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新型コロナを乗り越える卸業者の取り組み。新販路開拓や飲食店支援も
新型コロナの影響により、厳しい状況が続く飲食業界。外出自粛や休業要請により店舗の休業や営業時間の短縮が相次いだことで、飲食店に食材を卸す卸業者も苦境に立たされています。そんな中、こうした状況を打破しようと、新たな対応を始める卸業者も出てきました。そこで今回は、コロナ禍における卸業者の取り組みをご紹介します。

画像素材:PIXTA
巣ごもり消費に対応。プロが認める食材が家庭に
先述の通り、休業や短時間営業により飲食店が仕入れの回数や量をセーブしているため、そうした業務用食材を扱う卸業者なども大きな影響を受けています。一方で需要が高まっているのが、自宅での生活を楽しむ「巣ごもり消費」です。そこで、新たな販路として一般の消費者に目を向ける卸業者も少なくありません。
例えば、東京の豊洲市場では、飲食店の休業が相次いでいることで、マグロやウニといった高級魚介の価格が下落し、行き場を失う事態に陥っています。こうした状況を受け、一般消費者向けのネット販売に力を入れる仲卸業者も登場。普段は専門料理店でしか口にできないような高級魚介が、手ごろな値段で購入できるとあって注目されています。
また、飲食店向けに青果の卸売を行っている株式会社フードサプライでは、一般の消費者に対し、ドライブスルー形式での野菜販売をスタートさせました。その名も「ドライブスルー八百屋」。新型コロナの影響で行き場を失ったこだわり野菜やお米の詰め合わせを「もったいない野菜セット」として、全国各地の拠点で販売しています。人との接触を最小限に抑えたかたちで野菜を購入できるだけでなく、生産者の支援にもなると話題になっています。
また、株式会社フードサプライの契約先である『串カツ田中』も、この取り組みに賛同。少しでも生産者の力になりたいと参加を表明しました。『串カツ田中』では、お店で使用予定だった契約農家直送の野菜を「もったいない野菜セット」として販売。自粛期間中は継続的に開催する予定とのことです。

画像素材:PIXTA
卸業者が飲食店を支援する取り組み、広がる
客足が遠のく飲食店に対し、支援を始めている卸業者もあります。業務用食材卸売サイトなどでは、「飲食店応援キャンペーン」を実施。コロナの影響を受ける飲食店が仕入れの予算を抑えられるよう、採算度外視の価格で食材を販売しています。4月末まで行われていた第一弾では、テイクアウトメニューで使いやすい水産商品をピックアップしていました。コロナ禍で厳しい状況の飲食店にとって、強い味方となってくれることでしょう。
また、ワインの輸入を行うディオニー株式会社は、飲食店など6社と協力し、京都の飲食店を支援するために「BUY LOCAL KYOTO」というクラウドファンディングをスタート。コロナ収束後に各店舗で使えるお食事券をリターンに設定し、支援を募っています。参加店舗は5月25日時点で108店舗。開始から早くも2週間で目標金額の1,000万円を達成したため、現在は1,700万円を新たな目標金額として挑戦を続けています。
※5/31 クラウドファンディング 終了
飲食店でも仕入先を支える動きが…!>
こうした支援の輪は卸業者だけでなく、飲食店の間でも広がっています。先述した『串カツ田中』のように仕入先を支援しようと、生産者から仕入れた食材を店頭で販売している飲食店も少なくありません。なかには、スーパーではあまり目にできないような、珍しい食材を販売するケースも。
新型コロナ感染の拡大は、飲食業界にとってこれまで経験したことのない状況を招いていますが、飲食店と卸業者の双方でこうした状況を何とか打破しようとする動きも活発化しています。飲食業界全体で協力し合い、何とかこの状況を乗り越えていきたいものです。
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