個人経営の強みを活かし、熱意ある独立希望者の採用に取り組む
お店との相性が重要。だからハードルは下げ過ぎない
―――夏にオープンから14周年を迎えます。人材面でこれまでにどんな課題がありましたか?
アルバイト人材には恵まれているのに対し、社員はなかなか採用できないという課題が常にあります。そもそも飲食業界で社員の採用が難しい中、私たちのような個人経営の店では待遇面で弱いこともあり、社員採用はさらに厳しいのだと感じていました。
―――では社員の採用を目的に、飲食店.COMの求人サイトを活用されているのでしょうか?
そうですね。同業者の知人に「求人@飲食店.COM」を紹介され、試してみようと思いました。
「独立志向の方向け」や「個人経営のお店」といった特集を組むなどして、飲食業界で働きたい方に特化した発信をしていますよね。一般的な求人媒体とはかなり異なるな、というのが第一印象でした。
私たちの店は、向上心を持っていて、「技術を高めたい」、「将来は独立をしたい」という方々と相性が良いと思いますし、そういった方々と一緒に仕事をしたいと考えるため、「求人@飲食店.COM」はマッチするのではないかと期待できました。
はじめて掲載をしたのは2019年でした。非常に反応がよかったです。応募数はとても多かったですし、面接もできました。採用した方は長期雇用までは至りませんでしたが、たくさんの方が見ている媒体なのだと感じました。
―――実際に、「新卒」「未経験」「若手OK」「質の良い指導ができる」「着実に成長できる環境」といったキーワードを大切にした打ち出しをされていますね。
独立志向の方に向けた掲載内容にして他店と差別化を図っています。写真は、スタッフが働いている様子などではなく、店の雰囲気がわかるものや料理を載せています。応募者が自分の方向性を考えるときのひとつの情報になると考えたためです。
的を絞れば、当然、応募者をふるいにかけてしまいます。ですが、来てほしいからと都合よくハードルを下げて、よいことばかりPRしても、雇用関係は続かないと思います。だから、店の相性とバランスの取れた打ち出しを心掛けています。
サービスの精度を高めるため、 自分で考え、判断して動ける人材に育成
―――採用後はどういった人材育成をしているのでしょうか?
私たちの店が目指すのは、店舗展開などではなく、今いるお客さまにもっと喜んでいただくために精度をあげていくことです。そのため、お客さまの満足度と深く関わる「サービスの精度」を重要視しています。
また、コロナ禍を経験し、いらっしゃったお客さまから「元気だった?」「久しぶりになっちゃった」「やっと来られた」といった言葉をいただくシーンが増えました。心配してくださっている気持ちが伝わってきて、とても嬉しく思いました。私たちの店を選んでくださったのだから、気を引き締めて、これまで以上に期待に応えていきたいという気持ちが高まり、改めてサービスの精度を考えることが最近は増えています。
お客さまに対してきちんとした言葉で話す、料理をていねいに運ぶといった基本を身に付けた上で、スタッフ皆で考えて動けるように教育に取り組んでいます。サービスは決められたこともやりますが、形になってしまってはいけません。状況によって必要なことは変わるので、それをきちんと自分で考え、判断できる力をつけて欲しいのです。今いるスタッフたちは柔軟に対応してくれているので、とても有難いです。
ソムリエ資格の取得を希望する場合、サポートをしています。一緒に勉強し、わからないことがあれば教えます。テイスティングも大事なので、できるようにしています。
―――今後はどんな店舗づくりをしたいと考えていらっしゃいますか?
サービス面が重要になると考えているため、意欲がある人、サービス面に関心の高い人などを積極的に採用していきたいです。
緊急事態宣言中はテイクアウトを行いました。今は通常営業に重きを置いているのでテイクアウトはやっていませんが、「家でも食べたい」「テイクアウトまたやらないの?」といったお声をいただきます。人材を増やせれば、こうした要望にも応えながら、売上を作ることもできるので、人材確保には力を入れていきます。
また今後、より応募を獲得していくためにも、待遇面の条件は見直さなければいけない状況だと感じるため、改善にも前向きに取り組んでいく予定です。
―――ありがとうございました!今後も「求人@飲食店.COM」をよろしくお願いいたします。