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繁盛店『神泉ホルモン 三百屋』に聞くメニュー戦略。希少な食材を“売り”に集客するには?

人気メニュー「脂付き上ハツ」

レア食材と呼ばれるような、他店ではなかなか食べられない食材を“売り”にする戦略は、店舗の個性や競争力を高める手法として有効です。

今回は、常時25種類以上の新鮮なホルモンを取り揃え、常連客からも絶大な支持を得ている渋谷『神泉ホルモン 三百屋』の料理長・小野浩史氏に、仕入れのコツや集客のコツを聞きました。

人気店としてのこだわり

『神泉ホルモン 三百屋』では、定番のハラミやハツ、シマチョウといったホルモンはもちろんのこと、なかなか聞いたことのないような名前のホルモンが新鮮な状態で提供されています。常時、牛・豚合わせると25種類以上あるホルモンは、部位ごとに一番美味しく食べられるカットが施され、また下味のつけ方なども工夫が施されています。

1階はワイワイと楽しめるカジュアルな雰囲気に。同じ建物の2階にある『三百屋 お弐階』は、割烹スタイルで少量ずつホルモンが楽しめる完全予約制の別館として、接待やデートなどでも使える店舗づくりをしています。

そんな『神泉ホルモン 三百屋』は2006年のオープン以来、一見さんはもちろんのこと常連客からも愛されているホルモンの名店としての地位を確立しています。渋谷駅からは少し歩くため、立地としては決して良い場所に立つお店とは言えません。それでも「何度も足を運びたくなる」と客に感じさせる秘密を聞くと、「良い素材を食べやすく提供すること」だと小野氏。

「ハツや和牛ハラミといった王道のホルモンはもちろんですが、当店で扱っているホルモンはどれも新鮮であることに加えて、切り方やタレの調合などを少しずつ変えています。肉の旨みを引き出すにはどんなタレがいいのか、どう食べていただくのがいいのかを工夫しています」

直接目利きできないからこそ「信頼関係」が何よりも大切

焼き肉“通”からも絶大な支持を受ける人気店

「ホルモンには、魚と違って、旬というものがない」と語る小野氏に、仕入れのコツや気を付けているポイントを伺うと次のような答えが返ってきました。

「例えば魚であれば、築地市場に足を運び直接目で見て食材の新鮮さなどを目利きすることができます。ホルモンの場合は、それができません。うちでは芝浦市場の食肉会社さんに直接オーダーしています。ただし、どんなものが来るのかは店に届かないとわからない。つまり、肉屋さんと店との信頼関係でいい仕入れが成り立っていると言えます」

では、客から「他店とはホルモンの味が違う」と言われる理由はどこにあるのでしょうか。

「新鮮さがモノをいうホルモンは、流通時間が1日長いだけで味に大きな差が出ます。うちでは精肉店などに肉を卸す立場にある仲卸業者に直接注文、届けてもらっているため、他店よりも提供されるまでの期間が1日短くできます。枝肉を処理する段階で出るホルモンは、肉の流通ではおまけのような存在です。そのため仕入れの予測が少し難しいのが正直なところ。だからこそ、業者さんとの信頼関係をしっかり作って、安定して仕入れる客として認識してもらうことが大切なんです」

人気メニューと常連客も楽しみにするレアメニュー

レアメニューの「ヤン」

気軽に食べられるのが魅力のホルモン。新鮮に仕入れるための業者との関係づくりが何よりも大切だという小野氏に、店の人気メニューを伺ってみた。

「珍しいもので言えば、ヤンという牛の2番目の胃(ハチノス)と3番目の胃(センマイ)のつなぎ目にある部位のホルモンです。ハチノスの上にほんの少しついている部位なので1頭からとれる量はそれほど多くありません。一人前のヤンを取るのに牛2~3頭必要です。食べやすくするために、しっかりとハチノスのところにある皮を取るなど切り方には気をつけています。またハツの中でも脂付きハツという、新鮮なら刺身でも食べられるホルモンも人気です。こちらも1頭の牛からほんの少ししか取れません。もちろん生でも美味しいくらいですから、お召し上がりいただく際には脂を焼いて赤身をさっと炙るくらいで食べていただくようお伝えしています」

常時25種類以上のホルモンから選ぶ楽しみも提供している同店では、焼き物以外にもホルモン刺しなどを提供。客が飽きずに食べられるようメニューも工夫されている。そんな中で、焼き物以外のメニューで常連客も楽しみにしているメニューに「シビレの握り」というものがある。

「シビレの握りとは、牛のホルモンを甘いタレで味付けして握りにしたものです。牛の胸腺とすい臓にあたる部位なのですが、クリーミーな部位なのでタレとご飯の相性がいいんです。毎日提供できるメニューではありませんが、『今日はシビレの握りないの?』と楽しみにしている常連の方もいらっしゃいます。うちのレアメニューといえばレアメニューですね」

“美味しさ”を前提にすれば口コミ集客で十分

常連客から高い人気を誇る「シビレの握り」

リピーター客も多い同店に、集客の秘訣を聞いてみると「シンプルに当たり前のことを当たり前にするだけです」という答えが返ってきた。

「ホルモンは、いくら希少部位だとしても高く提供できるようなものではありません。落ち着いた雰囲気で、接待などにも使っていただける別館『三百屋 お弐階』でもコースは5,000円。それほど高い価格設定はしていません。小さい店なので、鮮度の良いものを確実に美味しくお出しする、そしてタレの工夫をコツコツと続けることを大切にしています。広告宣伝費にお金をかけるのではなく、人に紹介したくなるような店にすることを優先しています」

いつ足を運んでも美味しいホルモンが食べられる。客にそう感じてもらうためには、食肉業者との関係づくりが一番大切と語る小野氏。店と食肉業者はまさに一心同体の関係。王道のホルモンから希少部位のホルモンまで年間を通じて安定的に注文をしているからこそ、食材を卸す側も優先的にいいもの、珍しいものを卸してあげたいと思う。仕入れ業者とこうした信頼関係をいかに築いていけるのかが、繁盛店の仕入れにおいて大切なポイントだと言えるのではないでしょうか。

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