注目高まる「銘柄鶏」とは？　地鶏との違いと代表的な10種を紹介

ブランドとして売り出されている、個性豊かな鶏肉が増えています。しかし、ブランド鶏には「地鶏」、「銘柄鶏」といった分類があり、この二つには大きな違いがあります。今回は特に「銘柄鶏」に焦点を当て、地鶏との違いや代表的な種類をご紹介します。

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ブランドの鶏肉というと、多くの人は「地鶏」を思い浮かべるのではないでしょうか。地鶏の定義は、日本農林規格（JAS)で決められており、条件がいくつか指定されています。全てクリアして初めて「地鶏」と認定されるため、近年問われることが多い食の安全という面でも信頼できる食材といえます。しかし厳格な規格がある分生産量には限界があり、価格はどうしても張ってしまいます。

そんな中、注目されているのが「銘柄鶏」です。これは、生産者が独自に飼料や飼育方法を工夫し、食味よく育てた鶏を指します。ブランド品質であり、銘柄ごとに異なる肉質や味を持ちますが、価格は地鶏に比べて手頃。飲食店にとってとても使いやすい食材といえるのではないでしょうか。

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銘柄鶏は全国に数多くありますが、中でも代表的な10種をご紹介します。

■北海道　中札内産雪どり
海草、よもぎ等をミックスした飼料を与えるため、鶏独特の臭いが抑えられた肉質。休薬期間を40日とる、非遺伝子組み換え飼料を使用することで、安全・健康への取り組みを強化しています。味の特徴は、コク深い旨味。

■岩手県　南部どり
岩手県ならではの自然豊かな環境の中で、フランスの赤鶏と国産の白鶏を掛け合わせて生まれる銘柄鶏です。全飼育期間に渡って、薬の代わりに抗菌能力の高い納豆菌やハーブエキスを与えて健康を保っています。

■茨城県　やさと本味どり
筑波山麓の「やさと」にある開放平飼鶏舎で、1㎡あたり10羽前後と密度の低い飼育環境で育てられています。全期間、無薬指定配合飼料を与えるとともに、納豆菌やオリゴ糖も与えて免疫を増強。水分、脂肪が少ない肉質が特徴です。

■千葉県　水郷赤鶏
天然広葉樹から得た「木酢液」を添加した専用設計飼料を与えるため、鶏肉独特の臭みがなく、アクが出にくい肉質に。また、豊富な運動量があり、長期間飼育しているため、独特の風味と適度な弾力性があります。

■石川県　能登どり
能登の素朴な自然環境の中で丹精込めて飼育。42日齢以降は抗生物質や添加物の入っていない自家配合飼料（醗酵飼料）やファフィア酵母を与えて育てています。通常よりも長く飼育するため、引き締まった肉質に。

■京都府　あじわい丹波鶏
純天然の特殊飼料を添加した飼料を与えることで、甘味の増加、脂肪分の減少、鶏肉臭の減少など、体に優しく美味しい鶏肉となっています。出荷時は、熟練の職人が加工処理をしています。

■和歌山県　紀州うめどり
紀州名産の梅干しを作るときにできる梅酢を脱塩濃縮した（Bx70）を飼料に加えています。そのため肝脂肪などの内臓脂肪が少なく、病気に対する免疫力が高い健康な鶏です。

■鳥取県　大山どり
飼育日数を一般のブロイラーより長くしています。飼料会社との共同開発による「大山どり専用飼料」を与え、腸内細菌を整えて、バランスの良い脂のりと旨味に仕上げています。甘みと歯ごたえがあり、特に食感には定評があります。

■高知県銘柄鶏　四万十鶏
独自の配合飼料に、木酢、海藻、よもぎなどを補給し与えています。肉質は高タンパクで低カロリー。通常よりもコレステロール値が10％低く、ほどよい歯ごたえとやさしい甘みが特徴。

■宮崎県銘柄鶏　日向鶏
ヨードなどの栄養素を含んだ海藻類をブレンドし、ビタミンＥを強化。出荷前約20日間以上を休薬期間とし、安心を追求しています。低脂肪、低カロリー、低コレステロールの３拍子揃ったヘルシーチキンです。

鶏肉は他の肉に比べヘルシーであるため、最近の健康志向に合致します。今後さらに需要は高まっていくと考えられています。また、非常に汎用性の高い食材でもあるため、それぞれの特徴を知り、活用すると良いでしょう。

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