飲食店ドットコム 仕入れ先探し
  1. 仕入れ先探しトップ
  2. 食材バイヤーズマガジン
  3. 気候変動で食材の旬が変化しつつある現状、飲食店では取るべき対策とは?

気候変動で食材の旬が変化しつつある現状、飲食店では取るべき対策とは?

画像素材:PIXTA

地球温暖化の影響で、食材が採れる時期がずれたり収穫量や品質が落ちたりと「旬」に変化が生じています。たとえば「2025年はサンマが数年ぶりの豊漁」と報道されてはいますが、好調だった2000年代初期と比べると漁獲量は大幅に減少しています。旬の食材に変化が起こると、仕入れやメニュー開発に影響が及ぶため、対策が急務です。本記事では、調達ルートの拡張やメニュー開発、ブランド構築といった具体策をご紹介します。


食材の旬が変化するとどのような影響が出る?

気候変動の影響を受けると、食材の旬がずれたり、収穫量や漁獲量が減少したりするケースが増加します。生産量が減ると飲食店では、食材の仕入れコストが上昇し、利益率の低下リスクが高まるでしょう。

旬の時期が本来と異なると、想定していた日に季節の食材を使ったメニューを提供できない問題が発生。代わりの食材を探して新たなメニューを考え直す労力が増えてしまいます。旬の味を楽しみに来店するお客様の期待に応えられないと、満足度の低下やリピーター離れにつながる恐れもあり、対策が必要です。

【気候変動の影響を受けて旬に変化が生じた食材の一例】
●魚介類
サンマは、ピークだった2008年に約35万トンの漁獲量がありましたが、2010年以降は大幅な減少が続き、2024年は約3.6万トンに落ち込んでいます。サンマ以外にも、サケやスルメイカなどさまざまな水産物の漁獲量が減少しているほか、旬の時期でも従来より小ぶりな魚が増えています。

●果物
猛暑の影響で、着色不良や日焼け、甘味と酸味のバランスが崩れるなどの問題が起こり、旬の季節に採れる果物の品質が劣化。熟す時期が本来より早まることで供給も不安定になるほか、産地が移り変わっていくなどの現象も見られます。

●野菜や米
高い気温が続くことで、実のなる数が減少。さらに、果実の皮が硬く形が悪くなるなど、旬を迎えた野菜の品質が低下しやすくなります。米はきちんと登熟できず、成熟が不完全で白く濁った白未熟粒の割合が増加。味や食感が劣化してしまいます。


旬の変化に対応するための3つの対策

■対策1 食材の調達ルートを新規開拓し、仕入れの種類を拡充
仕入れ食材の産地や種類を分散させることで、不作や不漁に左右されずに食材を確保できます。特定の地域のみから仕入れている場合は別の産地での新規開拓も視野に入れ、食材の種類を限定している場合は仕入れる品目の数を増やしましょう。

農家や漁師と直接契約すると、収穫や漁獲の状況を早めに共有してもらうことができ、仕入れの選択肢が拡大。最近では、SNSやオンライン直販サービスを通じて生産者とつながる飲食店も増加しています。養殖や管理栽培の食材も活用して安定的な仕入れを維持することも、リスク分散につながります。

画像素材:PIXTA

■対策2 新たな視点でメニュー開発
旬の時期がずれると「秋に松茸と鱧を使いメニューを開発する」など、従来は定番だった組み合わせを実現しにくくなってしまいます。旬が本来とは異っても困らないように、代替食材を使うことも念頭においたメニューを開発しておくと安心です。また、レシピに柔軟性のある日替わりメニューも準備しておくと、旬の急な変化に対応しやすくなります。「本日入荷した●●を使った限定メニュー」というライブ感を演出すると、付加価値が加わりリピーターが増えるきっかけになるでしょう。

■対策3 店舗のブランド力をアップ
旬の食材が変化したことでメニューを変更せざるを得なくても、サービスや価値観が愛される店舗なら、お客様が離れることはありません。大切なのは店舗の強み(「環境にやさしい」「生産者とつながる」「シェフの技術で魅せる」など)を明確にし、店内POPやメニュー表、SNSを通じてお客様にしっかり伝えることです。「どの産地から仕入れた食材か」「調理でどのような工夫をしているか」といった背景を共有することで、お客様は食材そのもの以上に、お店の姿勢に魅力を感じてくれます。

【提供する価値の一例】
1. 旬の変化までもお店の魅力にする
食材の旬がずれてもマイナスととらえず「今だけの特別な旬」として打ち出します。

たとえば…
「サンマが不漁なので、今ちょうど旬のアジを使った限定メニューをご用意しました」「ぶどうが例年より早くおいしくなったので、期間限定タルトをご提供します」など。

2.「サステナブルな取り組み」をアピールする。
地球環境やフードロスに配慮した取り組みを、お店の個性として発信します。

たとえば…
「地元の食材を活用して輸送距離を短縮し、二酸化炭素の排出量の削減につなげる」
「料理の提供サイズやセット内容を工夫して、食材ロスを減らす」など。

3. 生産者や料理人の価値を伝える
生産者とのつながりや料理人の技術を前面に出すことで「食材が変わっても安心でおいしい料理を楽しめるお店」として信頼を築きます。


旬の変化をチャンスに!飲食店の新たな戦略

気候変動により旬が変化する時代だからこそ、仕入れルートの多様化や柔軟なメニュー開発、ブランド力の強化が欠かせません。環境への配慮や生産者とのつながり、料理人の技術など、自店の強みを積極的に発信することで、付加価値が加わります。旬の変化を、店舗の魅力を高めるチャンスととらえて対策し、長くお客様に愛される店舗へとステップアップしましょう。

「飲食店ドットコム 仕入先探し」では、こだわりの食材を扱う仕入れ業者をたくさんご紹介しています。

最新記事

話題の食材・メニューに関する記事

話題の食材・メニューに関する記事をすべて見る⇒

食材仕入先マッチングサービスのご利用はこちら(無料)

ご利用は無料!仕入れ先からのご提案がメールで届きます!

お探しの食材カテゴリを選択してください。

サービスの流れはこちら

食材仕入先マッチングサービス(無料)

ご利用は無料!仕入れ先からのご提案がメールで届きます!

希望条件を入力すると、当サイトへ登録している食材卸会社の中で、お客様の条件に合った複数の仕入れ先から提案がきます。

希望条件を入力する

ピックアップ仕入れ会社

株式会社小倉の会社ロゴ

株式会社小倉
[業務用酒類販売]

食材卸、酒類・ドリンク卸の企業様へ

参加企業募集中

当サイトでは、取引先飲食店をお探しの食材卸企業様を募集いたしております。

掲載申し込み お問い合わせ
ページトップへ↑