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「トマトショック」が飲食店の仕入れに影響か。 トマト加工品の値上げが続く
ポピュラーな野菜として、さまざまな料理に使われている「トマト」。そのまま使うのはもちろん、トマトケチャップやトマトソース、トマトジュースといった、加工されたトマト製品を使っている飲食店も多いのではないでしょうか。
実は今、こうしたトマト加工品の値上げが相次いでいます。このような状況は「トマトショック」と呼ばれ、飲食店の仕入れにも影響が出る事態となっています。そこで今回は、「トマトショック」について解説をします。
画像素材:PIXTA
ケチャップなど、トマト加工品の値上げが相次ぐ
「帝国データバンク」が発表した食品の値上げ動向によると、2月は1626品目が値上げを実施しました。1000品目を超えるのは4か月ぶりとのことですが、2023年2月の値上げ品目数が5639品目であったことを考えると、落ち着きを取り戻しつつあるように見えます。
しかし、そうした中でも目立っているのが、トマトケチャップやトマトジュースといった、トマト加工品の値上げです。実は、原材料の高騰などを背景に、トマト加工品の値上げが相次いでおり、「トマトショック」と呼ばれる事態になっています。
カゴメ株式会社では、2月1日からトマト加工品など一部の商品について価格改定を実施。家庭用だけでなく、業務用の商品も対象となっています。トマトを始めとする農作物原料の高騰や資材費の上昇が理由で、業務用のトマトケチャップやトマト調味料類、ソースといった食品は最大13.8%、トマトジュースや野菜飲料などの飲料は最大34.2%の価格引き上げが行われます。
また、キッコーマン食品株式会社でも、原材料高騰のため、4月1日からデルモンテブランドのトマト調味料や飲料などの価格を改定することを発表しています。具体的には、トマトケチャップやトマトソースといったトマト調味料は約7~15%、トマトジュースや野菜ジュースなどの飲料は約5~23%価格が引き上げられる予定です。
キャプション/画像素材:PIXTA
世界的な猛暑を背景にした「トマトショック」
今回の相次ぐトマト加工品の値上げの原因となっているのが、「猛暑」の影響です。世界的に猛暑となったことでトマトが不作となり、トマト加工品の価格が上昇する「トマトショック」と呼ぶべき事態になりました。
日本でも昨年、記録的な猛暑が続いたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。さまざまな作物の価格が高騰しましたが、トマトも甚大な影響を受け、秋にかけて高値で推移していました。
飲食店にも大きな影響が出ており、大手ファストフードチェーンの『サブウェイ』では、2023年10月25日に、トマトの確保困難を理由に、一時的にトマト増量サービスを休止する事態になりました。※現在は、原料確保の目処がたち、トマト増量サービスを再開しています。
生のトマトの価格は落ち着くも、今年も猛暑予想
上記のように、飲食店に大きな影響を及ぼした生のトマトの値上げですが、現在は、価格が落ち着きを取り戻しています。しかし、注意したいのが、今年の夏も昨年と同様に猛暑が予想されているということです。猛暑が続くことになれば、再び生のトマトの価格が上昇する可能性があります。
トマトは業態を問わず使われている食材ですから、メニューに欠かせないという飲食店も多いと思います。しかし、トマトに限らず、野菜は天候の影響を受けやすい食材です。とくに近年は、地球温暖化などにより、世界中で猛暑や豪雨などの異常気象が発生する事態となっています。
そのため、トマトを始めとする野菜の価格上昇が昨年だけの特別な出来事であると思わないようにした方が良いでしょう。今後も天候の影響による食材の価格上昇は起こると想定し、飲食店はあらかじめ対策を練っておくと安心です。
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