飲食店のPOSレジ利用率は44％。主なメリットに「売上分析」と「業務効率化」
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基本的なレジ機能に加え、売上管理や顧客管理など、様々な機能を有する「POSレジ」。便利な機能が多く、飲食店のDXにも役立つが、実際にどの程度利用が進んでいるのだろうか。そこで今回は、弊社のリサーチサービスである「飲食店リサーチ」が実施したアンケート結果から、飲食店におけるPOSレジの利用状況を紹介する。
■調査概要
調査対象：飲食店ドットコム会員（飲食店経営者・運営者）
回答数：389名
調査期間：2023年7月3日～2023年7月10日
調査方法：インターネット調査
４割超の店舗がPOSシステム活用。うち約４割はオープン当時から
POSシステムの利用状況については、44％が「利用している」、56.1％が「利用していない」（今後は利用を検討している＝21.1％、今後も利用する意向はない＝35.0％）と回答。POSシステムを利用していない店舗が半数を超えているが、その中には「今後は利用を検討している」との回答も見られ、POSシステムの利用に前向きな店舗も多い。
「飲食店リサーチ」調査データより
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また、弊社が2016年に行った同様の質問では、POSシステムを「利用している」と回答した店舗は37.1％にとどまっていた。2016年当時と比べると、POSシステムを導入する店舗が増えていることがわかる。
「飲食店リサーチ」調査データより
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続いて、POSレジを導入したきっかけについて尋ねると、最も多かったのは「新規開店のため（39.8％）」との回答で、4割近くの店舗はオープン当初からPOSレジを使用している。このほか、「売上データのリアルタイム管理が必要なため（29.8％）」、「決済サービスの導入をするため（22.8％）」と、POSレジの機能面を理由に挙げる店舗も目立った。
「飲食店リサーチ」調査データより
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POSレジの導入で、作業効率アップやレジミス削減も
次に、POSシステムで利用している機能について答えてもらったところ、最多は「売上状況の分析（日別・月別・メニュー別等）」との回答で88.9％。続く回答も「売上のリアルタイム確認（77.2％）」と、売上に関する機能を使っている店舗が多い。また、「クレジット・電子マネー決済（67.8％）」も、6割を超える店舗で利用されている。
「飲食店リサーチ」調査データより
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さらに、POSシステムを導入して良かった点について尋ねたところ、多くの店舗から売上の分析やリアルタイム把握といった「売上管理」に役立っているとの声が寄せられた。ほかにも、「締め作業等の業務効率化」や「レジミスの削減」など、様々な場面でメリットを感じているようだ。
■売上データを分析できる
・ABC分析が容易な点。日毎や月毎などの売上の推移や比較が容易なこと（東京都／カフェ／2店舗）
・販売数を分析することで適正なメニュー設計、原価率コントロールができる（新潟県／洋食／1店舗）
■売上をリアルタイムに確認できる
・タイムリーに売上が見られる（大阪府／居酒屋・ダイニングバー／6～10店舗）
・複数店舗の売上がスマホからリアルタイムで確認できる（大阪府／居酒屋・ダイニングバー／2店舗）
■業務の効率化を図れた
・会計処理が（締め作業）早くなった（神奈川県／専門料理／2店舗）
・原価管理など理論原価がすぐに出せるようになったので、人が入力する手間などが減り、労働時間削減に繋がった（長野県／居酒屋・ダイニングバー／3～5店舗）
■ミスが減少した
・解決できているのは、伝票への入力ミスです。忙しい時間帯だと、どうしても伝票への書き漏れや、違う登録番号でレジ入力をしてしまい、売上の損失が起きていましたが、それらが一切なくなったことが最大のメリットです（神奈川県／イタリア料理／1店舗）
・レジ間違いが少なくなった（愛知県／イタリア料理／1店舗）
■その他
・顧客管理もできるので決済や領収書などがスムーズ（大阪府／寿司／1店舗）
・タブレットタイプのPOSレジは、初めての人でもスマホのように直感的に使用できるので便利（石川県／その他／1店舗）
・税理士、会計士との外部連携ができること（東京都／居酒屋・ダイニングバー／1店舗）
POSレジが「不要」「高額」な店舗も、今一度、導入の検討を
POSシステムを利用していない方に、その理由を尋ねたところ、最も多かったのは「必要性を感じないから」との回答で54.1％。次いで、「費用が高いから（39.9％）」との回答が続いた。
「飲食店リサーチ」調査データより
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POSレジが必要ないと考えている店舗が多い背景には、今回のアンケート回答者の69.2％が1店舗のみの運営をしていることがあると考えられる。しかし、先のアンケート結果からもわかる通り、POSレジを導入することで、売上管理の向上や作業効率のアップなど、様々なメリットを得られる。とくに昨今は、深刻な人材不足に陥る飲食店も多く、作業の効率化は大きな課題の一つだ。小規模経営の店舗においても、POSレジの導入は有用と言えるだろう。
また、POSレジの導入に際し、コストが障壁になっている店舗も見られるが、POSレジの中には、費用負担を極力抑えながら利用できるものもある。さらに、POSレジの導入に使える補助金もあるので、こうした制度の活用も考えると良いだろう。
今回のアンケート結果からもわかる通り、POSレジは、飲食店に様々なメリットを与えてくれるツールだ。これまでPOSレジが必要ないと考えていた店舗も、改めて導入を検討してみてはいかがだろうか。
