飲食店のオペレーション構築は「物件探し」の段階から。最適化と効率化のコツを解説
2025年4月30日
画像素材:PIXTA
飲食店が利益を上げていくために重要な要素が「オペレーション」です。オペレーションのマニュアルづくりは有効な方法ですが、物件探しの段階からオペレーションを意識していくことで、より効率性を高めることができます。そこで、オペレーションのコツと物件との関連を解説します。
飲食店が行う3つのオペレーション
「オペレーション」とは、飲食店で行われる一連の業務のこと。一般的には3つに分けられ、調理に付随する業務を「キッチンオペレーション」、お客さまの来店から退店までの接客を「フロアオペレーション」、飲食店を円滑に運営していくために行う業務を「バックヤードオペレーション」と言います。
飲食店がオペレーションを構築すると、サービスの質の均一化が図れる、業務を効率化できる、それにともないスタッフの負担を軽減できる、教育コストを削減できるといったメリットがあります。
こうしたメリットを得るため、多くの場合はオペレーションマニュアルを作成します。しかし、キッチンのレイアウトと調理方法の相性が悪ければ、提供の遅れやサービスの質の低下は避けられないでしょう。物件選びを進めている方には、オペレーションをイメージした上で物件を見ていくことおすすめします。
それぞれのオペレーションのポイントと物件の見方を以下より解説していきます。
■キッチンオペレーション
美味しく、安心安全な料理を、スピード感を持って提供することが大事です。この物件で営業することになったら、どんな動線になるか?と考えてください。そのとき、「複数のメニューを同時進行で作れるか」、「同じメニューの注文が重なっても対応できるか」、「適切な場所に機器を配置したり、調理器具を置いたりできるか」、「ホールスタッフとコミュニケーションがとれるか」、「ホールスタッフに料理を確実に渡せるか」といった点を想定してみましょう。
■フロアオペレーション
来店したお客さまを迎える、席に案内する、オーダーを受ける、配膳する、会計をする…といった、お客さまと直接やりとりをするのがフロアオペレーションです。店の印象にも関わる大事な業務がフロアオペレーションとも言えます。
物件選びの視点で求められるのは、「ホールスタッフから死角になってしまう客席はないか」「ホールスタッフから客席が見渡せるか」「キッチンと客席までの動線に不自由はないか」「清掃、衛生管理はしにくくないか」などです。さらに、客席と出入り口やレジ、お手洗いの動線が悪くないかも考えみてください。お客さまにとって不便な点があると、ホールスタッフの負担が増えることもあり得ます。
■バックヤードオペレーション
キッチン・フロア業務以外はバックヤードオペレーションに含まれます。仕入れ、在庫管理、売上管理、シフト調整や集客のための活動などがあり、店舗運営や従業員のモチベーションに直結する業務と言えます。小規模店の場合、厨房の一角などでバックヤードオペレーションをすることもあります。
物件を見るときには、まずは「各種業務のためのスペースを確保できるか」考えてみましょう。そして、見落としがちなのが防犯面。不安はないか、セキュリティ対策ができるかも大事な点です。
画像素材:PIXTA
物件は一度決めたら簡単には変えられない
物件選びでは立地が重要だとよく言われます。そのため、どういった立地に出店したいかを考え、理想に近い物件を探す方が多くいらっしゃいます。立地がよければ、レイアウトは妥協しても良いと考える方もいます。
しかし出店後に「こんなはずではなかった!」と思っても、他の物件に移ることは簡単にはできません。また、飲食店経営では売上以上に利益を出すことが店舗を運営しつづけるためには不可欠です。こうした点からも、物件探しの段階からオペレーションを意識していくことは重要。ぜひオペレーション視点での物件探しを進めてみてください。
<飲食店.COM>店舗物件を探す
<飲食店.COM>譲渡情報を探す
- カテゴリ
- 調査・ランキングデータ
- 街・地域の立地動向
- 開業者の声
- 物件探しのコツ
- 新着記事
物件タイムズについて
飲食店ドットコムが出店希望者の方々へお届けする店舗物件マガジン。
出店エリアの立地動向、独自の調査データに基づくトレンド情報やランキング、物件探しのコツ、開業者の体験談など、店舗物件探しをテーマに、飲食店舗の物件探しに役立つ情報を定期配信しています。