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飲食店でのネズミ対策はどうしたらいい? ネズミがいるサインや店舗でできる対策を解説

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飲食店にとって衛生面での脅威となるネズミ。ネズミのような害獣が発生すると、食中毒の原因となり、場合によっては営業停止となることも考えられる。今回は、飲食店でネズミが発生したときの影響や、ネズミ対策について解説する。

ネズミによる飲食店の被害とは?

飲食店にネズミが発生すると、店舗の衛生面に限らず多岐にわたって影響が及ぶ。以下では、その影響について紹介する。

・食材への影響
飲食店におけるネズミの影響で最も深刻なのは食材への影響だ。ネズミは雑食性であり、飲食店に存在するあらゆる食材がかじられる可能性がある。食材がかじられてしまった場合、廃棄するしか手段はない。さらに、ネズミが接触した食材を使用すると、サルモネラ菌などによる食中毒のリスクもある。飲食店で食中毒が発生すると、営業停止処分などの重大な影響にもつながる。

・備品・店内への影響
ネズミの歯は1日に0.5ミリメートル伸びるといわれており、歯を削るためにさまざまなものをかじる習性がある。特に硬いものをかじるため、壁などに傷がついたり穴が空いたりしてしまうことも。電気コードやガスホースをかじることもあり、そこから漏電や火災を引き起こす場合もある。また、調理器具などの備品にネズミが触れることによって、店内に病原菌を広げてしまう可能性もあることに注意したい。

・評判への影響
ネズミが出ると、店舗の評判にも悪い影響がある。ネズミは警戒心が強く、その姿を見せることは少ないが、実際に客がネズミを目にすれば悪評が広まってしまう可能性もある。また、ネズミが出るような店舗は、衛生面でも問題があることが見た目でわかる場合も多い。普段から衛生面に気をつけるようにする必要があるだろう。

ネズミがいる「ラットサイン」とは?

ネズミはなかなか目にすることはないが、店舗にネズミがいるかどうかは「ラットサイン」で確認できる。ラットサインとはネズミが残した痕跡のことで、主に「黒いこすり跡」「ネズミの足跡」「ネズミのふん」「かじられた跡」がある。これらが見られるとネズミがいると考えられるので、すぐに対策が必要だ。

・黒いこすり跡
ネズミがいると、柱や壁の隅に黒いこすり跡が見られることがある。ネズミは壁などに体をこすりつけて隅を移動する習性があり、何度もネズミが通るとその箇所は黒い汚れが目立つようになってくる。

・ネズミの足跡
ネズミの足跡は見つけにくいが、ホコリがたまった場所をネズミが通ると、その足跡が残っている場合がある。

・ネズミのふん
ネズミは移動しながらふんをするため、ネズミの通り道には細長いふんが落ちていることが多い。ネズミの種類によってふんの大きさは異なるが、小さいもので4ミリメートル程度、大きいもので20ミリメートル程度になる。ふんには病原菌が含まれていることがあり、見つけた場所の消毒が必要だ。

ネズミのふん 画像素材:PIXTA

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・かじられた跡
ネズミは硬いものをかじる習性がある。食材だけでなく、柱や壁、コードにかじられた跡があれば、ネズミがいると考えていい。

ネズミが出入りしやすい場所とは?

ネズミは10円玉くらいの小さな隙間でも出入りできるため、店外に繋がる隙間をチェックしてみてほしい。例えば換気扇や通気孔のほか、ガス管や水道管の隙間などがある。また、壁に穴が空けられて侵入したり、トイレの配管から上がってきたりすることもある。飲食店ではグリストラップから侵入することもあるため、グリストラップの清掃はしっかりと行っておきたい。

飲食店ではどのようにネズミ対策をすればいい?

ラットサインなどでネズミがいるとわかったら、早急にネズミ対策が必要だ。最後に、飲食店でのネズミ対策について紹介する。

・防鼠工事
防鼠工事とは、ネズミの出入り口をふさぐ工事のこと。ネズミに空けられた穴や、ガス管や水道管の隙間をふさいでしまえば、ネズミが侵入することもなくなる。金網や金たわしなどの金属であればかじられずに侵入を防ぐことができる。パテや簡易セメントを使って侵入経路をふさぐのもいいだろう。

・罠
ネズミ対策の罠としては、粘着シートが一般的だ。ラットサインがあるような壁際のネズミの通り道に配置しておくと、ネズミを捕獲することができる。ただし、ネズミは仲間が捕まった姿を見て学習するため、その後は罠につかまりにくくなることもある。ネズミを捕まえたら早めに処分することが大切だ。

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匂いのする忌避剤や超音波でネズミを寄せ付けない方法や、毒餌である殺鼠剤の使用もネズミ対策として考えられるが、飲食店での使用はおすすめしない。忌避剤は店内に臭いが残り、超音波も一時的な効果があるだけで、害がないとわかればネズミは慣れてしまう。また、殺鼠剤を使って殺すことができても、どこで死ぬかはわからない。死体を処分できなければ衛生面でもさらに悪影響が出るだろう。

飲食店において、ネズミは重大な影響を及ぼす害獣であり、その頭の良さから駆除が難しい厄介な存在だ。最悪の事態、たとえば食中毒などを防ぐためには、駆除業者に依頼することも必要となるだろう。衛生面を最優先に考慮し、ネズミ対策を適切に行ってほしい。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com