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『SEKAI CAFE』に聞く、訪日外国人を集客するためのメニュー戦略。ハラルやヴィーガンへはどう対応?

東京オリンピックを控え、日本にはインバウンド客がますます増加。それに伴い、外国人向けにサービスを工夫する飲食店も増えてきました。外国語に対応するだけでなく、食材やメニューに気遣う店舗も増えるなか、「全世界の人々」を楽しませるメニューを提供することに尽力しているのが『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』。今回は同店を運営する株式会社日本SI研究所・飲食事業部スーパーバイザーの金子太朗さんに話を伺い、食材やメニューのこだわりを聞かせてもらいました。

お話を伺った株式会社日本SI研究所の金子太朗さん。

「全ての人が食べられる」メニューへの挑戦と努力

『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』ではインバウンド客が8割を占め、中東、アジア、ヨーロッパと実にさまざまな国から来客。その比率はわからないほど多種多様であると金子さんはいいます。

同店で提供されているメニューは、ハラル、ベジタリアン、ヴィーガン、そして台湾ベジタリアンに対応。あまり聞きなれない台湾ベジタリアンは、一般的なベジタリアンの制限に加え、にんにく、玉ねぎ、にらなどが食べられない方々のことを指します。近年はグルテンフリーの方も増えているため、こちらにも対応できるように尽力しているのだそう。

こうした食事に対応するためには、特に動物由来の食材に気をつける必要があります。たとえば、同店で提供されているパンナコッタは、牛乳の代わりに豆乳を使って製作。固めるためのゼラチンは豚由来のものが多いため、代わりに寒天を使います。しかしながら、食材を代用すると、当然食感や味わいにも影響が出るもの。「寒天ではパンナコッタのやわらかな食感を出しにくいので、空気を含ませながら混ぜ合わせたり、くず粉を加えたりして固くならないように工夫しています」と小さな工夫を教えてくれました。

他にも野菜のハンバーガーは、一見すると肉のパテが入っているように見えますが、実際の肉はまったく入れずに大豆由来のたんぱく質で作っているのだそう。ベジタリアンの食事はお腹がいっぱいにならないものも多いといわれているので、ボリュームが出るよう、いんげん豆や人参なども加えています。

調理にさまざまな工夫をされている『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』ですが、それでもまだメニューには苦労する点が多いとのこと。例えば同じベジタリアンでも、人によって食べられるものが違うこともあります。

「ベジタリアンでも牛乳や卵を食べる人もいますし、ヴィーガンのように徹底していることもあります。さらには、ベジタリアンでグルテンフリーというように、それぞれのタイプを掛け合わせた人もいるので、全メニューを全ての人に食べてもらうようにするのは、とても難しいです」。

たとえばオートミールを料理に取り入れた場合、ベジタリアンの方は食べられても、グルテンフリーの方は食べられないことも考えられます。そのため、メニューに入っている食材を明記するなど、お客様それぞれが食事を楽しめるように趣向を凝らしています。

外国人にもわかりやすく、対応できる食事をアイコンで紹介

既製品を使わず、一から作ることでハラル認証をクリアする

ベジタリアンやグルテンフリーなどは食材に気を遣うことで解消できますが、難しいと考えられがちなのが、ハラル対応のメニュー。基本的に「豚肉(豚由来のエキスなども含む)」と「アルコール」が入っているものはNGであるため、食材はもちろんのこと、調味料にも注意を払わなければなりません。また、仕入れや調理器具の扱いにも特殊なルールがあり、気をつける必要があります。しかし金子さんは、ハラルを取り入れること自体はそこまで難しくないと教えてくれました。

「現在、ハラル対応の食材はかなり多く出回っていますし、当店では全ての食材をハラル対応のものにしているので、調理器具などをハラル以外の食材と別にしなければならないということもありません。扱いとしては普通の飲食店とあまり変わらないかもしれませんね」。

『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』ではもともと、ソースなどはハラル対応の既製品を取り寄せていましたが、今年からさらにスムーズにハラル対応できるよう、全てのメニューを一から作るように変更したのだそう。既成品はハラル対応をうたっていても、入っているものに確実な保証がありません。混ぜ合わせている調味料などに豚由来のものやアルコールが入っている可能性もないとは言い切れない部分があります。

だからこそ、自分たちの手で作ることを選んだ同店。現在は提供しているパンなども手作りであり、小麦粉や牛乳、動物由来のものを使わずに作っているといいます。手間をかけて作っているメニューですが、「パンやソースを作るのは、他のレストランでも一般的なことではないでしょうか」と金子さん。前知識さえきちんと持てば、作業自体は普通の飲食店と何ら変わらないと教えてくれました。

料理は目でも楽しめるよう、盛り付けにも工夫を凝らしている。

外国の文化に寄り添い、食事を工夫する

外国人客とのやり取りで印象的だったことを伺ってみると、「味付けや盛り付けのことでしょうか」と金子さん。喜ばれると思って盛り付けに工夫をしてみても、日本人客は喜んでくれるけど、他国の人にはあまり喜ばれないこともあるのだそう。例えばインドネシアの方は生野菜を食べないことが多く、飾りで鮮やかな野菜やエディブルフラワーを添えても、あまり好まれないのだといいます。

味付けの面では、アジア圏で好まれている「チリソース」をかけたいと頼まれることが多く、店に用意しているとのこと。しかし、チリソースをたっぷりかけてしまうと店の料理の味わいを感じてもらえないのではと考え、ベジタリアンやハラルなどの対応以外にも、「外国人客に合わせた味付け」も考えるようになったといいます。

「最近はパテに香辛料を入れるなどして、外国人向けに味付けを工夫しています。チリソースが必要ない味付けを心掛けてみたところ、前よりそうした注文を受けることがなくなりました」。

異文化を持つ外国人観光客は、日本人にとって意外な食文化を持っていることも多いもの。しかし、お客様一人ひとりの食生活や文化に向き合うことで寄り添うことができると金子さんは教えてくれました。ますますインバウンドが注目される昨今。外国人客の集客を考えている店舗は、
『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』の試みを参考に、対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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『SEKAI CAFÉ ASAKUSA』
住所/東京都台東区浅草1-18-8 大番ビル1F
電話番号/03-6802-7300
営業時間/日~木10:00〜20:00、金土祝前日10:00〜22:00
定休日/不定休

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