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ウナギ・クロマグロが絶滅の危機!? 自然環境を守る、飲食店の新たな試みとは

昨年6月、国際自然保護連合(IUCN)が、二ホンウナギを絶滅危惧種に指定しました。もともと二ホンウナギは、2年前から環境省によって絶滅危惧種へ指定されていましたが、今回のIUCNの指定によって、国際的にも保護が必要な種として認定されたことになります。
二ホンウナギは蒲焼やうな丼、さらに日本料理店で積極的に用いられており、例えばミシュランで三ツ星を獲得している銀座『小十』では、店を代表するスペシャリテとしてウナギ料理が供されています。もちろん家庭においてもお馴染みの食材で、土用の丑の日には、家族揃ってウナギを食するのが習慣となっています。
そんな二ホンウナギが今、絶滅の危機に晒されているのです。1978年までは年間2000〜3000トンほどの漁獲があったものの、2012年は165トンまで数字が落ち込みました。また稚魚の漁獲量も、50年間で年間200トンから、年間5トンまで激減。IUCNはその理由について、乱獲や生息地の環境悪化、汚染、海流変化などを挙げています。
二ホンウナギの絶滅を避ける対策とは?
絶滅の危機を脱するためには、まずは、一番の原因である稚魚の乱獲を抑える必要があります。この重要性は世界的にも認識がされているようで、
WWF(http://www.wwf.or.jp/activities/2014/09/1223718.html)によると、
「2014年9月16日、17日の両日、日本政府が呼びかけ、中国、台湾、韓国が参加した『ウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議』が開催されました。(中略)この協議では、大きく2つのことが合意されました。まず、漁獲し、養鰻場に入れている(池入れ)ウナギの稚魚の量を制限し、直近の数量から20%削減すること。そして、その実施のための国際的な養鰻管理組織の設立が合意されたことです」
と報告がされています。こうしてようやくウナギ保護のスタートラインに立ったわけですが、その結果が出るのは何十年も先。昨年は「ウナギ豊漁」のニュースがメディアを賑わし、価格低下に繋がりましたが、そうしたニュースに一喜一憂せず、私たち消費者も注意して見守っていく必要がありそうです。
クロマグロやハマグリも絶滅危惧種に
さて、ここまでは二ホンウナギの話でしたが、絶滅の危機に晒されている生物はまだまだいます。身近なものだとクロマグロ、そしてハマグリ。食卓を彩るこれらの食材が、絶滅危惧種に指定されているのを、ご存知ない方もきっと多いはず。さらに食材以外では、ホッキョクグマ、チーター、レッサーパンダ、ゴリラなども絶滅が懸念されています。これらの動物が動物園で元気に過ごしている姿は、とても貴重と言えるわけですね。
自然環境を守る、飲食店の新たな試み
二ホンウナギやクロマグロといった希少食材は、飲食業界においてもやはり丁重に扱われます。その一方、大量生産・大量捕獲の影響で、廃棄されるような食材があるのも事実。東京都中央卸売市場の資料によると、築地市場が出す魚貝類の廃棄物は、1年間で6,203トンにものぼるのだとか。
まさに“もったいない”という言葉を思わずつぶやいてしまいそうですが、こうした実情に目を向け、新たな試みにチャレンジしている飲食店があるので最後にご紹介したいと思います。
■魚治
丸の内の新東京ビル内にオープンした『魚治』は、築地市場の仲卸業者・山治の協力のもと運営している和風居酒屋。食材は、新鮮にもかかわらず、小さなキズがついていることを理由に廃棄される魚などを利用。“もったいないアクション”をコンセプトに、築地市場で廃棄されている食材を有効活用する活動を行っています。
こうした“食材を大切にする想い”は、結果的に自然環境を守ることにも繋がります。この想いが少しずつ広がっていけば、きっと絶滅危惧種の保護にも繋がっていくことでしょう。
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