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牡蠣の「生食用・加熱用」の違いとは? 飲食店での安全な提供方法と食中毒リスクを解説

画像素材:PIXTA

寒さが深まりつつあり、牡蠣が旬を迎える季節となりました。冬の人気食材として、牡蠣メニューで集客アップを狙いたいところですが、ノロウイルスなどを原因とする食中毒のリスクも軽視できません。

本記事では、牡蠣の生食用と加熱用の違いや、安全な取り扱いのポイントなどを解説します。お客様に安心して冬の味覚を味わってもらうための管理方法として、参考にしてください。

牡蠣は冬の人気食材である反面、食中毒のリスクが

11月から4月頃までおいしく味わえる牡蠣は、冬のごちそうの代表格です。旬を迎えた牡蠣は旨味が格別ですが、注意すべきなのがノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒といった食中毒のリスクがある点です。

・ノロウイルス
<発生時期> 冬 (11-3月)
<主な特徴と対策> 感染力が強い。中心部85-90℃で90秒以上の加熱で失活。

・腸炎ビブリオ
<発生時期> 夏 (8-10月)
<主な特徴と対策> 真水に弱い。調理前の水洗いと低温保存(10℃以下)が必須。

・貝毒
<発生時期> 春 (3-5月)

<主な特徴と対策> 加熱しても毒は消えない。 規制海域の情報を仕入れ時に確認する。

冬の牡蠣はノロウイルスや腸炎ビブリオへの警戒が必要です。飲食店で万が一お客様が牡蠣にあたれば、築き上げてきた信用を一瞬で失いかねません。牡蠣を安全に提供するには、どのような管理を徹底すべきなのでしょうか。


牡蠣による食中毒を未然に防ぐ安全管理マニュアル

■仕入れた牡蠣の状態をチェック
調理前に、牡蠣の身の状態を丁寧に確認しましょう。弾力がない、形が崩れている、溶けかかっている、光沢が失われ黄色く変色しているなどの状態だと、傷んでいる可能性があります。生臭さが強いものやミルクが腐ったような臭いを放つものも、使用を避けるべきです。

■加熱調理の目安
牡蠣には加熱用と生食用があり、加熱用は必ず中心部までしっかりと火を通すことが重要です。前述の通り、食中毒原因として最も多いノロウイルスは中心部85〜90℃で90秒以上の加熱が必要です。また、腸炎ビブリオも60℃・10分以上の加熱で死滅するため、ノロウイルス対策の基準(90℃到達)を守れば同時に対策可能です。

牡蠣の大きさや加熱方法にもよりますが、中心部が90℃に達するまでの目安が10分~15分です。ノロウイルスの加熱基準を守ることで、腸炎ビブリオ対策も同時に行えます。

■二次汚染を防止!調理器具の衛生管理
まな板や包丁は、牡蠣専用のものを使用し、他の食材と使い分けましょう。野菜など生で食べる食材は、牡蠣よりも先に切っておくと二次汚染のリスクを減らせます。調理器具やふきんは洗剤でしっかり洗浄したあと、熱湯(85℃以上で1分以上)や次亜塩素酸ナトリウムで念入りに消毒をしてください。

■手指を清潔にして感染を徹底予防
調理用の手袋を使用することで、牡蠣を扱う際の感染リスクを大幅に減らせます。牡蠣に触れたあとや調理後は、石鹸でしっかり手を洗ったうえで、消毒も行い二重に予防しましょう。

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「生食用」と「加熱用」は何が違う?

■鮮度による区別ではなく、違うのは「獲れる海域」
牡蠣の生食用と加熱用は、鮮度ではなく、獲れる海域によって分けられています。生食用になるのは、保健所が指定した、汚染リスクの低い海域で育った牡蠣です。定期的な水質検査にクリアした海域のものだけが、生食用として出荷されます。

一方の加熱用は、指定外の海域で獲れた牡蠣。旨味が濃く栄養は豊富ですが、生で食べるのには適していません。海域の指定がない県では、浄化後に厚生労働省の定める「生食用かきの規格基準」を満たしていれば、生食用として扱えます。

■生食用でもリスクはゼロではない
生食用はあくまで「食中毒のリスクが低い」とされる基準を満たしたものであり、リスクがゼロになるわけではありません。食中毒への抵抗力が弱い、体調が優れないお客様、ご高齢のお客様、お子様には、生食での提供を控えるか、加熱調理したメニューをおすすめするなど、慎重な対応が求められます。

■加熱用を選ぶメリット
生食用は出荷前に2~3日の滅菌浄化を行う過程で牡蠣が断食をするため、身が細くなり水っぽくなる場合があります。生の牡蠣はのど越しがなめらかで格別ですが、生食用の牡蠣は旨味や栄養成分が加熱用と比較して控えめなことが多いです。

一方、加熱用の牡蠣は、栄養分が豊かな河口や沿岸で育つため、味が濃く身がふっくらしていて栄養豊富なのが特徴です。一定の検査はきちんと行うものの加熱用は滅菌浄化の必要がない分、コストもリーズナブルになる傾向があります。

加熱調理だからこそ、カキフライや鍋、クラムチャウダーなどメニューのバリエーションが広がり、濃厚な旨味を存分に楽しめます。

■信頼できる仕入れ先を選ぶには?
安全管理は仕入れの段階から始まっています。信頼できる業者とは、単に新鮮なだけでなく、表記が義務付けられた「どの海域で獲れた牡蠣か」を明確に提示できる業者を指します。特に生食用を仕入れる際は、保健所の指定海域の表示があるか、または適切な浄化処理を経ているか(滅菌浄化の履歴など)を確認できるとより安心です。

安全を守るための知識が、お客様からの信頼と売上につながる

牡蠣のノロウイルスは内臓に蓄積されており、完全に取り除く浄化技術は残念ながらまだありません。ただし、安全な海域や信頼できる業者をリサーチして仕入れ、衛生管理と加熱調理を徹底することで、食中毒のリスクを大幅に抑えられます。

安心・安全な牡蠣メニューの提供がお客様からの信頼につながり、冬季の集客力と売上を押し上げることでしょう。

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