国産クラフトビールが楽しめるバル『Le 白河夜船』が西荻窪にオープン! 開業までの道のりを取材
2018年1月25日
『Le 白河夜船』
代表 白川一貴さん
JR中央線・西荻窪の駅を降りると、繁華街はあるものの高い建物が少なく、落ち着いた印象を受ける。南口からすぐの一角に2017年12月オープンした『Le 白河夜船』は、店名と船を白く抜いた藍染のれんが目印だ。店内に進むとカウンター奥にある、10のビールタップを備えた特注ビールサーバーに目を引かれる。代表の白川さんは飲食業界で働きながらずっと独立を考えていたが、「国産クラフトビールの店にしたい」とイメージを固めてからはすぐに準備をスタートさせたという。開業までのストーリーを伺った。
開業日/2017年12月13日
業態/国産クラフトビールと日本ワインのバル
開業資金/約800万円(物件費別)
自己資金/200万円
借入金/1000万円
店舗面積/約14.5坪(47.85㎡)
席数/24席
目標月商/約300万円
最初は「清澄白河」「門前仲町」近辺で物件探し
独立開業を決意し行動を起こしたのは2017年6月のことだった。白川さんはソムリエの資格を保有し、飲食店では接客を担当してきた。独立するにあたってパートナーを組むことにしたシェフの希望もあり、当初はシェフの住まいから近い清澄白河や門前仲町などで店舗を探した。しかし、なかなか条件に合う物件が出てこなかった。対象エリアを拡大して探したところ、八丁堀で賃料が手ごろ、その他の条件もかなり希望に近い店舗が見つかった。いったんはこの物件に決まりかけたが、悩んだ末に断念。「八丁堀は最近個人店が増えて活気があります。物件の条件はよかったのですが、すぐ近くに私が構想している店舗と被る「肉バル」が複数店舗あったので、差別化が難しいと思って断念しました」と白川さん。
シェフが新店不参加となり、店舗探しは全面リセット
物件探しの期間に、シェフがパートナーを降りることになった。しかし白川さんの開業の意志は全く揺るがなかった。シェフの希望で場所を限定していた制約がなくなったので、出店する場所を再考。妻の実家があり、自分にも土地勘がある中央線沿線を新たな候補とした。2017年9月中旬に現在の店舗に出合い、すぐに決定したという。スケジュール&業社選定
【2017年6月】物件探しをスタート。同時にデザイン・内装工事会社探しも開始【2017年9月】現在の物件を見つける。内装プラン検討開始
【2017年10月下旬】物件契約
【2017年11月初旬~12月】内装工事
【2017年12月13日】オープン
デザイン会社選定/店舗デザイン.COMのマッチングサービスを利用
デザイン会社/PAG
物件探しと同時に、設計施工会社を探せるマッチングサービスにも登録
「設計施工会社については全く人脈も情報もありませんでした。ですから、まず情報収集してみようという軽い気持ちで登録をしてみました」物件を探すときは多くのサイトにアクセスし、徹底して情報収集した。そのなかで「店舗デザイン.COM」のマッチングサービスがあることを知り、まだ計画が具体化していなかったが、試しに登録をしてみた。すると、すぐに15件ほどの返信があったという。どこの会社も熱意のこもった提案や作品実績を送ってくる。5社と実際に会ってみたそうだ。
「たくさん連絡をいただいた中で、“安さ”を前面に出すところや熱心すぎる売り込みにはなんとなく抵抗がありました。あまり必死じゃなかった2社に絞り、それぞれの会社の方には物件を見に行くときに同行していただきました。最後は職人気質を感じる『PAG』さんにお願いすることにしました」
西荻窪の店舗を見たときもPAG社に同行してもらった。その3日後にはイメージ通りの設計図が同社から届いたという。白川さんは「物件探しや商談で何度も会い、PAGさんは私が作りたい店舗のイメージを十分に理解してくれていたので、その後はとてもスムーズに仕事が進みました」と振り返る。
開店までにはいろいろな誤算があったが、そのひとつが「求人の経費」だ。離脱してしまったシェフを含め、スタッフを募集するのに3媒体合わせて50万円かかったそうだ。「お金はかかりましたが、いい人材を揃えることができたので満足しています」とのこと。
こだわりは、10のタップを備えた特注のビールサーバー
店内は正方形に近い空間で、居抜き設備も活用しているそうだ。天井には夜空の星をイメージした照明が点々と輝いている。「“クラフトビールの店”というメインコンセプトを表現するために、ビールサーバーを特注しました。中古品調達と工事費合わせて70万円くらいかかりましたね」と白川さん。このカウンター正面のビールサーバーで10種の樽生クラフトビールをサービス。樽が終わったものから順に違う銘柄を追加するので、日替わりで日本各地の多彩なクラフトビールを楽しめる。ほかに日本ワインも50本ほど品揃えしている。
「日本のクラフトビール市場は、ビール全体の1%。一方アメリカは10%です。10%とまではいかなくても、日本でクラフトビールのシェアは5%程度までは伸びると期待して、国産クラフトビールを広めていくつもりです」と今後の目標を教えてくれた。
開業する人へのメッセージ
最後に、開業する人へのメッセージを伺った。「飲食業界では新店舗のうち2年以内で半分が閉店すると言われます。でも、本当によく考えて準備して始める店に限れば、そこまでのリスクはないと思います。私は自分が行きたいと思える店かどうかを考え、自分の得意分野を活かした店づくりでチャレンジしていきます!」
『Le 白河夜船』
住所/東京都杉並区西荻南3-15-13 高梨ビル1階
最寄り駅/西荻窪駅徒歩2分
電話番号/03-6875-4187
営業時間/17:30~24:00
定休日/月曜
客単価/4,500円
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