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「自家製」メニューはどこまでできる? 取扱い方と注意点を紹介
「自家製」と名の付く料理やドリンクは、「身体によさそう」「美味しそう」といった印象を与えやすいメニューです。特に女性客の心を掴みやすく、取り入れたいと考えている店舗も多いのではないでしょうか。今回は「自家製メニュー」の取り入れ方や注意点をご紹介します。

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自家製でできるメニューの種類とメリット・デメリット
飲食店における「自家製」とは既製品を仕入れるのではなく、その店舗独自で作っている料理やドリンクを指します。よく耳にするのは、「麺」「ドレッシング」「ドリンク」「スープ」「バンズ」などでしょう。
自家製メニューを提供するメリットは、さまざまにあります。例えばその店らしい個性のある味を提供できることや、他店との差別化が図れることなどが挙げられるでしょう。また、場合によっては経費を抑えることも可能です。原材料費だけで済むため、既製品よりも安価に済ませられる可能性があります。
一方でデメリットとしては、人件費、製造スペースの地代家賃、器具を使う場合はメンテナンス費用などがかかるため、購入する場合と比較して割高になる可能性があることが挙げられます。また、特に麺類やパンなどは発酵を必要とするなど、時間や手間が大幅にかかってしまうこともあるでしょう。自家製メニューにする料理やドリンクは、これらの手間やコストを考えつつ検討することをおすすめします。
自家製ドリンクの注意点。カクテル、梅酒はOKでもサングリアはNG?
飲食店でよく見かける自家製のドリンクの数々。個性を出すにはとても良いアイデアですが、注意点がいくつかあります。特に、お酒類の提供は酒税法でルールが決まっているため、違反しないように気を付けなければなりません。
■「消費の直前」に作るお酒は基本的にOK
酒税法では、お酒に何かを加える行為を「新たなお酒を作っている」と見なし、違法行為(みなし製造)と捉えます。しかし、「消費の直前に混和する場合」という条件を満たすことで提供することが可能に。例えば、その場で作ったカクテルの提供は問題ありません。
■梅酒は条件を満たすことで提供できる
直前に作れない梅酒は条件としてあてはまりませんが、例外として提供できるお酒です。租税特別措置法第87条の8「みなし製造の規定の適用除外の特例」では、アルコール分が20度以上で作られたもの、1年間で1キロリットルを超えないもの、さらに蒸留酒をもとにした製造であれば、飲食店での提供は問題なしと解釈されています。ただし、事前に特例適用混和の開始申告書を提出する必要があります。
■サングリアはNGの可能性が高い
現時点の法律では、サングリアは「みなし製造」になる可能性が高いです。一晩以上漬けなければならないため直前の提供は難しく、ワインのアルコール度数はたいてい15度前後で20度以下になります。さらに梅酒のように蒸留酒でもないため、特例を受けることもできません。販売している場合は酒税法違反となり「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が処せられる可能性があるため、サングリアの提供は難しいといえるでしょう。

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自家製を販売する際は保健所の許可が必要に
自家製のものは提供する場合だけでなく、テイクアウトとして販売する際にも注意が必要です。テイクアウトのメニューは、作る食品の種類に応じた保健所の営業許可が必要になることがほとんどだからです。たとえば前述の「梅酒」は提供はOKですが、持ち帰りはNGとなっています。またドレッシングを販売したい場合は、今取っている許可の範囲内にオリジナルソースやドレッシングの販売が含まれるかを確認する必要があります。ソース製造に関する免許が必要になる場合もあるでしょう。
そのため、「自家製のものを販売したい」と思った場合は、保健所に相談をすることをおすすめします。場合によっては、最寄りの保健所の衛生課に「食品製造販売許可」を取りに行く必要もあるでしょう。また、販売後は「家庭用冷蔵庫での保管」になることを頭に入れて、お客様に保存の仕方をしっかりアナウンスすることも大切です。
自家製メニューは注意点もありますが、上手に取り入れることができれば、集客にもつなげたり、オリジナリティで他店との差別化を図ることができます。コストや作業時間も加味しつつ、できる範囲から取り入れてみてはいかがでしょうか。
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