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漁業法改正で飲食店にできること。注目のサステナブル・シーフードとは?
2020年12月に、「新漁業法」が施行されたことをご存知ですか?漁業法は、漁業権などについて定めた法律で、昨今の水産資源の減少などを背景に、約70年ぶりに大幅な改正が行われました。
そこで今回は、改正された新しい漁業法について飲食店が押さえておきたいポイントをまとめるとともに、飲食店が海の資源を守るために取り入れたい「サステナブル・シーフード」についてもお話をしていきます。
画像素材:PIXTA
「新漁業法」の施行で、何が変わる?
飲食店のなかには、新鮮な魚を使ったメニューをウリにしているところもあるのではないでしょうか? 飲食店にとって欠かせない食材のひとつである魚ですが、現在、日本の水産資源は減少傾向にあり、漁業そのものも衰退しつつあります。こうした問題に対処するために、約70年ぶりとなる漁業法の改正が行われました。
新しい漁業法では、漁業許可制度の見直しや密漁の罰則強化など、様々な事項が盛り込まれていますが、なかでも今回注目したいのが「新しい資源管理システムの導入」です。水産資源を持続的に利用していくためには、適切な資源管理が重要になります。そこで、新しい水産資源管理システムでは、「資源評価に基づき、漁獲可能量(TAC)による管理を行い、持続可能な資源水準に維持・回復させる」としています。
これまでも、サバやアジなどの一部の魚については、漁獲量管理が行われていましたが、今後は対象となる魚の種類をさらに増やし、漁獲量ベースで8割の魚が対象になるようにするとしています。また、漁獲可能量については、船舶ごとに割り当てる方式(IQ)を採用。これにより、早いもの勝ちではなく、漁業者ごとに漁獲量が割り当てられ、それぞれが計画的に漁ができるとしています。
新しい漁業法は、水産改革として期待されている反面、そもそも設定される漁獲可能量の枠が大きすぎる、漁獲可能量の割り当て方によっては小規模漁業が不利になる可能性もあるといった、問題点も指摘されています。
画像素材:PIXTA
海の未来を守る、「サステナブル・シーフード」とは?
「改正漁業法」の施行により、日本の水産資源に関する取り組みは大きく変わろうとしていますが、飲食店として水産資源の未来を見据えた取り組みはできるのでしょうか? 海の未来を考えた際に意識したいのが、「サステナブル・シーフード」の存在です。
「サステナブル・シーフード」は、資源や環境に配慮し、漁獲・養殖された水産物のことで、「MSC認証」又は「ASC認証」を取得しています。「MSC認証」は、持続可能な漁業で獲られた“天然”の水産物の証です。一方、「ASC認証」は、環境への負担をできる限り抑えて育てられた“養殖”の水産物の証です。
なお、「MSC認証」や「ASC認証」の水産物を扱うためには、CoC認証を取得する必要があります。CoC認証は、流通や加工の過程で、認証された水産物とそうでない水産物が混ざってしまうことを防ぐとともに、製品のたどってきた経路を遡ることができるようトレーサビリティを確保する仕組み。認証された水産物が製品化される間に、CoC認証を取得していない業者が含まれていると、MSCやASCのラベルを付けられないようになっています。
水産資源については、漁業に直接携わる人だけが考えなければいけない問題ではありません。飲食店がこれからも美味しい魚をお客さんに提供していくためには、一人ひとりが水産資源のあり方について考えていく必要があると言えるでしょう。
昨今、サステナブルな取り組みに関心を持つ人が増えていることもあり、飲食店のなかには、「サステナブル・シーフード」を使った料理を取り入れる動きも出てきています。食材の選択肢のひとつとして、「サステナブル・シーフード」を使うことも考えてみてはいかがでしょうか?
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