飲食店が地域の野菜を使うメリットとは？ “地消地産”の考え方にも注目

地元で生産された農産物などをその地域で消費する地産地消の取り組みは、さまざまな飲食店で実践されています。野菜を仕入れる際、その地域で採れた特産野菜や伝統野菜を積極的に選んでいる飲食店もいるのではないでしょうか。そんな地産地消と併せて注目したいのが、「地消地産」という考え方です。どちらも似た言葉のようですが、その意味は異なります。そこで今回は、各地で生産されている特産野菜・伝統野菜や、それらを飲食店が使うメリットを紹介しつつ、地消地産についても解説します。

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地域の風土などに根ざした特産野菜や、古くから生産されてきた伝統野菜が全国各地で生産されています。ここでは、さまざまな地域の特産野菜や伝統野菜をピックアップしてご紹介します。

■江戸東京野菜／東京都
東京都では、昭和中期ごろまでの在来種や在来の栽培法等に基づく野菜を「江戸東京野菜」と定義しています。徳川綱吉が食べたとされる練馬ダイコンや、1メートルもの長さがある滝野川大長ニンジンを始め、50種類もの野菜が登録されています。

■京の伝統野菜／京都府
「京の伝統野菜」は、“明治以前に導入されたもの”、“京都府内全域が対象”、“栽培または保存されているもの及び絶滅した品種を含む”など5つの定義に基づいた野菜です。現在、九条ねぎや加茂ナス、伏見とうがらしなど37品目が選ばれています。

■加賀野菜／石川県
昭和20年以前から金沢で栽培されている野菜を「加賀野菜」と定義。加賀太きゅうりや金沢一本太ねぎ、源助だいこんなど15品種が認定されています。加賀野菜は、一般的な野菜とは異なる独自の味わいを楽しむことができます。

地域で生産されている伝統野菜や特産野菜に興味がある方も多いと思いますが、飲食店が地域の野菜を使うことにどのようなメリットがあるのでしょうか。

■鮮度が高い
お店から近い地域で収穫された野菜は、輸送の手間が少なく、鮮度も抜群です。新鮮な野菜を使ったフレッシュな料理をお客さんに提供することができるでしょう。また、輸送距離が短いということはそれだけ環境に与える影響も少なく、地球環境に配慮することにつながります。

■安心・安全
地元の野菜を使う場合、生産者と直接契約を交わして野菜を仕入れるケースも多いです。直接契約をするということは、生産者から直接話しを聞くことができるということ。どんな人がどんな場所で、どんな風に育てた野菜なのか把握できるため、安心感が高まります。

■他店との差別化や集客
地域で生産されている野菜を使っていることをアピールすることで、他店との差別化を図ることができます。また、地域で採れた野菜を使うことはお客さん側にとっても魅力的。上手く活用することで集客効果も期待できるでしょう。

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地産地消と地消地産は、どちらも同じ言葉のようですが、その意味は違います。地産地消は、地元で生産された農産物などをその地域で消費するという考え方ですが、地消地産は、地元で消費される農作物などをその地域で生産するという考え方。生産と消費のどちらを始まりにしているかという点に違いがあります。

地消地産では、地域外から調達していたものを地域内で生産することにより、地域内で経済を循環させていくという考え方が大切です。飲食店としては、地域内で生産されている野菜を積極的に使うようにしたり、地域外から仕入れている野菜を地域内で生産されているものに切り替えていったりすることが地消地産への取り組みへとつながるでしょう。

地方自治体のなかには、地産地消や地消地産に取り組む飲食店を支援しているところも少なくありません。地産地消や地消地産に興味あるという飲食店は、まずは、地域の取り組みや、身近な場所で生産されている特産野菜・伝統野菜などについて調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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