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坪月商40万円を誇る笹塚『さささのさ』。“行きたい店の具現化”で街を代表する居酒屋に

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観音通り商店街では徐々に個人飲食店が増え、自身の幼少期とは違った活気を取り戻すなか「みんなで盛り上げていきたい」と語る片桐氏

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2店舗目はあえて笹塚から離れる。豪徳寺に『山下さささ』をオープン

「満席でお断りすることも多くなってきて、お客さまからは笹塚に2号店を出してほしいというお声を頂いていました。でも僕は別の場所がよかった。同じエリアに出店してお客さまが分散してしまうより、別のエリアで新しいお客さまに会いたかったので」

およそ2年間かけた物件探しの末、今年4月に小田急線豪徳寺駅から徒歩1分、世田谷線山下駅から徒歩30秒の立地に『山下さささ』をオープンした。奥さまの友人が経営していたバーの物件を引き継ぐ形で、ご縁が紡いだ出店だ。

『山下さささ』は同じく居酒屋業態で、一年中楽しめるおでんと地鶏料理、そして焼酎の3つをメインとした。冷蔵保存が必要な日本酒に比べ、焼酎は常温管理できるため扱いやすい。またライチの香りがする芋焼酎『だいやめ』を扱うなど、遊び心あるラインナップでお客さまを楽しませることも忘れない。

「2路線の駅チカ物件ですが住宅地に囲まれた場所なので、いかにリピート客をつかむかが鍵です。いまは月商300万円弱ですが、2店舗あわせて1,000万円を目指して強化しています」

観音通り商店街の入り口。この右手に『メルクマール京王笹塚』がある

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笹塚駅南口再開発は続く。中村屋跡地に高さ100メートルの高層ビルが建設予定

『メルクマール京王笹塚』の登場ですでに街の様子は変化しているようだが、まだ駅前再開発の3分の1が完了したにすぎない。続いて2つ目のブロックでは、中村屋の東京事務所があった跡地に高さ100メートルの高層ビルが建設予定である。こちらも『メルクマール京王笹塚』同様に、低層部に商業施設や事務所、中高層部は住宅で構成されるそう。

「中村屋跡地開発では、ショッピングモールのフレンテがもう一つできるようなものと考えています。新しいお客さまを掴むチャンスですから、期待でしかありません」

駅前再開発でさらなる伸びしろが期待される笹塚エリアだが、今のところ賃料アップの傾向は見られないという。しかしながら引き続き、飲食店を開ける物件を見つけること自体が難しいだろうと片桐氏は語る。

「笹塚は都心からアクセスのよい住宅地で、お客さまもお酒をよく飲んでくれるので、飲食店を営むには適した場所だと思います。もしもう一度やり直すとしても、僕は笹塚に店を出したい。ただし問題は物件です。空き物件でも飲食業態はNGというところも多いので、そこが課題でしょうね」

個人飲食店の出店地として大変魅力的な笹塚エリアだが、なにより物件探しのハードルが高そうだ。今回のインタビューでは街の魅力を知るとともに、独立時の出店地選びや、居酒屋の魅力づくりなど、片桐氏の経験から学ぶところが多かった。

『さささのさ』
住所/東京都渋谷区笹塚1-16-5
電話番号/03-6804-8853
営業時間/17:00~24:00
定休日/不定休
席数/35

『山下さささ』
住所/東京都世田谷区宮坂2-26-4 豪徳寺コーポラス103
電話番号/03-5799-7568
営業時間/17:00~24:00
定休日/不定休
席数/22席

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。