資金ゼロで飲食店の開業は可能?情報収集と物件選びで初期費用を抑えよう
2021年11月9日

必要な初期費用は、「開業資金」と「運転資金」
飲食店の開業の必要な資金は、大きく「開業資金」と「運転資金」に分けられます。開業資金は、開業時のみ必要となる資金です。店舗物件の取得にかかる費用、内外装工事費、備品購入費などが含まれます。運転資金は、開業してから経営が黒字化するまでの赤字を補てんする費用。多くの飲食店が軌道に乗るまでに半年かかることから、6カ月分の資金を準備すべきとされています。■開業資金
物件取得費用として、補償金、礼金、仲介手数料など家賃の12カ月以上。また店舗初期投資費用として、内装塗装工事費、設計・デザイン料、厨房・レジなどの設備費、食器などの備品購入費、工事期間の家賃、スタッフ募集や販促の広告費など、店舗の規模により異なりますが20坪の店なら1000〜1500万円ほどが必要です。■運転資金
経営が黒字化するまでの赤字補てん費用、また経営が黒字化するまでの生活費をそれぞれ月経費・生活費×半年分を用意しておきます。
開業資金を抑える方法は?
上記のように、飲食店開業には多くの初期費用がかかり、実際には、資金ゼロでの開業はほぼ不可能です。しかし、初期費用をできるだけ抑える方法はたくさんあります。開業資金を抑える方法を考えてみましょう。■資金の借入
現在は金利が低いので、資金借入は有力な選択肢。日本政策金融公庫は個人・小口の融資を申請できる金融機関で、多くの飲食店開業者が利用しています。融資にあたっては審査があり、事業計画のほか、自己資金額も評価対象です。ほかに家族などから借入する場合もあります。■「居抜き」など割安な物件を探す
居抜き物件とは、前の店舗の設備や内装そのままで市場に出ている物件です。飲食店の居抜き物件では、設備・家具・内外装などを引き継ぐことにより初期費用を大幅に抑えることができます。ほかに小規模物件に絞って探す・自宅を店舗に改装するなどの方法もあります。■マッチングサービスやDIYで内外装費用を抑える
まず、あらかじめ予算を決めてデザイン会社・工事会社を探してみましょう。マッチングサービスを利用すれば、多くの施工会社のなかから「設備・家具を中古市場から調達」「簡単な工事はDIYで経費削減」などを提案してくれる会社を見つけることも可能です。■国や自治体の創業支援制度・移住支援を利用する
多くの自治体に個人起業を支援する部課があり、飲食店開業であれば地元商店街の物件紹介、金融機関に提出する事業計画書作成サポートなどを行っています。さらに、必ずチェックしたいのが国や自治体の助成金制度。東京都の場合は、東京都中小企業振興公社が飲食店事業者向けの支援事業を実施しているほか、多くの区市にも助成制度があります。一方、地方では移住促進事業や若者支援の一環で起業支援や住宅支援を行っていることも。各種制度は自治体によって違い、年度ごとの変更もあるので、必ず個別に問い合わせて確認してください。さらに、自分が開業したい飲食店のプランとうまくマッチするなら、店主が事業譲渡を試みるM&A物件、空き時間に店舗の一部を活用させてもらう間借り営業やシェアレストランなどを検討しても良いでしょう。
情報収集は節約に役立つが、一番重要なのは自分のプランを実現すること
初期費用をおさえるためのさまざまな方法をご紹介しました。リスクをおさえるという観点からもこのような情報を収集することは役立ちます。ただし、一番大事なのは自分が本気でやりたい飲食店のプランです。それを実現するため、検討の結果「やはりまとまった資金が必要」という結論になることもあります。目標からブレることなく進むことが最も重要といえるでしょう。
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