「食べログアワード2019」授賞式、吉高由里子「全部ワンスプーンで食べたい」
「ベストホスピタリティ賞」に選ばれたのは『レフェルヴェソンス』
接客面が優れているという評価において、ユーザーからの投票が最も多かったお店を選出する「ベストホスピタリティ賞」は、東京・西麻布のフレンチレストラン『レフェルヴェソンス』が受賞した。店を代表して壇上に上がったディレクターの青島壮介さんは、禅の心でレフェルヴェソンスのダイニングを牽引している人物。「ホスピタリティ向上のためにしていること」を聞かれ、こう答えた。
「サービスはキッチンが作ってくれた料理を説明するのが仕事。自分の説明を自分で見ることはできないので、接客のロールプレイングを動画で撮ってチェックしてから、現場に入るということをしています」
プレゼンターの本田直之さんは、「サービスも素晴らしいんですけど、キッチンの方も笑顔なのに驚きました。なかなかそこまでできないじゃないですか」と『レフェルヴェソンス』のホスピタリティを称賛した。
都心以外で、時間をかけてでも食べにいく価値のある店
「都市部以外のエリアにあるお店のうち、時間をかけてでも食べに行く価値がある店」として、東日本・西日本から1店舗ずつ選出される「ベストリージョナルレストラン賞」は、静岡の『てんぷら 成生』と福岡『天寿し 京町店』が受賞した。
『天寿し』は、80年の歴史を誇る福岡の老舗。九州近海の地物を使い、仕上げにカボスをふりかける「九州前」と呼ばれる独自のスタイルを貫いている。店主の天野功さんは、「九州から選んでいただいてありがたい。若い方たちにも注目されるように、地方でも頑張っていきたい」と話した。
栄えある「Gold」受賞店
食べログアワードの頂点である「Gold」受賞店に輝いたのは以下の通り(50音順)。
『アカ』(京都府/スペイン料理)
『飯田』(京都府/日本料理)
『エクアトゥール』(東京都/フレンチ)
『緒方』(京都府/日本料理)
『カセント』(兵庫県/スペイン料理)
『カンテサンス』(東京都/フレンチ)
『銀座 しのはら』(東京都/日本料理)
『茶禅華』(東京都/中華料理)
『旬席 鈴江』(京都府/日本料理)
『SUGALABO』(東京都/イノベーティブ・フュージョン)
『鮨 一幸』(北海道/寿司)
『すし 喜邑』(東京都/寿司)
『鮨 さいとう』(東京都/寿司)
『鮨 さかい』(福岡県/寿司)
『すし処 めくみ』(石川県/寿司)
『CHIUnE』(東京都/イノベーティブ・フュージョン)
『天寿し 京町店』(福岡県/寿司)
『鳥しき』(東京都/焼鳥・鳥料理)
『にい留』(愛知県/天ぷら)
『にくの匠 三芳』(京都府/日本料理)
『日本橋蛎殻町 すぎた』(東京都/寿司)
『日本料理 たかむら』(秋田県/日本料理)
『東麻布 天本』(東京都/寿司)
『ペレグリーノ』(東京都/イタリアン)
『ボニュ』(東京都/フレンチ)
『本湖月』(大阪府/日本料理)
『松川』(東京都/日本料理)
『三谷』(東京都/寿司)
『柳家』(岐阜県/日本料理)
『レフェルヴェソンス』(東京都/フレンチ)
傾向としては寿司を中心に、和食の店が多く選ばれた。天ぷらの名店『にい留』は初ノミネートでGoldを受賞。『鳥しき』や『カンテサンス』『銀座しのはら』『ペレグリーノ』などは3年連続でGoldを受賞し、根強い人気を感じさせた。毎年Goldを受賞しながらも授賞式に参加できないこともある『鮨さいとう』の斉藤孝司さんの姿を認めると、司会の渡部さんから「今日はどうしたんですか?」とツッコミが入る一面も。斉藤さんが「友達がいないので、作りにきました」と返答すると、会場は笑いに包まれた。
受賞者の顔ぶれには、東京以外で活躍する料理人の姿も目立った。大阪の『本湖月』は、同業者が尊敬する料理人を選ぶ「シェフズチョイス」にも選ばれ、存在感を示した。店主の穴見秀生さんは「できることなら、5年後の75歳まで包丁を握りたい。75歳になりますと、ちょうど料理人になって60年となるので、区切りがいいかなと思います」と話した。
トロフィー授与後、感想を求められた吉高由里子さんは、壇上の受賞者を見渡し、「(すべてのお店の料理を)ワンスプーンで食べたい!」とにっこり。お茶目な言葉で会場を沸かせた。渡部建さんは「今回ここに来られなかった店でも素晴らしいところはたくさんありますが、受賞者の方々の『選ばれる力』は本当にすごいと思います」という言葉で授賞式を締めくくった。