飲食店のブラックなイメージはどこから? ホワイトな飲食店になるためのポイントを解説
2025年7月29日

飲食業の仕事は、土日や夜も含めた長時間労働でありながら賃金は高くないといった、どちらかというと「ブラック」なイメージ。今回は、そもそもなぜ飲食業はブラックなのか、ホワイトな職場にするにはどうすればいいのかを解明し、集客力があり成長できるお店作りのヒントを紹介します。
飲食店の仕事はなぜブラック?4つのポイント
求職者が飲食業界を避けがちなのはなぜでしょうか。「飲食店の仕事はブラック」というイメージの根本原因を整理します。
(1)土日・夜間の勤務が多く、長時間労働になりがち
飲食店に勤務するなら土日・夜間の勤務は避けられず、深夜まで働くことも珍しくありません。友人や家族と休みを合わせにくい不便さや、総労働時間が長くなりがちなことが敬遠される一因です。
(2)門戸は広いが離職も多い
飲食業界は常に人手不足です。求職者に学歴や特別なスキルがなくても採用されやすく就業しやすい反面、仕事が楽ではないため離職者も多いのが現状です。人手が足りなくなった現場では、残されたスタッフがさらなる長時間労働を強いられる悪循環も起こりがちです。
(3)正社員が少なく、労働条件が改善されにくい
店長1人が正社員で、その他は全員アルバイトという店舗も少なくありません。正社員比率が低い職場では、アルバイトスタッフの労働条件が改善されにくい傾向にあります。
(4)カスハラやノーショウが「働きやすさ」の障害になる
日々来店するお客を大切にしなければならない飲食店では、お客から人格否定などをされる「カスハラ」(カスタマーハラスメント)や、予告なしに予約時間に現れない「ノーショウ」といったトラブルに見舞われることもあります。これらは従業員のストレスとなり、職場全体の雰囲気を悪化させる要因となります。

飲食店がホワイトな職場になるための3つのアクション
料理やサービスといった飲食の仕事が好きで、自分の夢をかなえたいと考える人は少なくありません。
そうした人たちがキャリアの途中で離職することなく働き続け、飲食業全体が盛り上がっていくことが理想です。
ブラックになりがちな飲食店の職場環境をホワイトに改善していくためには、以下のようなアクションが有効です。
(1)賃金を上げることが最も重要。物価高の今がチャンス
土日や夜間の勤務、長時間の労働であっても、見合う報酬が得られれば従業員の納得感は高まります。
賃金が上がれば離職率が下がり、新たな人材の採用コストを削減できます。また、楽しく働ける職場になれば一人ひとりの生産性も向上するでしょう。
現在の物価高は消費者にとっては逆風ですが、事業者にとっては値上げしやすい追い風ともいえます。もちろん、仕入れ単価も上昇しているため簡単なことではありませんが、価格改定と合わせて可能な限り賃上げを進めましょう。
(2)福利厚生や正社員ルートを整備してやりがいアップ
週休2日の確保、実績評価と昇給制度の整備、福利厚生の充実などを推進し、より楽しく安心して働ける職場へと改善を図りましょう。また、アルバイトから正社員への登用ルートを明確にし、やりがいを持って長く勤めたいと思える職場を目指します。育児休暇、介護休暇などを充実させれば飲食店のイメージアップにも効果的です。
(3)助成金なども活用したDXを推進
人件費率を下げるためのDXも欠かせません。モバイルオーダー、キャッシュレス決済、配膳ロボットなどはすでに導入が進んでいます。今後の選択肢としては、AIによる仕入れやシフト管理、SNSマーケティング、最新厨房設備による省力化などが考えられます。
今後も人手不足が続くなか、飲食店ホワイト化は必要不可欠
ここまでお話しした賃金改善、福利厚生の充実、そしてDX推進は、単に従業員の働きやすさを高めるだけの話ではありません。これらは、人手不足が続く飲食業界で、あなたの店がお客様に選ばれ、活気あふれる職場として、さらなる成長を実現するための重要なヒントとなるはずです。
たとえば、『ブックオフ』を業界ナンバー1にした坂本孝社長が次に手掛けたのは『俺のイタリアン』に始まる『俺の』シリーズ。そのコンセプトは、料理人はじめ全従業員の幸せの追求です。同社は「従業員ファースト」を起点とする飲食業の成長というモデルを提供してくれました。このような考え方は、今後も人手不足が続く飲食業界に欠かせないものかもしれません。お客様に食の楽しみを提供して笑顔にするために、従業員の笑顔も増やしていきましょう。
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