認する
事前に電話またはSMSなどでリマインドすることも有効です。確実な来店を促し、都合が悪くなったときには早めのキャンセル連絡をしてもらうことにつながります。予約時の電話番号に届くSMSによるリマインドメールが手軽で効果的です。予約の7~5日前にリマインドメールを送り、来店への感謝とともにアレルギー対応などの要望を問い合わせる内容であればコミュニケーションが深まり、顧客の側も何かあれば連絡しようという意識づけになります。また、SMSへの返信を可能にすることで早めのキャンセルを受けやすくなります。
■クレジットカード登録や事前決済を利用する
予約時にクレジットカード情報の入力を必須にしたり、予約時にデポジットを受けたりする方法はノーショー対策として有効です。ただし、予約時のハードルが高くなり予約が簡単な他の店に客が流れてしまうリスクがあります。クレジットカード登録や事前決済をした場合には割引や特典などを提供する方法もあります。予約方法の文化がちがう外国人観光客が多い店などでは導入の選択肢もありそうです。
ノーショー対策は重要ですが、多くの店でノーショー率はそれほど高くなく、大部分の人が都合が悪くなった場合には連絡をしてくれます。飲食店としては、予約しても早めにキャンセルや変更の連絡をしてくれれば顧客との良好な関係を保っていくことができます。ネガティブにとらえず、優良顧客を増やすという観点からより効果的なノーショー対策を整備していきましょう。
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